NAVY BLUE
「それで、どこ行くワケ?」
久しぶりに登校し、皆を安心させたと思ったら
いきなり担任に退学届をつき出して去った男、播磨拳児
そんな彼の行動を予測していたのか校門の前で
壁により掛かり待ち伏せしていた女、沢近愛理
「・・・・・・お嬢か。どこに行こうが俺の勝手だろ」
「なぜって聞いたところで理由はハッキリしてるわよね」
播磨は沢近に背を向け、顔を見せずに会話を続ける。
「てん・・・塚本がいないんじゃ学校なんて無意味なんだよ」
「ふぅーん、それじゃ私達のことなんかどーでもいいのね?」
播磨には沢近の声から怒りと悲しみの双方が感じられた。
それでも彼は決心していた。この街を出ていくことを。