スクールランブルIF12【脳内補完】

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549【夏祭りの夜に -yakumo side-】
 矢神神社、夏祭り。花火大会の後のこの小さな祭りは地元の人々
のささやかな潤いの場として年々賑わいをみせていた。子供は親と、
恋人は恋人と、共に出かけさざめく。そして、祭りの夜に祈るのだ。
 いつまでも、一緒にいられますように、と――。

   【夏祭りの夜に -yakumo side-】

 矢神神社、境内。今夜、女の度胸が試される。
 決戦、お化け屋敷、といった風情で望んだ浴衣姿の塚本天満、塚
本八雲、沢近愛理、高野晶の四人組。だが約三名の恐怖はいままさ
に最高潮にふくれあがらんとしていた。
『ゴスッ』『バキィッ』『ガスッ』
「な、なによ、あれ…」
「なんでしょう…」
「だんだん音がちがづいでぐるよ〜」
「いや、あれはたぶん恐らく…」
「恐らくって、なに!」
「いわないで〜、あぎらぢゃ〜ん」
「姉さん、しっかり…」
『ドバヴギャァー!』
「「キャー!」」
 カシャッ。閃く閃光。その中には朦朧とした姿の男がうかび上が
った。
『や、や〜め〜ろ〜』
「「キャー、キャー、キャー!!!」」
 カシャッ、カシャッ。再び閃く閃光。