スクールランブルIF15【脳内補完】

このエントリーをはてなブックマークに追加
44美女達と野獣
「決めた、明日こそ言うわ。女は度胸よ、うん」
満月ではないが月がきれいなある日、沢近愛里は自室のバルコニーに出て、少々古い口調
ながら月に話しかけた。
その表情からいつにも増して真剣で、まるでこれから一戦交えるかのような様相だ。
「逃げるのはやめ。第一これ以上待っていたら、ホントに取られちゃうし・・・」
そう言って部屋に戻ると電気を消し、ベッドに潜り込む。
時計の針が11時を少し回り、文化祭を目前に控えたある秋の夜であった。

――― キーンコーンカーンコーン
今は休み時間。沢近は相手にメモを渡そうとしたが、なかなかその者と二人っきりになれ
なく、時は既に3時間目まで過ぎ去ろうとしていた。
しかし、彼女の周りにいつもたむろしている天満達はトイレに行き、その男子の周りにも
誰もいない。
(今がチャンスね)
意を決し、机で寝ているその男の子にメモを手渡したら、さっさと行ってしまった。
「ん、何だこれ?」
目を覚まし、起きた男の子の名は播磨拳児、学校一の不良である。メモを開ける播磨。
[放課後屋上で待ってる 沢近]
それだけである。
(なんだこりゃ。またパシリか?)
しかし、(ツインテール恐怖症のため)無視するわけにもいかず、しょうがないという表情
で携帯を取り出し、ある相手にメールを打っていた。
[放課後屋上で待ってる]
沢近と同じ文面である。