良くある休日の昼間、ダイニングでカップラーメンをすする俺に、イトコが話し掛けてきた。
さっきから何かを言いたそうにこっちをチラチラ見てたんで何事かと思ったが、ようやく意を決した様だ。
「ときに拳児君、塚本さんの事なんだが…」
「あ?天…もとい塚…もとい天満ちゃんの事がどうしたって?」
いつもの癖で言い換えちまったが…考えてみりゃコイツは俺が天満ちゃんを好きだって知ってるんだからな。
「…そっちじゃない。塚本八雲さんの事だ」
って、妹さんの事ね。
そういやイトコは妹さんの担任って話だったな。そういや茶道部の顧問もイトコだっけか?
「妹さんがどうかしたのか?」
「…うむ、私も言おうかどうか迷ったんだが…いかに恋愛は個人の自由と言ってもまだ学生の身分、
おまけに私の教え子とくればこれは何か間違いがあったとしたら看過する訳には……い、いや、別に
他意はないぞ他意は」
何を言いにくそうにしてるんだか、イトコらしくもねぇ。
というか、何を言いたいのかさっぱりわからん。
「そもそも私と言う妙齢の女性が同居人でありながら曲がりなりにも私の知人である女性を部屋に
連れ込んであまつさえ家主である私を追い出すというのはだな、ペットもとい居候もとい家賃滞納
常習犯である君は果たして自分の分という物を…」
「あー分かった分かった、お説教なら学校だけで充分だぜ」
まったく、何が悲しくて家でまで先公のお小言を聞かなきゃならんのかね。
つーかペットって何だ。 俺は番犬か? そんなモンが要るほど可愛げのある女じゃねーだろオメーはよ。