スクールランブルIF15【脳内補完】

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540Synchronicity_fairy_tale2(1/10)
「ふぁぁぁぁ〜……」

 いかにも眠たいという腫れぼったい目をしながら、播磨拳児が
リビングにやってきた。

「ケッ! け、拳児くん。おはよう」
 コーヒーを飲んでいた絃子がなぜだか狼狽しつつ、朝の挨拶を
交わす。
「ういっす。……あ〜……ん? 絃子、どうした?」
「なっ、何がだ!? 今の私が何かおかしいか!?」
「いや……新聞、逆さだぞ」
 言われて絃子は、自分の紅潮した頬を隠すために取り出した新
聞紙の文字が逆転していることに気付いた。
 誤魔化すように咳払いをしつつ、新聞を逆さにする。
「どうした? 体の調子でも悪ぃのか?」
「い、いや……君の方こそ、調子が悪そうだが?」
「ああ……なんかなぁ……変な夢見ちまってなぁ」
「げっほごほげほ!?」
 コーヒーが気管に入りそうになった。
「悪ぃ、朝飯いらねぇ。……とりあえず、学校行ってくるわ」
「あ、ああ……」
 確かに調子が悪そうな顔をしながら、播磨拳児はフラフラと家
を出て行った。
「夢……」
 彼が去った後、ぽつりと呟いた。
「まさか、な……まさか、うん、まさかだ」