スクールランブルIF15【脳内補完】

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277Carnival
「おし、それじゃいったんきゅうけーい!」

冬木武一がそう声をかけると、第二音楽室は先刻までの喧騒が嘘のように静まり返った。
ややあって、塚本天満が割れんばかりの拍手を──主に烏丸大路に──浴びせ掛ける。

「烏丸くんもみんなもお疲れ!すっごく良かったよ〜!」
「ありがと、塚本さん。確かに大分サマになってきたんじゃない?ねえ結城」
「そうね。各パートの息も合ってきたし……一条だいじょぶ?疲れてない?」
「ううん、平気。それにみんなだってクラスや部活の出し物の掛け持ちしてるのは同じだし…」

矢神学院文化祭に向けて2-C有志で結成されたバンドは順調に練習を重ねていた。
メンバーはヴォーカルに一条かれん、ギターに烏丸大路、ベースに嵯峨野恵、
キーボードに結城つむぎ、ドラムに冬木武一、試聴者(?)に塚本天満という構成。
発表日も押し迫ったこの日、何度目かのリハーサルをこなし、
素人ながら自信のようなものもついてきた彼らの前に──────
「それ」は何の前触れもなくあらわれた。