スクールランブルIF20【脳内保管】

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522Classical名無しさん
 ちゃらら〜♪
 携帯がメロディを奏でる。
 某有名時代劇のテーマ曲だ。
 それを着信音に設定するのは、なかなかにしてそこそこに恥ずかしいことのような気もする
のだが、当の持ち主――播磨拳児はそれを一向に気にしない。
 ちなみに。
『なんスかそれ』
 とのたまった吉田山が即時撃沈されたこともある、と一応付記しておく。
 それはさておき。
「……あん?」
 画面に表示されたのは見知らぬ番号。取る必要はないと言えばないのだが、先日の受賞の
ようなこともあり、一概に言い切ることは出来ない。
「しょうがねぇ……」
 ちっ、と舌打ちしてひとまずは通話という選択肢を選ぶ。どうせ見知らぬ相手、間違いなら
一発がつんと言ってやりゃあいいんだ、そう思って――

「オレだ」
「さっさと出なさいよこのバカ!番号間違ったかと思ったじゃない!」
「……へ?」

 ――叫んだ向こうから返ってきたのは、負けないくらいの怒鳴り声だった。
 しかも、全然まったくこれっぽっちも予想していなかった相手からの――


お嬢様狂想曲 -或いは執事に隙を見せるな-


「なにぼさっとしてるのよ」
「あ、いや、その」
 妙に播磨がかしこまっているのも無理はない。
 彼がいる場所は、それまで足を踏み入れたことなどあろうはずもない、文字通りの『邸宅』
なのだから。