116 :
血液型:
「晶ちゃん、それって何の本?」
お昼休み、いつもの仲良し4人組は今日も集まってお昼を食べていた。
天満は晶の机の上に置かれた本が気になり、晶に尋ねた。
「これ?これは血液型別の相性診断の本よ。
友達関係や恋人同士の血液型から相性を調べたりできるんだよ。」
「面白そうな本だな。ちょっと見てもいいか?」
美琴も興味があったようだ。晶はどうぞと答える。
「へー、結構細かく分かれてるんだな。年齢別にもなってるんだ。なになに、
『十代のO型の女性は大胆さと繊細さを兼ねそろえていて、男女問わず周りの人気者な方が多いでしょう。
しかし男友達が多い分恋愛はちょっと苦手だったりします。』だって、そうかな。」
美琴は自分の血液型のところを読んで周りにたずねる。
「美琴ちゃんは確かに人気者だもんね。すごーい、当たってるよ。」
天満は素直に驚いているようだ。彼女のこの素直さが羨ましい、沢近は最近そう思うことがある。
「あら、恋愛が苦手なのは血液型のせいじゃなくって女の子っぽくない性格のせいでしょ。」
沢近は素直じゃない。美琴と沢近は最初の親友で、沢近は美琴の恋愛のこととなると特にうるさい。
男と付き合うべきだと言いながら、ほいほい近づいてくる男に美琴を簡単に渡すつもりはないのだ。
美琴も沢近の性格をよく知っているので、悪態も気にしていない。
「美琴ちゃん、私にも見せて〜。」
オウ、と美琴が天満の方に本を渡す。
「えーと、私はB型で、えーと……」
「烏丸君はA型で、播磨君はO型、花井君はA型で今鳥くんはB型だよ。」
晶がいきなり言う。
「あ、そうなんだ。A型、A型っと…。」
天満はわかりやすい。
「なんで男共の血液型知ってるんだよ。」
当然の疑問だ。晶はなぜかやたら詳しかったりする。
「それはブックレットに書いてあったからよ。」
「?」
話を聞いてない天満が一人でやーだのわーだの顔を赤らめて喜んでる。