スクールランブルIF20【脳内保管】

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659A Better Tomorrow
 話があるんだ、と。
 そう言われたとき、不思議と播磨は冷静だった。
 いつかはそんなことがあるかもしれない、そう思っていたわけではないはずなのに。

 ――俺は。

 何かを言おうとして、けれどそれは言葉にならず。

「いいぜ、聞いてやるよ」

 結局それだけを口にして、播磨は彼のあとに続いた。
 烏丸大路のあとに。


A Better Tomorrow -男たちの挽歌-


「ここで君と初めて話したんだったね」

 烏丸が足を止めたのは、校舎の裏にある水飲み場だった。播磨の中では『どうでも
いいこと』に分類されているそんな出来事も、彼の中では記憶に刻まれているらしい。

「あれからいろんなことがあった」

 相変わらずどこを見ているのかよく分からない、そんな眼差しで呟く烏丸に、やっぱり
コイツは分からねぇ、と思う播磨。何を考え、何を思い生きているのか。その欠片さえも
感じ取ることが出来ない。
 けれど、それと同時に。

 ――コイツは俺と違う世界を見てるのかもしれねぇ。

 そんなこともまた、ふと思った。