「なんかさ、微妙に納得いかないんだよね」
むすっとした顔でぼやく舞。
「……花井君のこと?」
つむぎの問いに、そ、と素っ気なく答えたの視線の先では、鬼気迫る形相でサバイバルゲームのルールを
睨んでいる花井の姿。どうやら完全に持ち直したようである。もっとも、それが一時的なものかどうかは
この先まだまだ分からないわけなのだが。
「そりゃずーっとあのままいられても困るけど、こうもあっさり立ち直ってくれちゃうと、ね」
私が言っても全然だったのに、とそのぼやきは止まらない。
「いいじゃない、あれなら仕事もやってくれそうだし」
「『任せておきたまえ!』、とか言って全部持ってっちゃったけどね、仕事」
はあ、と溜息。
「普通は楽が出来て喜ぶところだと思うけど……仕事好きだもんね、舞ちゃん」
「別に好きっていうわけじゃないよ。ただ、目の前にやることがあって、誰もそれをしないんだったら
やるしかないでしょ?」
何でもないことのようにそう言ってのける舞に、それが好きっていうことじゃないかな、と思うつむぎ
だったが、あえて何も言わない。
「それじゃ、そんな舞ちゃんにお仕事を」
代わりにそう口を開く。