スクールランブルIF14【脳内補完】

このエントリーをはてなブックマークに追加
538Hello, Welcome to Bubbletown's Happy Zoo
「時に拳児君、来週の日曜は空いてるか?」
「はあ?なんだよ急に」
「実は葉子──笹倉先生は知ってるな?彼女が写生に行きたいと言ってるんだ」
「ふむふむ、それで?」
「写生対象は動物。そこでネックになるのが、この場合対象はあちこち動き回るのでやりにくいことこの上ない。
 こんな時、誰か動物たちにポーズを指示できるような者がいれば──ってどこに行くつもりだ」
「……いやー残念だなー。その日はちょうど用事があってだなー」
「みえみえの嘘はつかないように。
 非モテな君がデートというものを体験できる希少なチャンスを棒に振るつもりか?
 しかも両手に花だぞ?」
「だっ誰が非モテだコンチクショー!!つーかみえみえはどっちだ!
 どうせ今回もクソ重てえイーゼルとかカンバスとかの荷物運びをさせようって腹だろーが!」
「な、なんでバレたんだ……拳児君……さてはエスパーだな?」
「(くぁ〜っムカツク…!!)と、とにかく俺ぁ行かねえったら行かねえ」
「……どうしても?」
「!?」

一瞬の自失。現在何が起こっているのか、播磨には理解できなかった。
ついさっきまで、いやこのような状況では常に余裕を保ちながら
自分を子供(というかパシリ)扱いしている絃子が────
あろうことか、眉を寄せ、肩を落とし、目尻には涙さえ浮かべているではないか。