スクールランブルIF12【脳内補完】

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386The Heart Is a Lonely Hunter(9)
「でも、そうだからと言って、他の人のことはどうでもいいの?
───いや、だからこそ、そういう、想ってもかなわぬ苦しい心が分かってるからこそ、
あなたに恋焦がれている人の事を分かってあげるべきじゃないの?」
日頃笑顔を絶やさない人だから、真剣な表情は怖い。
体温が数度下がったような気がする。何も言えない・・・
「・・・」
もっとも、真剣な表情は一瞬だけで、すぐにお姉さんの表情は和らいだ。
「・・・もちろん、どういう返事をするかはハリオの自由よ。
でも、その前に、一度くらいは話を聞いてあげてもいいんじゃないの?ん?」
お姉さんは、播磨の目を覗きこむ仕草をした。
まともにその視線を受けると、なんか気恥ずかしくなる。
(チッ、しょうがないな・・・)と言わんばかりに頭を掻き掻き、
「・・・分かったよ。話すよ。屋上かどこかで・・・」と答える。
お姉さんは、人差し指を立てて(チッチッ)と左右に振った。
「───分かってないね。ハリオ♪」
「・・・」
「───仮にも女のコと会うのに、屋上なんかに呼びつけてどーすんのよ。
こーいう時にはね・・・」
お姉さんがフフ・・・と微笑んだ。