「どうだっ!」
「……いや、いきなり帰ってくるなりそんなことを言われてもな」
「へっ、コイツを見やがれ」
「あー、なになに……新人漫画賞佳作……?ほう」
「俺だってやりゃ出来るんだよ!もうただの穀潰しとは呼ばせねぇぜ」
「君にしては珍しくマジメに打ち込んでいたからな……教師としては、あれを
勉強の方にも向けてくれれば……いや、むしろそっちは手を抜いてもらって
落第でいずれは退学、というのはどうだろう」
「どうだろうじゃねぇだろ!?」
「そうすれば、私としても清々しい気持ちで学校に行けるんだが。というかさ、
実際かなりマズイと思うぞ、君の成績」
「んなこた今はどうでもいいんだよ!……なんか他に言うことあるだろ」
「他に?まったく思いつかないが」
「テメェ……」
「冗談だ。そんなに怒るな、分かってるよ。えーと、おめでとう」
「なんでそんなに棒読みなんだよっ!?」
「気にするな。それより……君は本当にこれでいいのか?」
「……なにがだよ」
「いや、受賞作は掲載されるんだろう?確か」
「おう」
「……見る人が見れば分かると思うんだが、登場人物のモデル」
「……あ」
「……やはりなにも考えていなかったか」
「ど、どどどどうすんだよっ!?」
「知るか。いいじゃないか、告白すら出来なかった君が、これで塚本君のことが
好きだと宣言したことになる。まあ、当の彼女が気づかないような気もするが」
「最悪じゃねぇかっ!」
ちゃんちゃん