スクールランブルIF12【脳内補完】

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359HOODLUM
 茶道部の合宿から帰って来た翌日、塚本天満は数学の補講の為学校に登校していた。
そろそろ進学など将来の進路について悩むべき年齢を迎えながら、今の彼女には進級こそが至上命題となっていた。
その為、夏休みの半ばを迎えながら、未だに補講に出なければならないのである。
 冷房も効かない暑い教室。外は雲一つない青空。そんな中、補講は敢行された。
講師を務めるのは彼女の友人、高野晶。クラスで一、二を争う才鋭である。
BGMは窓の外から入る蝉の鳴き声。それは彼女の声を引き立たせる事無く、耳に障る。
その彼女の講義を天満の隣で聞くのは播磨拳児。
彼の想い人、天満が横にいるお陰で、すっかり表情が緩み切っている。
 地球温暖化が叫ばれて久しい今日、未だに冷房を導入していない学校は地獄と化す。
この学校でももう随分と冷房導入の声が上がったが、今のところ導入の見込みはない。
天満も播磨も、シャツの上のボタンを開け、下敷きでしきりに扇いでいる。かなりだらしがない格好だ。