これは、天満たちが配置につくまでの間の、雪玉サバイバルゲームの見学者である塚本八雲、サラ・アディエマスの会話である。
「…ごめんねサラ。私に付き合って、見学させちゃって。雪合戦始めてだって言ってたし、楽しみにしてたんじゃ…?」
「も〜、八雲ったら、気にしない気にしない!ところで、なんで見学する、なんて言い出したの?」
「え…?だから、少し風邪気味で…」
「…ホントに?」
「う、うん…」
「ホントにホント〜?」
「え、えっと…」
「ホントにホントにホント〜!?」
「ご、ごめん…実は、…ウソ。」
「やっぱりね〜!そうだと思った!八雲が少しでも風邪気味だったら、お姉さんが心配して、ここに来させないだろうしね〜!」
「ゴメンね、サラ…」
「それはいいけど、なんでウソついてまで雪合戦やりたくなかったの?」
「それは…」
「花井先輩がイヤだったから?」
「…それもあるけど…」
(確かに花井先輩の思念が強すぎて、あの思念の中で雪合戦なんてやりたくなかったのもあるけど…)
「ん〜?ああ!分かった!花井先輩に言い寄られるのを、これ以上播磨さんに見られたくなかったとか!?」
「えっ!?サ、サラ、それは違っ…!!」
「も〜、八雲ったら〜、そんなに赤くなりながら言っても説得力ないよ〜?」
「…も、もう…!ホントに違うんだから!」
ベシッ
「冷たっ!…八雲ったら〜、いきなり雪玉をぶつけてくるなんて、ヒド〜イ!もう怒ったんだから!…お返しっ!」
バシッ
「キャッ!…サラ〜…!…えいっ」
ヒュン。ベチャ。ヒュッ。ベシッ。
八雲とサラがそんなやりとりをしている中、10人のツワモノ達の戦いが始まったのだった。