その場に集う者たちの名が、一人ずつ読み上げられていく。
ある者にとってそれは単なる通過儀礼であり、またある者にとってそれは――死刑宣告である。
たとえば。
「播磨君」
その名を持つ少年の身体が、びくりと震える。
「もう少しなんとかならないもんかな……と言うか、君が家で勉強しているかどうか、おおいに
気になるところなんだが」
どうかなそこら辺、と。
投げやりに言いながら刑部絃子が渡す答案には、零点の文字が躍っていた。
「補習決定。いいな?」
「ぐ……ハイワカリマシタ」
――で。
「というわけで特別講師の高野です」
生徒は、と教室を見回して。
「またあなたたち二人だけ、と」
「えへへ」
バカでよかった(いや、当然よくはないのだが)と、いつぞやのように播磨はまた思っていた。
理由は言うまでもなく、