スクールランブルIF14【脳内補完】

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612Classical名無しさん
「えっと、じゃあ行ってくるね」
「うん。頑張りな、八雲」
「う、うん」
 八雲は頷くとお弁当を片手に教室を出て行った。
 数日前、彼女は播磨にお弁当を作っていくことを許可してもらい、それ以来昼休みになると漫画の批評をした後
屋上で昼食会を行っているのだ。
 もっとも……。
「沢近先輩も時々邪魔しに来てるからもっと積極的に攻めないといけないよね」
 誰ともなしにサラは呟いた。
 そう、愛理もまた時折屋上を訪ね、なんとも言えない空気を形成しながら3人で昼食を取っているのだ。
「沢近先輩のことは嫌いじゃない、と言うかむしろ好きな方だけど播磨先輩にちょっかいは出して欲しくないな」
 どうやら全力で播磨を振り向かせようと画策しているらしく、八雲を応援しているサラとしては気が気ではないようだ。
「まぁ、私がどうこう言ったところで決めるのは播磨先輩なんだけどね……」
 それでもと、サラは溜め息をついてしまう。
「どうしたの? サラ。さっきからブツブツ言ってて……」
「あ、うん、なんでもないよ。それより何か用? 稲葉さん」
 友人の稲葉に話しかけられてサラは笑顔で応じた。
「あ、えっとね、私たちと一緒にお弁当食べない?」
「一緒に?」
 見ると彼女の後ろには数人の女子が立っていた。
「うん。塚本さん、今日も屋上行ってるんだよね? だったらサラ1人でしょ?」
「あ、うん。……そうだね、一緒に食べようか」
 確かに1人で食べるというのも味気ない。ここはその提案を受け入れた方が良いだろう。
 サラはそう考えて笑顔で頷いた。