東の空から日が昇り、また一日が始まった。
本日の天気は快晴。気候は穏やかで過ごしやすい一日となるでしょう。テレビをつければそんな
セリフを聞けそうな青空が広がっている。
陽光は地上をあまねく照らし出す。それは播磨の部屋も例外ではなかった。わずかに開いていた
カーテンの隙間から日が差し込んでくる。
「……ん?」
昨夜、ようやく締め切りの重圧から解放されて泥のように眠っていた播磨は、無意識のうちにそ
の眩しさに顔を顰め、それから逃れようと寝返りをうった。
途端に、
「ぬぉ!」
突如として体中に電気が流れたような痛みが走り抜けた。一気に目が覚めた。反射的に飛び起き
る。途端にまた痛みが走り、しばらくそのままの状態で堪えた。
手が痛い。足が痛い。肌が突っ張る。体中の筋肉が悲鳴をあげている。特に腹筋が痛む。一体
何があったというのか、昨晩は異常がなかったといういうのに、一晩明けたいま、突然ボロボロ
になっているとは。
「昨日のあれか……」
心当たりは一つしかなかった。
昨日の夜、締め切りに間に合わすためにバイクを飛ばしていたときだった。播磨は知り合いの家
の車と衝突した。