どうせ暇だし小説でもうpするよ

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10905
タイトル
「future」
20905:05/02/15 00:59 ID:AYXCUUpY

俺は夢を見た。
夢の中で、一人の少女と出会った。
とても可愛い子だった。
だけど、何故だろう。
こんなに、悲しいのは--------
30905:05/02/15 00:59 ID:AYXCUUpY
一章「和実」

冬、結婚式を一週間後に控えた昼のことだった。
知り合いに呼び出され、今はこの喫茶店にいる。
「で?今更なんだってんだ?」
俺は、正面の女に向かってぶっきら棒に切り出した。
こいつは俺の元恋人の和実だ。
分かれてからもう九年が経つ、それまで連絡が来たことなど一度もなかったんだ。
「会わせたい子がいたのよ」
和実は不敵な笑みを浮かべると、隣にいた少女を一瞥した。
「私、唯子っていいます!初めまして!」
ほうほう、唯子ちゃんね〜可愛いね〜。
「俺は一矢、お兄さんって呼んでいいぞ。唯子ちゃんはいくつなのかな?」
「うん!お父さん!唯子は…」
和実が唯子ちゃんを手で制止した。
「この子は9歳になるわ」
9歳ね〜、最近の子は発育がはやいな〜。
40905:05/02/15 01:00 ID:AYXCUUpY
可愛い子だな、元気もいい。俺のことお父さんとか呼んじゃったりして…え?
「おい…お父さんだと?俺が?」
しばらく空気が凍り付いていた。
その中、一人だけがニコニコと笑みを絶やさない。
「なぁ、和実…冗談だろ?」
しかし和実は真剣な目で俺を見つめていた。
「今更、ね?一矢に押し付けようって気はないのよ。ただ、この子が会いたがってたからさ」
俺はただ俯いたままだった。
「彼女とはうまくいってるの?」
「ああ、近々式を挙げる。」
そう…と答えると、
「お願いがあるの。唯子を3日間だけ預かってほしいのよ」
式を控えたこの俺に、この子を預かれというのか。
「ふざけるな!」
何もかも過ぎた後に、しかも俺には何の相談もなしで、勝手に育てた子をか?
馬鹿馬鹿しい。これから始まる幸せを、この女は台無しにする気なのだろうか?
「ふざけてなんかいないわ。一矢が断るっていうなら、こっちにも手はあるけど…ね?」
体が、心が、落ち着かない。闇の底に落とされた気分だった。
不意に少女、唯子が口を挟む。
「迷惑ですよね・・・でも、どうしてもお父さんと一緒に居たいの!」
泣くなバカ、俺が泣きたいよ…。
50905:05/02/15 01:00 ID:AYXCUUpY

ひとまず俺はアパートの住所と部屋の番号を教えた。
そして今、部屋で一人頭を抱えていた。
確かに心当たりはある。別れる前、和実は妊娠をしていた。
だが経済力もなく、当然のように和実と結婚などする気はなかったんだ。
泣き叫ぶ和実に、中絶に必要な額以上の金を入れた封筒を投げつけると俺は逃げた。
あれからもう九年か…。
サイテイな記憶を掘り返し、俺はただ、項垂れているだけだった。
こんなこと京子にいえねえよな、とか思いながら。
60905:05/02/15 01:00 ID:AYXCUUpY
第二章「京子_1日目」

式までの準備は全て済んでいたので良かったものの、何度考えても唯子ちゃんを預かるわけにはいかなかった。
今夜は京子とゆっくり過ごしたいんだ。
冷たく押し返すのも心が痛む、居留守を使えば諦めもつくだろう。

夕方になりチャイムが鳴った。
部屋に、ノックの音が小さく響いた。
その後しばらく同じことの繰り返しだったが、諦めたらしく音はそれっきり止んだ。
心が締め付けられるようだ、だけど、俺は…。

夜が来て、約束の時間が近くなった。
そしてもう一度チャイムが鳴った。
合鍵で開錠する音、そしていつもの声。
俺はただ京子を抱きしめていた。
「おかえり…」
この幸せはずっと続く、誰にも邪魔はさせない。
そう心に誓って。
しばらくして俺は京子に尋ねてみた。
「あのさ、表に誰か居なかったか?」
しかし京子は首を傾げると、
「えっ、誰も居なかったけど…」
京子はただただ、不思議そうに俺の顔を見つめていた。
こんな風に、こんな日常が続けばいい。
俺は京子にキスをすると、自然と笑みがこぼれた。
70905:05/02/15 01:02 ID:yRGHsKpk

京子も帰り、俺は一人でテレビを見ていた。
小腹も減ったしコンビニにでも行こうと思い、テレビを消す。
暖房はつけたままで部屋を出た。
俺はただ驚いていた。
そこに、唯子ちゃんはいた。
俯き、ひざを抱え、一人で泣いていた。
「おい、何やってんだよ…」
唯子ちゃんは俺を見上げて涙をぬぐうと、無理して笑った。
「あ…お父さん」
寒さに震える唯子ちゃんを抱きかかえると、俺は部屋に戻った。
80905:05/02/15 01:02 ID:yRGHsKpk
第三章「一矢_2日目」

唯子に適当なものを食べさせて寝かしつけると、俺も寝ることにした。
その夜、俺は不思議な夢を見たんだ。

親子が暖かな光の中、会話をしている。
「ねえ、お母さん。何で唯子にはお父さんがいないの?」
娘はまだ小さくて、母親の腕をつかんで駄々をこねているみたいだった。
「お父さんはね、唯子が生まれる少し前に遠くへ行っちゃったのよ」
娘は俯くと、床に涙が零れ落ちた。
「…死んじゃったの?」
母親は優しく微笑むと、
「だめ、信じるの。唯子はお父さんに、絶対に会えるから。信じて…ね?」
娘は母親の袖を掴んだまま、うん、とだけ呟いた。
不意に母親と娘が俺のほうを向いた。
そして、目が覚めた。
90905:05/02/15 01:03 ID:yRGHsKpk
無意識…でもないが、やはり俺は唯子や和実のことを気にかけている。
だからきっとこんな変な夢も見てしまうんだろうな。
目が覚めると、時間はもう8時を回ってしまっていた。
暖房を付けたままソファーで寝てしまったため体が痛い。
「仕事…か」
顔を洗い歯を磨く、朝食を摂る時間はない。
ふと唯子のことが気にかかり、ベッドに向かったが…。
「いない?」
布団を捲くっても唯子はいなかった。
全部夢だったとか、まさかな。
家を出るときにドアに書置きが残されていた。
「おはよう!唯子は一度家に帰るので夕方にまた来ます。お父さんへ」
なんとなく苦笑してしまいながら、その紙をポケットに突っ込んで俺は出勤した。

気づけば仕事中ずっと唯子のことばかり考えていた。
上司は式が間近な俺に気を遣うことなど全くなく、今日も残業だ。
唯子は待っているだろうか?そんなことを思いながら中々仕事は進まない。
時計の短針がこんなに早く進む感じなんて初めてだった。
100905:05/02/15 01:03 ID:yRGHsKpk

珍しくタクシーを使い、アパートに着く頃には十時を過ぎる手前だった。
急いで階段を駆け上る。
息を切らせ、部屋の前、やはり唯子は待っていた。
「おかえりなさい、お父さん。おつかれさま!」
なんで、笑顔なんだよお前は…。
俺はただいまも言わずにただ唯子の手をとり、部屋へ戻った。
唯子の手は柔らかく暖かく、俺は自分の手の冷たさを知った。
110905:05/02/15 01:03 ID:yRGHsKpk
第四章「唯子_3日目」

不思議な夢を見た、立て続けで同じ夢だ。
でも昨日とは少し違う。
母親が娘と話をしてる。
「唯子ね、最近お父さんの夢を見るの」
その娘はまさに唯子だった、年も多分同じくらい。
「お父さんね、毎日お仕事頑張ってるんだよ!」
そんなことない、俺は唯子の思うような“お父さん”なんかじゃ…。
「あのね、唯子が居なくなったらお母さん悲しい?」
母親は唯子を抱きしめると、
「そんなこと、言わないで…ね?」
この声は和実のものだっただろうか。
一瞬見えた母親の顔は、和実だっただろうか。
夢に出てきた母親は京子だったのではないだろうか。
120905:05/02/15 01:04 ID:yRGHsKpk
どうかしてる、そんな事を思いながらの目覚めは良いものではなかったが、
隣に唯子の体温を感じる。それが心地よかった。
夕べは「一緒に寝る!」ってせがまれて大変だったんだよな。
さて、今日で唯子とはお別れだ。きっと金輪際会うこともないだろう。
「寂しくなんか…ないさ」
そう呟き、唯子の幸せそうな寝顔にしばし見入ってしまった。
俺は書置きだけすると、いつも通りに出勤した。


  おはよう!
  本当に短い間だったし構ってもやれなくてごめんな。
  俺はやっぱ父親失格だ、唯子をここまで育ててくれた和実に感謝しなくちゃな。
  もう会う事もないだろうけど、お母さんによろしく…な?
  元気でな、ばいばい。
  お父さんより、唯子へ。
130905:05/02/15 01:04 ID:yRGHsKpk
今夜は京子とデートの約束がある。
いつも以上に仕事を早めに済ませるが、どうしても残業というヤツからは逃げ出せない。
今日も短針は早く進み、間もなく約束の時間って時に仕事は片付いた。
俺は急いだ。
タクシー乗り場まで、あと少し。
ここを渡ってしまえば間に合う、きっと間に合う。
信号は青だ。
そして俺は、

…車に轢かれて死んだ。
140905:05/02/15 01:05 ID:yRGHsKpk
第五章「夢」

変な夢を見た。
女の子が私のところへ未来から会いに来る夢。
その子は昔の男と他の女の娘で、お父さんを助けたいといった。
もうすぐあの男は死ぬらしい。
死ねばいいと思った。
私にとって汚点としかいえないあんな過去。
あの男が死ねば少しは気が晴れるかもしれない。

次の日も同じ夢を見た。
女の子は泣きながら、私に協力を求めている。
私の考えは依然として変わらない。
でもそんな女の子を見て心が痛んだ。
150905:05/02/15 01:05 ID:wamsWWi6
1は、自ら命を絶つ前に、とある墓場を見に行ったそうです。
その理由は、ここに埋められるのかなというシチュエーションのGETと
周りに若い女の子のお墓がないかなと、物色するためでした。
現世でちっとも女性に巡り会う機会のなかった1。
来世では、という意気込みがそこにはありました。
しかし、中々お気に召すご近所さんがいなかったので、やはり
自分の骨はここに埋めるといってこのスレッドを立てました。
そして、自分の思いの丈をここに書き殴ったのですが、案の定、
みんなに馬鹿にされてしまいました。
本当は、既に氏んでいるはずでした。しかし、「これでは氏ねない」
その気持ち1つでこのスレの1は生き延びています。
部屋に閉じこもって所謂「引き篭もり」の生活を続ける羽目には
なったもののこうして生きている。
そして、いま、力強く声をあげている。そして、半べそかきながら
このスレの一語一字を目で追っている。
そこには「生きたい」という希望が見え隠れする。
その1の多大な精神状態の変化には目を見張るものがあり、そして
あの閉ざされた北朝鮮をこじ開け始めたキム・ジョンイルの名言に
こう言う言葉があったのを思い出した・・・。

「一度スレッドを立てたら、そこの住人の人生を背負うことになるんだゾ」

この言葉を1に思い出して欲しい。他人の人生よりも、まず自分。
そう1に言い聞かせてあげたい。
160905:05/02/15 01:05 ID:yRGHsKpk
疲れているだけだと思った。
あれからもう9年も過ぎている。
例え夢の女の子が“あの時中絶した子”だとしても、私は愛することなど出来ないだろう。
私は変わらない…変われないのかもしれない。
変わる勇気なんか、ない。

三度目の同じ夢。
過去を捨て切れていない自分に気がついた。
私の気が変わった。
あの男にとっても良い薬になるかもしれない…そんな単純な気持ち。

朝、いつもの朝。
心のどこかでは所詮夢だと思ってた。
でも、その子は私の目の前に現れたの。

そして私は約束通りその男を呼び出して、女の子を引き渡した。
なんだか笑っちゃうくらい不思議な感じがした。
何年ぶりかに、空が綺麗だって思えた。
170905:05/02/15 01:06 ID:yRGHsKpk
第六章「メッセージ」

目が覚めるとそこは病院で、隣では涙で目を腫らした京子が立っていた。
体は別に痛くないし、そもそも記憶がない。
「おはよ…デート、遅れちゃってごめん」
そう言うと、京子は泣きながら抱きついてきた。
話を詳しく聞くと、俺は車に跳ねられて意識を失っていたらしい。
式は延期になったものの、とにかく俺が無事でよかったとみんなは言ってくれた。

その後検査結果に異常はなく、俺はアパートに帰った。
久しぶりに部屋に帰ってきた気がする。何故か懐かしい感じ。
何か、大事な忘れ物を取りに来た気がするが…気のせいだろう。
とにかく会社にも迷惑をかけたし、今日は挨拶くらいいかなくちゃ…な。
背広を着て、俺は職場へと向かった。
180905:05/02/15 01:06 ID:wamsWWi6
第七章「悪魔の囁き」
今日、電車乗ってたら、前にキモオタが二人乗ってきた。

なんか一人がデカイ声で「貴様は〜〜〜!!だから2ちゃんねるで馬鹿に
されるというのだ〜〜〜!!この〜〜〜!」
ともう片方の首を絞めました。
絞められた方は「ぐええぇーー!悪霊退散悪霊退散!!」と十字を切っていた。
割と絞められているらしく、顔がドンドンピンクになっていった。

渋谷でもう一人、仲間らしい奴が乗り込んできてその二人に声をかけた。
「お!忍者キッドさんとレオンさん!奇遇ですね!」 「おお!そういう君は****(聞き取れず。何かキュンポぽい名前)ではないか!
 敬礼!」
「敬礼!出た!敬礼出た!得意技!敬礼出た!敬礼!これ!敬礼出たよ〜〜!」
俺は限界だと思った。
190905:05/02/15 01:07 ID:yRGHsKpk
上司や同僚に挨拶を済ませ、今日は帰ることにした。
家に着き、背広を脱いだ時…その違和感に気づいた。
なんだ、これ。
それは一枚のメモ。
くしゃくしゃに折れ曲がった、一枚のメッセージ。
全てを思い出し、俺は和実の元へ向かった。
もしかしたら全部夢だったのかもしれない、でもこのメモを信じたい。
そんな一心で。

考えてみたら俺は和実の住所もなにも知らない。
だから喫茶店へ向かうしかないのだけど、そこに和実は居たんだ。
まるで待ち合わせをしたように、俺を見て手を振った。
「おかえり」
俺は向かいの席に座り、ひとまず息を整えた。
「あの…さ。全部思い出したんだ」
和実は何も言わず俺の次の言葉を待っていた。
「事故のこと、夢のこと。それと…」
「それと?」
俺は和実から目をそらさない。
「唯子のこと」
そして、和実は全部俺に話してくれた。
200905:05/02/15 01:07 ID:yRGHsKpk
「俺は、父親失格…だな」
声が震え、涙が溢れてくる。
「唯子は…もう戻らない。なのに俺は何も出来なかった」
「でもね一矢、唯子ちゃんにとっては…あんたはたった一人の父親なんだよ」
父親が、自分の子を愛することはおろか助けることさえ出来なかった。
このままで唯子と同じ時代を生きていけるのだろうか?
「あの子が願ったのは、一矢の幸せだけじゃない。お母さんの幸せや、自分の願いでもあったんだよ」
和実は優しく言った。
「そんなの嫌なんだよ!俺なんかに会うために、自分を犠牲にする必要なんか…!」
「自分の価値は自分で決めるんだよ、これ以上唯子ちゃんに辛い思いをさせる気?」
俺は俯いたまま、和実の話は続く。
「私は…私は一矢次第だと思うよ?だって未来は一つじゃないから、さ」
和実が席を立ち、俺は顔を上げた。
「ほら、しけたツラしてないで!」
手を引かれ俺も立ち上がり、店を出た。

「これ…和実に持っててほしいんだ」
唯子からのメッセージを渡した。
「そうね、貰ったげる〜」
俺たちは笑った。
空はこんなにも綺麗なマリンブルー。
「ごめんな…」
言えなかった遠い日の言葉の意味を、和実は理解してくれた。
「バイバイ!」
そして、俺たちは最高の笑顔で、最高の未来へと------
210905:05/02/15 01:08 ID:yRGHsKpk
エピローグ「未来」

あれから日々は流れ俺と京子の式が挙げられた。
式の前日になってから「子供が出来た」なんて言うものだから、
俺の思考回路はショート寸前ムーンライト伝説だ。
とにかく嬉しくて嬉しくて、その夜は緊張と喜びで眠れなかった。
そういえば、京子が夢を見たって言っていた。
俺と京子と俺たちの子供の、幸せな日常。

「あのさ、子供の名前なんだけど!!」
「気が早い〜。まだ性別も分かんないのに?」
「唯って名前にしよう!」
「あっ、私も同じこと考えてた…」
「じゃあ、決まりっ!」
220905:05/02/15 01:08 ID:wamsWWi6
第八章「お前の魂を焼き付けろオンユアハート」
ん、どうなのぉ?いいのぉ?
>>1さんいいのぉ?そんなスレ立てていいのぉ?
どこに立てるのぉ?ん、ねぇ、なんてタイトルなのぉ?
言わないのぉ?言わないと立てないよぉ?立てないでいいのぉ?
ん、どこなのぉ?ん、なんてタイトルなのぉ?ねぇ?
ん、そこに立ててほしいのぉ?ここぉ?ここぉ?
ここでいいのぉ?ねぇ?内容書かないでいいのぉ?ねぇ?
それじゃ立てれないよぉ?ん、エラー出ちゃうよぉ?ねぇ?
立てていい?スレッドたてちゃっていいのぉ?ねぇ?
あー、すごい。ねぇ?すごいよ?ねぇ?
ダメだよぉ?ちゃんと自演しなきゃ?
自演しなきゃ埋まっちゃうよぉ?ねぇ?いいのぉ?
ねぇ?埋まっちゃっていいのぉ?
あー凄い、こんなに煽られちゃって、煽りがすごいよぉ?
いいのぉ?いいのぉスレ消しちゃっていいのぉ?
ここで消しちゃってもいいのぉ?まだ100も行ってないよぉ?
いいのぉ?スレ消していいのぉ?それじゃ消すよぉ、消すよぉ、
あっ・・・
230905:05/02/15 01:09 ID:yRGHsKpk

  唯子へ。

  お父さんは毎日頑張っています。
  唯子の分も。
  あの子の分も。  

  唯子が届けてくれた未来へ向かって、一生懸命生きています。
  いつか同じ時を一緒に過ごすとき、お父さんは笑ってるから。
  だから唯子も、いつまでもその笑顔を絶やさないでいて欲しいと願っています。
  
  ありがとう。
  唯子が愛してくれた様に、お父さんも唯子を愛しています。

  お父さんより。

end
240905:05/02/15 01:11 ID:yRGHsKpk
>>1-14>>16-17>>19-21>>23

これで完結です。
ご静聴ありがとうございますた。
25Classical名無しさん:05/02/15 01:12 ID:EPPAnMQ6
途中の邪魔が余りにナチュラルすぎてそういうのかと思ってしまった
26Classical名無しさん:05/02/15 01:18 ID:vgFX9/rY
よくできました
270905:05/02/15 01:20 ID:yRGHsKpk
と、いうわけでですね。
こんな風に、割と短編でサラッと
読めちゃう感じの小説をみんなで投稿してくれたらなぁ…
なんて思ってるわけでございますよ。

お題を決めて、各々でそのお題にしたがって様々なストーリーが
描かれるってのも楽しそうじゃないですか?まぁ暇人限定になっちゃうけどね…。
28Classical名無しさん:05/02/15 01:22 ID:EPPAnMQ6
いいねいいね
290905:05/02/15 01:26 ID:yRGHsKpk
書き込みの際はメモ帳に書き留めておいて一気にコピペがお勧めだす。
僕が書いたのはチョイ真面目杉だったので、2chらしくラウクラらしく、
いろんな表現で面白おかしくやるのもアリですね!

じゃあ、最初のお題は「春夏秋冬のいづれか」でどうでしょう?
300905:05/02/15 01:31 ID:yRGHsKpk
では僕は
「夏」
で書き始めますね!
夏が好きなので(キャミとかタマンネーw
31Classical名無しさん:05/02/15 01:32 ID:vgFX9/rY
>0905
うお新作がんばれ
32Classical名無しさん:05/02/15 09:29 ID:LYvDlwvQ
つまらん。
33Classical名無しさん:05/02/15 19:59 ID:rxy.ZBFk
たしかにつまんね。
340905:05/02/17 03:44 ID:qSVxfQk6
では夏を題材として「summer days」 逝きます。
350905:05/02/17 03:45 ID:qSVxfQk6
みーんみんみんみんみーん。
セミの鳴き声がうるさい・・・ったく真昼間からお盛んな事だぜ。
俺は布団から上半身だけ起こし、遮光されて薄暗い部屋を見渡した。
布団から転がるように這い出し、部屋の隅へほふく前進する。
小型の冷蔵庫から缶ビールを取り出し、まずは一口。
「あー・・・・だるっ」
小気味良い音を立てながらカーテンを開くと、予想通りの景色だ。
「ガキ、ババア、ガキ・・・うんざりだ・・・」
騒音の正体を突き止めると、絶対に聞こえない音量で文句を言ってやる。
「うるせーよ…ばーか」

俺の名は佐々木勇二。18歳の普通の高校生。
親の不仲が原因でアパートでの一人暮らしを満喫中だったりする。
ビールを腹に流し込みながら、壁にかけてある日捲りカレンダーの元へ。
ぺリッとめくると8月10日。まだ夏休みだ。
携帯をチェックすると、着信が一件。
「あんだよ…こいつ」
携帯のディスプレイに表示されているのは「佐藤」という文字。
早い話友達だが、いわゆるオタクで、俺と付き合いがあるのも不思議な話だな。
電話をかけてやるか…面倒だぜ。
360905:05/02/17 03:45 ID:qSVxfQk6
「・・・・早く出ろよ」
独り言が多い気がするが、これはこれで精神が安定するから規制するつもりは無い。
「おっ、もしもし?」
「やぁー、佐々木君。今お目覚めかい?」
寝起きでコイツの声を聞くと非常に不快になるな。
「あーわりぃ、寝てたわ。で、なんの用?」
つーか、夏休みの朝七時に着信がある辺りからして不快なんだが。
今は二時か…約11時間の睡眠。十分だ。
「そうそう。今僕旅行中でさぁ、夜には帰」
ピッ。
「・・・・・9秒か」
我ながら良いタイミングで切ったものだ。
ピピピピピッ…ピピピピピッ…
予想通り電話が来るわけだな。
「もしもし?」
「あ、もしもし?佐々木君かい?酷いなぁ、電話を途中で切るなんて」
コイツの私用に、俺は無駄な電話代を支払うつもりは無い。
まぁ、請求書は親に行くわけだけど。
「おー、佐藤。なんか電波が悪くてな。で、なんの用だっけ?」
「そっかぁ、電波かぁ。で、御土産を買って行こうと思うんだけど何がいい?」
今、コイツは千葉にいるのだろう。
ネズミグッズは要らないから、食い物でも買ってこさせるか。
「食えるモノ。菓子類も歓迎。」
簡単に用件を済ませる。
「うーん、聞かなくても分かってたんだけどね。確認をし」
ピッ。
外に出るか。
370905:05/02/17 03:45 ID:qSVxfQk6
少し湿ったシャツを脱ぎ、部屋の隅へ投げ捨てる。
そこには同じように投げ捨てたであろうシャツが数枚重なり合っている。
クローゼットから白いTシャツを選択し、ジーンズはそのままでそれを着る。
不精だな、と我ながら感じるが、直すつもりは無い。

階段を下り、アパートの門をくぐる。
初めてその景色を見たとき、俺は一瞬我が目を疑った。
見開かれる目、開いた口から一言漏れた。
「夏だな…」
みーんみんみんみんみーん。
「お、おおおおおじさんと…良いコトしようよ・・・・」
裸体にトレンチコートを纏った、変質者…か?
「・・・・俺?」
服装からして、明らかにだるそうにしてる俺。
対照的に、ある意味やる気満々な格好で登場してくれた変質者。
今俺がすべきことは・・・・とりあえず逃げるか。
「んじゃ、そーいうことで!」
俺は変態オジサンからの逃亡を試み、そして成功した。
380905:05/02/17 03:46 ID:qSVxfQk6
「あっつぅー・・・・」
全力で走り続けること数分、追ってくる気配はなかったが、俺は全力で駆け抜けた。
「今度会ったらただじゃおかねーぞ、馬鹿野郎・・・・はー…」
後で管理人に・・・・と思ったが、あの管理人に会うのは嫌だ。
「警察でも行くか」
俺は、公園のベンチで休みながら、そう呟いたのだった。
そうしていると、ここの風の気持ちよいことといったら、もう最高だった。
「やべー…風に惚れるかも」
「馬鹿な事言ってんじゃないよ」
え?と振り返ると、そこには友人の姿が。
「よっ、どうした?」
気さくに話し掛けてきたのは、友人の大介だった。
「なに・・・大介か」
気だるそうに答え、俺はまたベンチに寄りかかった。
「相変わらずダルそうじゃん?」
まぁーね、と答え、改めて大介の方を向く。
「ギター?」
奴が肩にかけているのはギターであろうと思われる楽器だった。
「いや、ベース。友達から借りてきた」
「ハズレかよ。まぁいいや。で、どうした?」
コイツは俺の友人の中でも珍しい部類に入る。
楽器をやっているのは、仲がいい友達ではコイツくらいなものだし、なにより・・・
「んー・・・ちょっとね」
「また優子ちゃんですか」
ハァ、やれやれ…と言った感じで、皮肉を込めて敬語で言ってやる。
390905:05/02/17 03:46 ID:qSVxfQk6
「別にいいじゃん、見るくらい」
「ハイハイ、相手は何歳でちゅかー?」
彼は極度のロリコンだった。
人妻(推定30)の和歌子さん、の娘。
小川優子ちゃん(8歳)にベタ惚れな、哀れな少年。
彼の名は大介(17歳)俺と同級生だ。
その後もくだらない話で盛り上がっていたが、どうやら時間のようだ。
「さぁーて・・・オイラはそろそろ・・・」
「んー、またなー」
時刻は、決まって三時なのだった。

思考から離れかけていたが、不意に思い出した。
「あ、変態のコト忘れてた・・・・」
とりあえずは、アパート付近まで戻らないといけないわけで、
俺は警戒しながら帰路を辿って行く。
そして、やっと交番が見えてきた。
「逃げすぎだよ…俺の馬鹿・・・」
入りたくない場所だが、やましい事は(今は)無いので、すんなりと俺は中へ入って行った。
「あのぉー、すいませーん!」
奥から警官が出てきた。
「どうかしましたか?」
俺は逃げていた。
その警官の顔、変質者はまさにその顔をしていたのだった。
400905:05/02/17 03:48 ID:B0eB51tM
ひとまず近場に身を隠し、変態警官が去るのを待った。
彼は不思議がった表情をしていたようだが、やがて交番へ戻って行った様だ。
その後、自室へ戻ると、俺は敷きっぱなっしだった布団へ倒れこみ、一言呟いた。
「最悪だ・・・・」


携帯が鳴っていた。
「・・・・んー」
あー、寝てたみたいだな。
どうやらメールのようなので、急ぐことは無い。
「…なんだ、こいつかよ」
メールの内容は大したことはなかった。
でも、この偶然が俺の夏を大きく左右するとは・・・その時の俺は思ってもみなかったんだ。
「忘れてたじゃねーか!!やべー・・・」
そして、そのメールを見終えると、どうやら未読メールがまだあるらしい。
「・・・・七時」
時計を見る。
「今からでも遅くは無い…よな」
ひとまずメールを返し、例の如く着替え、俺はアパートを後にしたのだった。
メールの内容を要約すると、こんな感じ。
『七時に、公園で待ってます。約束ですから。』

微妙に遅刻する速度で、俺は公園へ向かって走っていた。
流石に夏って感じ?まだ夜は早い時間だ。
荷物などは無く、ただ携帯と財布だけをジーンズに入れて、俺は公園へ向かった。
410905:05/02/17 03:49 ID:B0eB51tM
「もう走るのは嫌だ・・・」
なんとか五分以内の遅刻で済んだわけだけど、彼女はまだ待ってるんだろうか?
催促のメールが来ない辺り、微妙に待ってそうなんだよな。
「つーか、返信すら来ないぞ」
辺りを見回すが、どうやらいないっぽい。
いつもの待ち合わせはベンチの所だし、俺が今いる位置もベンチだし。
座るか…それにしても悪いことをしたぜ。

ベンチに腰を掛けてから、少しの間思案する。
五分の遅刻で帰るような奴じゃない…よな?
考えてみればそうだった。アイツは平気な顔をして数時間まってるようなタイプだ。
「・・・・」
周りを見渡してみるけど、やっぱり居ない。
「この時間って、こんなに寂れてんのか…」
公園は花壇を囲んで一周できる様な造りになっている。
花壇の真ん中には、必要以上にでかい時計台があり、針は七時十分に届こうとしていた。
俺から見て左側には公衆トイレが設置されていて、
その方向からは、時計台に近づく為に花壇が一部途切れている。
んで、思考はもう一度アイツに向く。
「なんでいねーんだ?」
ため息混じりに呟き、俺は腰をあげた。
周りを見渡しながら、何気に時計台へ向かってみる。
やっぱり人間の気配は感じられない。
「・・・・っと」
地面に布の様なものがわだかまり、落ちていた。
なんだコレは・・・どうみたって・・・アレだよなぁ・・・
「俺には綿材質の女物のシャツのように見えるんですが」
冷静に呟いてみる。
「・・・・」
誰も見ていない。
なんとなく躊躇いつつも、拾い上げ広げてみる。
420905:05/02/17 03:49 ID:B0eB51tM
「ガキのサイズじゃーないな、でかい女でもない・・・か」
最近は女物のシャツを着る男も多いし一概には決め付けられないが、
年齢的に15〜18歳が着そうな服だ。うん、多分。
細身の男か、細身の女か。
「・・・・」
元の位置に投げ捨ててみる。
「・・・・行くか」

トイレが見えてくると用を足したくなるよな?
その公共施設の後ろ側は背の低い植樹で覆われており、それは公園を囲んでいる。
近くには背の高い木が数本しかなく、それらが死角を作っているという事は無かった。
「・・・・」
例の変質者のせいで妙に神経質になりつつある。
中に入ると、不自然な点が幾つか見つかった。
まず個室が二つあるのだが、その一つが使用中じゃないのに閉まっていること。
まぁ、つまりは鍵がかかってないのに扉が閉まってるんだよ。
そして、タバコのにおいがすることだ。
煙が少し漂っている、俺から見える範囲では、吸殻は落ちてはいない・・・。
個室から煙が上がっているようにも思えるな。
俺はと言うとまだトイレの内部に足は踏み入れておらず、半身を乗り出して様子を伺っている。

一度外に出て、新鮮な空気を吸う。
人が吸っているタバコの煙は心地よいものではないな。
430905:05/02/17 03:49 ID:B0eB51tM
もう一度思考しよう。
俺はベンチで数分待っていたけど、人気はなかった。
でもトイレには誰かがいるような気がする。
タバコってのは簡単に火が消えるもんじゃない。
吸い初めを放置しとけば、10分以上は保つはずだ。
「しかし、放置する理由がわからん・・・やっぱ誰かいんのか?」

んで、俺はその辺の木の陰になってる場所で用を足した。
とりあえず、時計台へ向かうことにしようか。
時計台の方を向くと、死角はあるものの、電灯は明るかった。
まだ夕方って感じだな。

時計台に近づくにつれ、俺には誰かの嗚咽の声が聞こえてきたんだ。
「・・・おーい」
瞬間、静まり返る。
暫く無言でいると、
「うっく・・・えっく・・・」
やっぱり、女が泣いているようだが・・・
「別に俺は危害加えねーから、出て来いよ。」
時計台の陰になっている部分に違和感を感じていたが、その理由がやっとわかった。
そいつは時計台を背に、しゃがみこんでいたんだ。
一瞬ビクッと震えると、首が動いた。
「・・・・あの・・・・そのぉ・・・ううっ・・・ひっく・・・・」
らちがあかねぇ・・・俺はそう思い、近づこうとする。
「あ、駄目ー!!」
「なんなんだよ、お前・・・」
彼女は再び俯き、泣きそうな声で呟いた。
少し間が空いたが、戸惑い気味に答えた。
「あのね、服着てないの・・・」
440905:05/02/17 03:50 ID:B0eB51tM
さっき投げ捨てた服を再び拾い上げてきて、彼女に投げ渡す。
そして、今。
「だからぁ、わかんないっていってるじゃないのぉ・・・」
ベンチに二人で座っている。
彼女はというと、不満げな表情を浮かべて俺を睨んでいる。
「あのな、お前、なんで服着てなかったのかもわかんねーのかよ?」
「あ・・・・」
なんか思い出したのか?そう聞く前に彼女は答えた。
「たしか公園で寝てたんだよねぇ・・・・」
「おい。」
「そしたら、上半身が裸だったんだよ、確か。」
「おいおい・・・」
そうそう、こいつの名前は和菜と言うらしい。
歳は俺と同じらしいが・・・。
「あ・・・・」
今度は何だ?俺はもうおどろかねーぞ。
「何だよ?」
「これってさぁ、ヤバイよね?」
「当たり前だろ!!!」
思わず叫ぶと、彼女は耳を塞ぐ仕草をした後、
「警察行かなくっちゃ。」
「まて。」
「えぇー!?なんでぇ?」
「警察って言ったらアレだろ?どうせ、この辺で一番近い交番へ行く気だろ?」
俺は一気にまくしたてる。
「やめとけやめとけ!!とりあえず、この近辺の交番はオススメしない。」
「うー・・・でもぉ・・・この近辺での被害じゃない?やっぱ最寄の交番へ・・・」
立ち上がろうとする和菜の腕を掴む。
「待て!!」
不安を募らせた和菜が問う。
「じゃあ・・・なんでよ・・・」
「話すと長くなるんだが、まぁ俺の話を聞け。」
450905:05/02/17 03:50 ID:B0eB51tM
出来るだけ鮮明に、俺の朝の出来事から話を聞かせる。
「・・・・っと言う訳だ。」
「えー!嘘だー!!」
信じてもらえなかったようだ。
「ホントだってば。あー、もういいよ、お前、好きにしろ。」
「えぇ!?」
「勝手に行けよ、んで、変態警官にもっと酷い目に遭わせてもらえ、もうしらん。」
和菜は黙り込んでしまった。
ぶっちゃけ、こいつのことなどどうでも良い。
「あの・・・勇二くーん・・・」
「何だよ」
「勝手にしていいんだよね?それで良いんだよね・・・」
俺は彼女と目を合わせることができなかった。
「・・・構わねーよ、勝手にしてくれ。」
じゃあ・・・と彼女は立ち上がり、
「・・・・え?」
俺の手首を引っ張り、俺を立ち上がらせた。
「一緒に行こう?交番。」
自分の言動には責任を持たなければならない。
「そういうのってアリかよ・・・・」
何故親父の言葉が思い出されるんだろう・・・。
460905:05/02/17 03:51 ID:rW03IbjA
結局、俺は断ろうともせずついて来てしまった。
「はぁ・・・なんで俺が・・・」
隣を歩いている和菜が速度を落とす。
「やっぱり、さっきの話・・・本当なのぉ?」
不安げに呟く彼女には、俺の表情は見えていない。
「まぁ・・・な。実のこと言うと、確認はしてねーけど。」
「顔見ただけ?もしかしたら、にてるだけかもって事?」
いや、俺は奴だと確信している。
そう言葉には出さず、敢えてこう言った。
「勘違いかもな、いざとなったら逃げるか。」
「えぇー・・・私、足速くないのにぃ・・・」
「本気にするな、ひとまず、お前の面倒はみてやるよ・・・」
ため息混じりに言葉を吐くと、そろそろ交番が見えてくる頃だ。
47Classical名無しさん
ん?ここで終わりなのか?