「ふいー、やっぱガキの相手は疲れるわ」
脇にあったベンチに腰掛けて彼は言った。
「…そうですか?拳児さん…、楽しそうでした」
「ばれちまったか?」
嬉しそうに云う彼をみて、私は少し胸のしこりが取れたような気がした。
やはり拳児さんは拳児さんだ。そんな当たり前のことを思いながら私は
自分が彼を好きなことに誇りを感じた。
うん、私は大丈夫だ。彼の温かな波動は私を満たしてくれる。
そう、信じた。 矢先。
途切れる波動。
彼の表情が驚きから苦しみへと変わる。
視線の先には。
姉さんと烏丸さん。
ああ、そういえば昨日嬉しそうに、明日烏丸君とデートなんだ、っていってたっけ。
ああ、拳児さん、あなたの心が視えません。
ああ、拳児さん、あなたの声が聞こえません。
何故ですか。
何故ですか?
二人は挨拶を交わして、何か話をしている。
その話し声も、遠くなって。
現実感すら希薄で。
そう、拳児さんは、いまだ、姉さんを。
思えば最初から気づいていたのかもしれない。
でも決定的だったのは、声が聞こえてから、最初の満月の日。
私は思い知った。拳児さんの心のなかにいまだ姉さんの影があることを。
心の奥底で、姉さんが息づいていることを。
でもそのときは、時間もさほどたっていなかったし。
拳児さんの中で日増しに大きくなっていく自分の存在を
感じることができたので、素直に、受け入れることができた。
できた、はずだった。
だけど、今はもう。私は苦しい。とても、苦しい。
確かに私の存在は着実に大きくなっている。
でも、そのたびに、心の奥に根付く姉さんとの差を突きつけられる。
どんなにがんばっても届かない。どんなに近づいても、距離は縮まない。
それはさながら星と星との距離のようで。無限にも感じる距離では
その一歩の意味は限りなくゼロに近い。
それは確かな理由があることだ。姉さんと出会ってからの彼は
言葉の綾ではなく、その全てを姉さんに捧げてきた。
たとえそれがひとりよがりでも。勘違いであっても。
積み重ねてきた時間と、想い。それに比べれば、私の想いは足りないのかもしれない。
でも例えそうであっても、いやだからこそ私は、私の心は耐えられず。
徐々に闇に侵食されていった。闇の名は、嫉妬。燃え盛るような、嫉妬。
それを感じるたびに私は叫びだしたいほどの衝動に襲われる。でも。
そうだといって、どうして彼を責めることができよう。私には彼の心が視える。
視えるからこそわかる。彼もまた苦悩している。そして私の想いを、闇も含めて
気づいているのだ。
だから、私にできることは、必死で耐えることだけ。
耐えられなければ、目をそらし避けることだけ。
現にこの数日間はそうしてきた。そして今日も。
今日一日私は必死に目をそらし続けてきた。
できるだけ彼を意識せず、周囲に気を配ったり
内面世界に逃げたりしながら。必死に。
しかし先ほどの出来事で私の心は緩んでしまった。
そして今、かつてないほどの力で、闇が蠢動している。
唯一の救いとなるはずの彼の心の中の私は、今は届かない。
皮肉にも、届かないからこそ、彼が今何を考えているのかがわかる。
誰のことを考えているのか。
ゆえにもう耐えられるはずもなく。
私は最大の禁忌を犯そうとしていた。
時に私は、人の心をとても深いところまで視ることができる。
だから私は知っていた。二人の出会いの物語を。
拳児さんがサングラスを掛けるわけを。
拳児さんが決して話してくれなかったそのわけを。
「姉さん…、拳児さんがなんでサングラスを掛けているか知ってる?」
急に話し出した私を、二人は訝しげな目で見つめる。
「姉さん、…中学生のとき、路地裏で暴漢に襲われて助けてくれた人に
寝込みを襲われたって話してくれたときがあったよね?」
拳児さんの表情が変わる。だけど彼は何も言わない。
私はもう止まることはできなかった。
想いが
「その人はね、そのときから姉さんに目をつけて
闇が
同じ高校に入学までしたの。しかも同じクラスに入って
溢れて
そしてまた姉さんのことを傷つけようとしてるの」
止まらなかった。
姉さんは急に、わけのわからないことを
言い出した私を驚いた表情で見ている。
そして最後の言葉。
「…その人はね、拳児さん、なの」
私はそういって、彼のサングラスをはずした。でも姉さんは
彼の顔を見ない。様子のおかしい私を気にしているようだった。
「ほら、よく見て、姉さん。見覚えあるでしょ」
私は姉さんを促した。姉さんは戸惑いながらも彼の顔を見て
「…うん、確かに、あのときのひとだね」
私は喜んだ。暗い喜びだった。
「…ね?拳児さんはそういう人なの。姉さん覚えてるよね、そのときのこと。
幻滅したよね?拳児さんのこと嫌いになったよね?ね?だから…、だから…
お願い、これ以上拳児さんを惑わさないで…、拳児さんを奪らないで…」
そして。
その場に崩れて泣いた。
手にしたサングラスは地に落ちた。
もう何もかもおしまいだと思った。
「…八雲」
不意に拳児さんの影が動いた。
私に触れようと。
「!やめて、やめてください!」
拒絶された彼の顔は、愕然としていて。
その場から私は、逃げ出した。
「…八雲…」
背を向けて走り出す彼女の姿を見て
俺は不覚にもその場にへたり込んでしまった。
「…くそっ」
やりきれなさに地面に八つ当たりする。
原因の全てが自分にあることはわかっていた。
「播磨君」
彼女が手を差し出す。
「わりいな、…塚本。」
手をとって、とりあえずその場に立つ。
今から自分が何をすべきなのかはわかっている。
しかしそれは許されることなのだろうか。
「で、播磨君、なにやってるのかな?」
不意に塚本が切り出した。
「早く八雲を追っかけてあげてよ」
確かに。でもそれは―。
「俺は追っかけてっていいのか?」
その言葉に塚本は怒った顔で
「何いってるの播磨君!播磨君が追っかけないでどうするの!」
「でも俺には資格が」
塚本は呆れ顔で
「っもう、資格なんてどうだっていいの!八雲は播磨君のことが
好きなんだよ?それで十分だよ!」
そうか
「そうだな」
「うん!」
「わかった。じゃ、いってくるわ」
「うん。…播磨君、八雲のこと、よろしくね?」
そのときの塚本の笑顔はとても綺麗で、俺はきっと一生忘れないだろう。
「…ああ、わかった」
落ちていたサングラスを手に取り
俺は、駆け出した。
ここは馴染みの場所。
まだ彼のことを播磨さんと呼んでいた頃の。
今私は虚ろだった。
夕焼けが、血のようだ。
何もない。誰もいない。
拳児さんも、姉さんも、きっと私に
愛想を尽かしてしまっただろう。
もう、息をするのもおっくうだった。
このまま消えてしまおうか。と考えたとき。
温かな感覚が、私の心によぎった。
そんな、まさか、そんな。
彼は今、校門をくぐってここに向かっている。
今日は特に力が強まっているようだ。
ここにいても、彼の心が手に取るようにわかる。
彼は息を切らせながら、さまざまなことに思い巡らせ
たくさんの想いを胸に、ここへ向かってきている。
しかしやはり彼の心には姉さんがいる。
なら何故ここに向かってきているのだろうか。
彼は今、ひとつの決意を胸に。
そのドアを、開け放った。
「…八雲!」
「拳児さん…」
学校の中で空に一番近い場所。
屋上で二人は出会った。
「八雲、俺は―」
「何をしにきたんですか?拳児さん」
私は彼の声を遮り、言った。
「…姉さんは、ここにはいません」
拳児さんは諦めずに繰り返す。
「八雲、頼むから俺の話を―」
「…私には、わかるんです。拳児さんが、…姉さんを忘れていないことが。
私には…、わかるんです。何故ここにいるんですか?拳児さん」
私は畳み掛ける。―そう、彼を試すために。本当に私は嫌な女だ。
「…そんなに好きなら、忘れられないなら、奪えばいいじゃないですか。
…拳児さんの、意気地なし」
彼は、本当に苦しそうな表情で。私はそれを見て
涙が。
「あの時抱き締めたのは、私だからですか?
それとも誰だってよかったんですか?」
そのとき。
彼の唇が動いた。
「…めろ」
「あの時抱き締めたのは、私だったんですか?
それともただの藁にすぎなかったんですか?」
「やめろ!!」
彼の叫びは、私を―。
「確かに俺は、…塚本のことを忘れたわけじゃねえ。
でも!おれは!お前が、八雲のことが好きなんだ!
…虫がいいのはわかってる。でも、絶対この気持ちには
けりをつける!だから、もういちどだけ―」
私は、彼に最後まで言わせずに、彼の胸に飛び込んだ。
「拳児さんは、ひどい人です」
「…すまねえな、ほんとに」
彼が強く抱き締めてくれることに、私は満たされて。
「…でも、まだ、納得できません…。言葉だけじゃ…」
「…そうだな」
そういうと彼は、掛けていたサングラスをはずし
屋上の外へ、投げ捨てた。
「もう、必要ねえだろ?」
そう、いいながら。
はじめてみた拳児さんの素顔。
精悍な顔つきと、子供のような邪気のない瞳。
「…もうひとつだけ、わがまま…、いいですか?」
「ああ、なんだ?」
彼が言い終わるのと同時くらいに
私は
彼と
キスをした。
そして。
私は拳児さんの心を視た。
彼の心の中には、
たくさんの表情の私がいて
ただひとつ、自分自身見たこともない
綺麗な笑顔をした私がいた。
だから私は、そっと離れると
その真似をした。
うまく、いっただろうか?
それからまた、時がたって
今私は拳児さんと歩いている。
「ああー、今日はこれくらいでお開きだな」
「…はい。…でも、もっと一緒にいたいです」
拳児さんもそう思ってる。
「あ、ああ、そうだな、でも、まあ、もうおせーし
ほら月ももう隠れそうだ」
「…そうですね。…綺麗な満月」
「…そうだな。じゃ、また明日」
「…はい。また明日」
私は今、月が大好きだ。
特に満月が。
満月の日は、
拳児さんが
私を愛してくれていることを
一番実感できる日なのだから。
余談―
「ん?そういや八雲なんであのこと知ってたんだ?
ほら、…出会いの話」
「………ヒミツです」
さて。ぶっちゃけた話クズリ氏の焼き増しっぽいですが。
他にも突っ込みどころがあるので、先に潰しときます。
まず昼間に見える月。季節の関係でもしかしたら見えない
時があるかもしれません。まあそのときは見えた、ということで。
後休日に学校あいてんのか?とかいうのも、まあ開いてた、
もしくは、妖精が開けてくれた、ということでひとつ。
八雲はこんなに黒くない、とか播磨はこんなへたれじゃないとか
思われると思います。そう思われた方はどうぞ記憶から消し去ってください。
妄想馬鹿の戯言ということで。
まあ、いまさら八雲の需要あるんかなと思いながら投稿させていただいた
んですが、せっかくかいたんで出しとこうと。
批評は穏便にお願いします。では。
あ、烏丸は意図的に無視してます。だって書けねえよ、あんなやつ。
>>709 読んでてなにかしらエロい雰囲気がたまりませんでした。グッジョブ
>>709 GJ!
ただ、八雲はこ・・・記憶から消し去りました。
↓次スレよろ。
>>709 とりあえずGJです
八雲の需要はあなたが思っているよりありますよ
Kフェスに行った俺が言うんだから間違いない
次スレ立て、挑戦してみます。
結果は…?
716 :
709:04/07/20 00:34 ID:d8LmGgBc
>>710 …エロ?わからん。うーん、全体的に暗いからかなあ。
>>711 平にご容赦を。いや、すんません。
>>712 いやクズリ氏ssで満腹になってるかなと。だからこそ場違いな
気がしたわけですが。
レスありがとうございます。書き直しに近いものに肯定的な
レスをしていただいて恐縮です。今回は時間をかけて、じっくり
書いたので、手直しするところはないはずです。…多分。
次も気が向いたら書かせていただきます。自分に構想を練る力が
ないので、もしかしたらまたどこかからいただくかもしれませんが。
では、そのときに。
717 :
埋め:04/07/20 20:15 ID:RPI.vuQE
>18
無敵キャラ同士の小競り合いなら両者ともに弱みをちらっとでも見せて欲しかった気が。
おちゃめな晶が見れて嬉しかったのであとは彼女の弱点……なんてものはなかったか。
>33
黒サラにとっての麻生の位置付けがなんとも独特でちょっとびっくりさせられました。
本編でも冬の頃には八雲が恋をしているといいですね。しかし晶のその設定は一体。
>47
八雲なら奪う愛なんて考えもしないだろうから必然なんだろうけど、辛いなぁ……。
受信メールを逐一削除していくさまに悶えました。ただやはり引っ張りすぎの感。
>69
邂逅はそのときに。沢近と播磨を無理なく中学生時に逢わせる構成が見事です。
ちゃんと播磨にとっては取り返しのつかないオチがついているのがいかにもスクラン。
>79
交通事故は命すら落とすものだからラブコメの題材には向いてないと思っているものの。
美琴の決心には微妙にツッコミたくなったけど花井のいかにもな反応は実にナイス。
>93
タイトルが全てを表してますね。何も事情を知らない他人に囃されてしまう針の莚。
そんな状況だからこそ信念に基いて決して恥じる事の無いよう行動する白サラ最高ー!
>122
沢近らしい空回りっぷりにGJ。女の子のハダカばかりの漫画ってどっちのことさ(w
たくさんの動物と一緒にいた光景を思い出したがらないその気位の高さに萌えました。
>129 >281
いい黒さだからこそ、修道女にとっての信仰の重みをきっちりと書いて欲しかった。
自分の手を決して汚さない策略家かと思いきや愛の為に全てを捨てる殉教者気質だとは。
>142
無敵保険医・姉ヶ崎先生の独壇場ですね。心因性だとわかるのはいいけど核心突きすぎー!
八雲を焚き付けているように見えて実際の所追いつめて苦しめているその残酷さに萌え。
>174
播磨放浪中のヒロイン三様、堪能させていただきました。知ってると美琴は憐れすぎる。
運命論はよくわかりませんが、たまには星空に畏敬の念を払うのもいいものですね。
718 :
埋め:04/07/20 20:15 ID:RPI.vuQE
>192
ものわかりの良すぎる花井はかっこいいけどキャラ違いの感。青春っていいなー。
絃子先生を参戦させていたらもっと延びたでしょうからこの扱いがやはり最善ですか。
>212
着眼点の良さが光ってます。きっと甘すぎるであろうそのハリケーンパフェ食いてぇ。
八雲のはにかむような笑みが目に浮かびました。ナイス変化球。
>230
達観してしまっている烏丸にお節介を焼く播磨。烏丸の性格付けが上手いなぁ……。
プロの漫画家が天満に読んでもらおうとすることで実は両想いだとわからせるその技素敵。
>252
文章は上手いけれど、播磨主観にしても別段大きな違いはなかったりする週なんですよね。
絃子に茶道部から追い出されたというだけでは薄いので播磨の心境でもう一工夫あれば。
>258
くはあ! 天満のそういうところに激萌えなのですよ。GJ!
烏丸に対する感情に決着を付けておいたほうが良かったかもしれませんがこれはこれで。
>271
それが最重要課題なのか西本軍団。どす黒いかと思いきや意外とかわいい奴等だ(w
最初に誰がいて誰がいないのかはっきり書いておかないとオチに違和感があったかも。
>302
自らのテリトリーに誘い込んでから問い詰め開始ですか。さすが魔王沢近。
過去形で語る八雲が悲しすぎてお子様ランチ妄想どころじゃないです。ヤクモンー!!
>324
導入なので何とも言えませんが、長編小説並みにしっかり書いてると疲れませんか?
「掲示板に書くSS」に慣れるまでは必須の描写を中心にして他は少し削ることをお勧め。
>339
コメディ路線の書き手が少ない中でこういう作品が読めて嬉しく思います。オチ以外GJ。
沢近といい花井といい、重要な局面なのにそこまで簡潔に流しちゃうかと笑いました。
>365
沢近の心情をそう解釈して沢近自身も成長させてしまうその技量にはもはや感嘆するのみ。
長かった修羅場も一番剣呑な人が終わったからもう胃を痛くせずに読めそうです。
719 :
埋め:04/07/20 20:15 ID:RPI.vuQE
>377
本編では昼食時は美琴の前の席にいたりする沢近。でもやっぱり定位置はこっちですよね。
播磨や烏丸は給料日前以外でも校庭で水飲んでたりしてそうですが隣子の態度に萌え。
>399 >452 >467
あまりに勿体ない。肉料理かと思って食べようとしたら調理前の肉塊だった気分。
SSスレなのだから単発ネタとか言って思い付きを垂れ流したりせずに作品にしようよ。
>403
伝わりはしなくても、そう言えたことにはきっと意味がある。これでこそ成長物語。
相手が播磨だけに相当な試練が待ち構えていそうですが、八雲なら大丈夫と信じています。
>420
蛇足覚悟でハッピーエンドを強引に突っ込むその敢闘精神にGJ! でもって完結おめ!
不安と期待を同時に持たせながら読ませる技法が秀逸。サラの両親が妙に気になりました。
>463
体力ないのにやけにはしゃいで動き回る笹倉先生かわええ。何を買ったんでしょう。
先輩後輩の間柄をどう解釈してきたかと注意して読んだものの、書いてナイヨー!
>481
サラよりも一日に二食も麻生のラーメンを食べようとする菅のべったり具合に萌え。
ラーメン屋に主要人物を総出演させて奇麗にまとめられるその上手さに感服です。
>491
過去に何があったかより、それを絃子さんだけが覚えているというシチュが素敵すぎる。
とてつもなく鈍感なのに取るべき態度だけは立派な播磨をかわいいと思ってみたり。
>502
既視感の原因は設定が焼き直しだから? でもすぐさま鍵を投げ返す絃子さんカコイイ!
毎年見送る側の彼女にとってもその年度は特別の卒業式だったんでしょうね。
>515
作中の時期を決定付ける「去年の体育祭」という単語はもう少し早めに欲しかった。
突っ込み所もありますが、こんなに熱いラブコメの前でそんなもの気になるものですか!
>565
回想を後にするなら導入でもう少し現状が把握できるような描写があっても良かったかな?
普段なら戸惑うだけで滅多に見れなさそうな八雲の激情を書いてくれてありがとデス。
720 :
埋め:04/07/20 20:16 ID:RPI.vuQE
>579
なんで初投稿でここまで上手いかなぁ……。実はこういうのが読みたかったんです。
お互い照れまくりの状況にもう読んでいてニヤニヤしっ放しですよ。激しくGJ!
>595
眠たいときは先に寝ましょう。クラウンは全板規制がかかろうと書けるので心配無用です。
姉への精神的依存が相当高い八雲に過去どんなすれ違いがあったのかが気になりました。
>598
そこまで現状把握ができていても退こうとはしない珍しくちょっと強気なヤクモンですね。
誰も気が付くはずのない程度の差異を作って満足しちゃっている女の子はかわいいなぁ。
>608
すぐさま異変を見抜いた花井の啖呵に激燃えですよ。美琴があくまで最高の友な事に好感。
幽子が誤まった推測をしたり花井が霊的存在を認めていなかったりするギャップも素敵。
>628
キャンバスには変化があっても実際の外見は何年たっても変わりそうにない笹倉先生萌え。
彼女にとっての絵筆を取る意味をこれだけ短い行数で表現できる技術に感嘆です。
>652
絃子さんのいつになく素直な感情表現に戸惑うことしかできない播磨がいい感じ。
借りを返させるって一体何をやらせるつもりなんでしょうね。ワクワクします。
>662
花井なら何があっても八雲を好きでいた事自体は後悔したりしないでしょうね。
「播磨が天満に振られて八雲と(ry」と曲に設定を詰め込みすぎているのではという感。
>683
播磨にとっては永遠の憧れだった人が義姉になるかもしれないわけで問題は根深いですね。
八雲の女心が生々しく描かれていて切なかったです。愛のためなら黒くもなるのが女。
今回までで絨毯爆撃はおしまい。今まで(・∀・)を詮索せずにいてくれて恩に着ます。
こんなトコまで読んでる人と感想を書きたくさせてくれた全てのSS職人の皆様に感謝。
えー、これからもやって欲しいな
これ見て、読みたくなったSSもあるんだし
これで終わりですか・・・
毎度スレの終焉を飾るものだっただけに残念です
一つ励みにもなり、また楽しみでもありました、絨毯爆撃。
シンプルな評は、それでいて痛いところを突いてきて、毎度埋め立てでは自作に触れてもらえるか戦々恐々だったとか。
是非は当然ありますし、自分からは惜しいなあ、というその一言を。
書く側としては惜しい。ホンマに。
読む側としてもけっこう楽しみにしてたんだがな
まぁ、おつかれさん(´・ω・`)ノシ
その気になったらまた書いてくれよ
個人的には毎回楽しみにしてました。
「建設的な埋め」でもありますし、これで最後というのは
非常に惜しいです。
今後もし復活して下さるのであれば、その時はよろしくお願いします。
ま、絨毯爆撃にする意味が無いし
728 :
:04/07/21 05:42 ID:Qs9InnRk
絨毯爆撃してくれると目次代わりにもなったんだよね(´・ω・`)ショボーン
え、絨毯爆撃終わり?(´・ω・`)
まあ、そちらさんにも都合があるから仕方ないんでしょうけど。
風物詩みたいなものだと思ってたんだがなあ……。
>>728 確かに目次は欲しいよね。
じゃあこのスレで500KB取った人を目次作成係に勝手に任命しよっか。
スレを読み直すときにアンカーレスがあると便利なのは間違いないし。
もしくは誰かが絨毯爆撃二代目襲名。ぶっちゃけありえない。
埋まる気配が見えないので適当に。
――所は場末の小さなバー。
「久しぶりですね、絃子さんの方から誘ってくれるなんて」
「そういう日もあるさ、たまには」
「ふうん……」
「何かな、その反応は」
「いえ、別に。……それで」
「うん?」
「今日はどうしたんですか?」
「……」
「すぐ分かりますよ。昔からそういうところ、変わらないですよね」
「……フン」
「それに、連絡もらったときって大体そうですし」
「そんなことは……」
「あーあ、たまには私もそういうのなしにして、純粋に絃子さんと飲みたいです」
「……分かったよ。その代わり」
「その代わり?」
「朝まで付き合ってもらうからな」
「それはそれは、望むところです」
触れ合う二つのグラス、乾杯、と重なる二つの声。
――小一時間後。
「それで、今日の相談はなんです?」
「さっきもういいと言ったじゃないか」
「でも頼りにされてるの嬉しいですから。……してくれてるんですよね?」
「……まあ、ね」
「ふふ、ありがとうございます。それじゃ……」
「いや、やっぱりやめておくよ」
「あ、今私に話すと面倒だなって思い直しましたね」
「……あのね、何をどうするとそう」
「こういうとき、付き合いが長いと便利ですよね?」
「葉子……」
「一度は相談しようと思ったけれど、やっぱりまずいと思って考え直すこと――」
「私は別に」
「―― 一途ですね」
「っ! 今何か、もの凄い飛躍があった気がしたんだが」
「そうですか? でも絃子さんの悩みごとっていつも……」
「それじゃまるで、私がいつも拳児君のことを考えてるみたいじゃないか」
「はあ……今回は重症みたいですね」
「え?」
「だって、私一言も播磨君のことだなんて口にしてませんよ」
「あ……」
「あ、じゃないですよ……あの、大丈夫ですか?」
「……」
「そんな、これくらいで泣かないで下さいよ。えっと、ほら、今夜は私が奢りますから、ね」
更けていく夜は、まだまだ長い――
(・∀・)ハケーン
何でこんな萌えるものをこっそり投下するんですか。もったいない
絃子さん(*´Д`)ハァハァ
非常にGJです!
絃子さんと播磨に何があったのか気になる…
可愛いな絃子さんは
いや何と言うか、単なる埋めネタ以外の何物でもないのですが。
そこはかとなくうけたので微妙に続きっぽく埋め。
「ん――」
「よう、やっとお目覚めか」
「……拳児君? ここは……」
「……あのな、てめぇの家くらいしっかり覚えとけってんだよ」
「なるほど、ね。帰ってきたのか……」
「ったく、日も出ねぇうちから叩き起こされたと思ったら、ぐでんぐでんの誰かさんだしよ。
後でちゃんと葉子姉ちゃんに礼言っとけよ」
「そうか、彼女が連れてきてくれたのか。それは……ん?」
「なんだよ」
「――なあ、拳児君」
「だからなんだよ、んな真剣な顔しやがって」
「君、今なんて言った?」
「あん? もっかい言って欲しいのか? 俺はな、朝っぱらから酔っぱらいの面倒なんて……」
「違う、その後だ」
「後? ああ、だからちゃんとよう……っ!?」
「そう、そこだ」
「……あー、いやだからな、そのササクラさんにだな」
「『葉子姉ちゃん』」
「……」
「へえ、君がまだその呼び方をしているというのは知らなかったな」
「くっ、分かったよ悪かったよ! ちっと昔のクセが出ちまっただけじゃねえか!」
「私は呼び捨てなのに彼女は『姉ちゃん』か、それはそれは」
「だから謝ってるじゃねぇか、っつーかお前話聞いてんのか?」
「あーあー、昔は私の言うことも聞いてくれる可愛い子だったのに、今じゃこれだ。悲しいよ、私は」
「…………」
「ん? どうしたのかな?」
「……姉ちゃん」
「何をぼそぼそ言ってるんだ。聞こえないよ」
「……ゴメンナサイ絃子姉ちゃん」
「おや! おやおやおやおや。今のは私の空耳かな。ずいぶんと久しぶりに聞く響きだった気がするが」
「テメェ……」
「ほら、もう一回」
「聞こえてんじゃねぇか!」
「……フン。まあいいさ、これくらいで許してあげよう」
「うるせぇ! さっさともう一回寝ちまえ!」
「そうだな、そうさせてもらうとしようか。今なら良い夢が見られそうだ」
「けっ、言ってろ」
「――お姉ちゃんは嬉しいよ。ありがとう、拳児君」
「なっ……」
「――――」
「……寝やがった。なんなんだよ、ったく……」
――そして今日も、播磨拳児の受難は続く。
いいねぇ、じわじわと萌える話は。
最初は、「播磨は葉子姉ちゃんとかいわないだろ・・・」とか思って読んでたんですが、
伏線だったんですね。
いいSSありがとう。
絃子可愛いよ絃子
名前の呼び方はあるよな…幼馴染は苗字で呼ぶ様になったのに、たまにしか会わない姉の方は名前で呼んでたり
>>736 ネ申
萌えました。絃子さんやはり最高です。
とにかくGJ!ヽ(`Д´)ノウォー
「あっ、播磨」
「ん?…なんだ周防か」
「悪ぃこないだのハンカチ今持ってねぇんだ、また今度で良いか?」
「???」
「いや神社でシャーペンくくりつけたあれ」
「あーあれか、別に急がねぇからいつでも構わn…ってだからあれは俺じゃなくて」
「…いつまでシラを切る気なんだ、神サマ?(w」
「ちっ…」
「お陰でちゃんと最後まで試験受けられたよ…ありがとよ、神サマ」
「なーにいいってことよ、お互い様だしな」
「お互い様?」
「学校来なよって言ってくれたじゃねーか…俺がいなくなったことなんか
誰も気にしてねぇと思ってたから正直あー言ってくれたのは有難かったぜ」
「…そーいうもんか?」
「そーいうもんなんだよ…荷物重そうだな、持ってやるよ」
「いやいいよ別にコレぐらい」
「まぁそう言うなって…それに俺のハンカチ家に置いてあるんだろ?返してもらいに行くついでだよついで」
「お前今さっき急がないって自分で言ったばっかじゃねーかよ…」
「気にすんな気にすんな…えーっと、どっちに曲がれば良いんだ?」
「おいちょっと待てよ播磨…左だ左」
「それにしても大荷物だな」
「あー…誕生会の準備とかだからな」
「…誰の誕生日なんだ?」
「いや、あたしのなんだけどね…」
「お前誕生日なのか。じゃあ何かやんねぇとな」
「いいって播磨、そこまでしてくれなくても」
「…そっか、そうだな。邪魔しちゃいけねぇや」
「ん?」
「好きな人も呼ぶんだろ当然?」
「!!!お前どうしてそれを…ってそっか、お前神サマだったから全部聞いてるのか…」
「…安心しろ、誰にも喋らねぇよ」
「ありがとよ…でも先輩は東京の大学行っててまだこっちに帰ってきてねぇから」
「そうか…まぁ頑張れよ」
「あぁ」
「…オレも好きな娘のためにこの高校入ったんだよ実は」
「へー、そうだったのか」
「二年になってやっと同じクラスになれて、いろいろ必死に
アプローチとかもしてるんだけどなかなかうまくいかねぇんだよなこれが…」
「そうなのか?結構いい感じに見えたけど」
「え…そ、そうか?いい感じか?」
「あぁ、だから播磨も頑張れよ…そうだ、お前も誕生会出るか?」
「へ?」
「いや、あいつも呼んであるからさ」
「あ、そ、そーいうことか…そうだよな、お前らいつも仲良し四人ぐm…!?」(←脳裏に鬼の形相の沢近)
「…ん?どうした播磨?」
「わ、わりぃ、急用を思い出したんでオレ帰るわ。ハンカチやっぱ今度でいいし。じゃあな!」
「お、おい播磨…ったく何なんだよ」
Fin。