スクールランブルIF14【脳内補完】

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433Point of a look -1
『Point of a look -1』 


 ――――逃げるの?――――

 彼が目を開けて一番最初にその目に映ったのは、ただの天井だった。
 まだはっきりしない頭でさきの夢を思い出す。
「なんだってんだよ……」
 朝日を浴びる部屋。その部屋のベッドの上で播磨拳児は寝返りをうった。
 起きる予定はなかった。学校なぞ行くつもりもなかった。
 なのに目が覚めた。不思議ともう一度寝る気にもならない。それどころか目を瞑る気にすらならなかった。
 なぜなら眠ると夢に見るだろうから。眠ろうとすると思い出すから。
 沢近愛理といた、あの夕焼けの教室を。
 そして彼女に言われる。
『逃げるの?』と。
 そのたびに彼は吼えた。どうしようもないのだと叫び続けた。しかし彼女は聞くのをやめない。何度も何度も、それを言う。
 壊れたレコードのような、うざったい無限ループ。
 夢とはいえ、みっともないただの言い訳をするのにも飽きてしまった。