「どうだったかね」
絃子が俺に結果を聞いてきた。
「振られたよ」
今日は、卒業式。
言おう言おうと思って、結局天満ちゃんに
気持ちを伝えたのは高校最後の日。
それも見事に玉砕、烏丸が好きらしい。
そして告白もするつってたな、頑張れよ。
好きだった子が泣いてるのは嫌だからさ。
「そうか、それは残念だったな」
「残念だったなって言ってる割には、嬉しそうじゃねーか」
「そんな事はない。拳児君の気のせいだろう」
私とした事が顔に出すとは迂闊だったかな。
しかし、嬉しいとは困った感情だ。
本来なら振られたのだから一緒に悲しむべきじゃないのか
それを喜ぶなんて最低だ。
けど、好きだから仕方ない。仕方ないじゃないか。
誰に言ってるか分からないが、言い訳をする自分がいた。