7 :
ニコフォン:04/02/17 21:49 ID:L.7Ydzfs
よーし頑張るぞー。
その前に、アソパソマソに対して抱いた疑問について説明しておくと…
1.アソパソマソとバイキソマソは、別な星から来てる癖に
舞台となってる星で喧嘩しすぎじゃないのか?何で異星人vs異星人やねんみたいな。
2.ジャムの人、一介のパン屋の癖して武力ありすぎ。
異星人の作るロボットに立ち向かえる戦車とか。
3.ジャムの人、クローン技術持ってる。
一介のパン屋の癖して科学力が半端じゃない。
8 :
ニコフォン:04/02/17 21:50 ID:L.7Ydzfs
4.ジャムの人とバタの人だけ人間じゃない?
※これは考え始めた頃に一番疑問に感じてたのですが、後に2人は
妖精さんだと判明したので、まあ良し!
9 :
東京フレンズ ◆tOKYoUSE :04/02/17 21:52 ID:8BvStArI
あとカバ男くんの声は僕の唸り声そっくりだ。
10 :
漬け物会長 ◆O9LTAfmk :04/02/17 21:53 ID:/SqCpN1g
あそこって地球じゃないんじゃない?
おれはそう思ってる。
ジャムの人とバタの人はどういう関係なんかね
12 :
ニコフォン:04/02/17 21:58 ID:L.7Ydzfs
13 :
東京フレンズ ◆tOKYoUSE :04/02/17 22:02 ID:8BvStArI
そんな事より白髪のパン職人が毎日毎日「おいしくな〜れ、おいしくな〜れ」とつぶやきながら
パンをこね続ける恐怖!
14 :
漬け物会長 ◆O9LTAfmk :04/02/17 22:03 ID:/SqCpN1g
取りあえず版権はとったか?
訴えられたら負けるぞ
15 :
ニコフォン:04/02/17 22:08 ID:L.7Ydzfs
>>13 恐いねー。確かに恐い。涎とかはいってたら嫌だ。
>>14 それをキャラネタ板とか逝ってきて言うってのはどう?
よーしじゃあいくぞー。
もうアニメとかほぼ無視してる感じだけどよろしく。
------------------------------------------------
広い荒野がある。全ての命の途切れた世界で、
少女を小脇に抱えたその男はある人を待っていた。
遠い昔に消えてしまった者の残骸を。
吹きすさぶ風に紛れて、ひゅう、と大気を切る音がした。
「来たか」
目を細めて彼は呟いた。横の少女は恐怖に歯を鳴らしていた。
「バイキソマソ…!」
「よお。前に会ったのは三日前だったっけか?」
「その子を離せ、バイキソマソ!」
「言われなくても」
バイキソマソは簡単に少女を解放した。くい、と顎でアソパソマソの方を示す。
少女もどこか拍子が抜けたように、アソパソマソの元へ行った。
16 :
ニコフォン:04/02/17 22:16 ID:L.7Ydzfs
「なんのつもりだ、バイキソマソ…」
アソパソマソは少女をそっと帰らせ、バイキソマソの方に向き直った。
「逃げよう」
「…え?」
「この世界が、俺とお前を戦わせることを望んでいるのなら。
俺とお前は、ここから逃げるんだ」
風が一段と強くなる。バイキソマソはアソパソマソから視線を外さない。
薄暗く曇った空、表情は余り掴めなかった。
アソパソマソはゆっくりとその言葉の意味を飲み込む。
そして、何か恐怖にも似た喜びが、身体中に震えを与えるのを感じていた。
「俺はあと何人、お前を殺さないといけないんだ?」
アソパソマソははっと、弾かれたように顔をあげる。
「逃げるんだ」
バイキソマソは何かに対する宣戦布告のように、アソパソマソに言った。
17 :
ニコフォン:04/02/17 22:18 ID:L.7Ydzfs
題、未定。
(こういうシーンでマンガとかだと題が来たりするもんだけど)
18 :
ニコフォン:04/02/17 22:28 ID:L.7Ydzfs
れんが造りの町並み、流れる小川。
花壇に埋められた花はそれなりに綺麗に咲いている。
子ども達が楽しそうにその町の中の隙間を走り抜けていく。
そんな、人が明るく楽しく生きていく為のモデルといったような町があった。
そしてその町は、実際そうなのだった。
その町を抜けた所に、パ・ンコジョーという研究施設があった。
沈んだような灰色のその施設の中に、一人入っていく男がいる。
カツ、コツという足音と共に、ゴポゴポ…という水音が聞こえる。
彼はその音を聞く度、やりきれなく暗い気持ちになってしまう。
その音を発している、通路にいくつもいくつも並べられた丸い透明な槽を見ないようにしている。
「自分」がそこから生まれたからだ。そして、「自分」はこれからも、誕生していく。
◎
20 :
ニコフォン:04/02/17 22:39 ID:L.7Ydzfs
しばらく歩いた先のゲートで認証を済ませ、中に入ると
そこは巨大なモニターのある部屋だった。
何本ものコードで小さいモニターに繋がれ、そしてそのモニターからでたコードは、
さっきの通路のものより一回り程大きい槽に繋がっている。
4つあるその槽のうち1つに槽に入っている少女が彼の方を向いて、
口の動きで「おかえりなさい」と伝えた。
彼はにこりと微笑み、そして巨大なモニターの前に座る女性の方を見る。
「バタ子博士、只今帰りました」
「『ジャム』の検索範囲内からアソパソマソが消えたわ」
モニターに映る数字の羅列を見ながら、バタ子博士と呼ばれた女性は呟いた。
「…アソパソマソは、バイキソマソと逃亡したようです」
「そう。ショクパソマソ、カレーパソマソを此処に戻してきて」
「はい」
今回のも不十分だったわね。
バタ子はふう、とため息をついて言った。
ショクパソマソは、眉を少し歪めた。
21 :
ニコフォン:04/02/17 22:40 ID:L.7Ydzfs
うーん、頭の中にあるものを引っ張り出すのは難しいなあ。
わかりにくくてごめん。
dat落ちしてなかったら明日また書きます。
当分は残っているはず
頑張れ!
23 :
ニコフォン:04/02/17 22:52 ID:L.7Ydzfs
ごめん、やっぱり反応がちょっと気になっちゃうんだ。
そういうお年頃。
>>22 ありがとー。所でクワトロってナウシカのクワトロ?
違うか。
24 :
ニコフォン:04/02/18 12:41 ID:ueorctTI
よーし書くぞー。
--------------------------------------------------
アソパソマソとバイキソマソはひたすら走っていた。
(そろそろか?)
パ・ンコジョーの中枢にあるコンピューター、『ジャム』は
アソパソマソや、その仲間を一定の範囲内で監視している。
バイキソマソはその範囲から逃れる為、道なき道を進んでいた。
後ろについてきているアソパソマソも、そのことは分かっていた。
向こうの方に崩れたコンクリートの建物が見えた。
(あそこでちょっと休むか)
「おい」
バイキソマソがアソパソマソに声をかける。
アソパソマソは遠くを、悲しそうに見つめていた。
「…僕は、何故、君と行くんだろう」
敵同士なのに。
アソパソマソが見つめるその遠い遠い先には、ショクパソマソが居た。
ショクパソマソもアソパソマソと同じように悲しい顔をして、一歩ずつこちらに近付いてきていた。
25 :
ニコフォン:04/02/18 17:06 ID:Ml51l/.w
うーごめん。
即死判定防止age
大丈夫、一週間単位で放っておいても落ちないよ。
過疎板だからな。
にしても・・中々面白いよ。うん。
俺も書いて見たくなった(w
27 :
ニコフォン:04/02/18 20:49 ID:LT1XKxMs
>>26 そうなの?
じゃああんまり気にしないことにする!
もっと面白くなるように頑張る。それなりに!
玉葱の人も、書いてみたくなったら書いてみよう。
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「…ソマソ、ショクパソマソ!!」
呼ぶ声に振り返ると、そこにはカレーパソマソが居た。
息を切らしながら、ショクパソマソに食ってかかる。
「メロソパソナから聞いた…ショクパソマソ、何でバタ子博士に言ったんだよ!
お前だって、バイキソマソの気持ちがわからないわけじゃ…」
「しっ。ここはまだ『ジャム』の範囲内なんだよ。迂闊な事を言っちゃ駄目だ」
「かまうもんか!どうせ、俺らの『発言記録』なんて簡単に見られちまうんだから!」
カレーパソマソがキッとショクパソマソを睨む。
「…それも、そうだね」
ショクパソマソは静かに呟いた。
28 :
ニコフォン:04/02/18 20:59 ID:LT1XKxMs
「…僕がバタ子博士に報告しなくとも、いずれ『ジャム』が見つけたさ。
そして、僕らがアソパソマソを止めることが出来ない限り、アソパソマソも僕らも
『廃棄処分』になるんだよ」
「っ…だけどよ…」
「しょうがないことだ」
ショクパソマソは、まるで自分に言い聞かせるかのようにそう言った。
「アソパソマソも、既に僕らの存在に気付いている」
人工の太陽がいびつな丸い光を地平線の向こうで発している。
大地が茜色に飲み込まれ、そして闇を深くしていった。
29 :
ニコフォン:04/02/18 22:03 ID:13FjKbNQ
少しずつ空に星が現れてくる。
昔は何の建物だったのだろう、鉄筋の所々見えている朽ちたコンクリートに腰掛けて
バイキソマソはそれを見つめていた。
あの星のどれかでバイキソマソは生まれ、そしてこの星に落とされたのだ。
アソパソマソも、同じように。
2人はこの星で異質の存在だった。それは同時に、2人が同質の存在であることだ。
だからこそ2人は共に居た。
遠い遠い、「今」のアソパソマソの、「何人も」前の話だ。
「明日からはどうするの?ずっと逃げる気なのかい?」
「そーだよ。ずっとずっと」
「何処まで?」
「『最初』の俺達に、戻れる所まで」
静かなバイキソマソの声。だが、確かにそこには決意のような感情が含まれていた。
「そうか…」
「そうだよ。さっさと寝ろよ、明日も歩くんだ」
「僕、『ベッド』以外の場所で寝るの、初めてだ」
アソパソマソは、ぬるんだ湯舟のような液体の感触を思い出していた。
地面に触れ、その液体とは全く違う固い感触に少し笑った。
30 :
ニコフォン:04/02/18 22:46 ID:13FjKbNQ
専用ブラウザが読み込まなくなっちゃった…何で?
まーいいか。明日もまったり頑張ります。
トリップってこれで良いのかな…
さすがにアンパンマンネタってのは見たことなかったし、斬新で面白いよ。
トリップはそれでOK。
それじゃ、俺も思いついたら何か書いてみるかな・・最近文は書いてなかったけど。
>>32 どうもありがとう。トリップはこれに決めた。
玉葱の人のアソパソマソ待ってるよ−
----------------------------------------------
しばらくして。
崩れた塀にもたれて眠っているのは、バイキソマソだけだった。
そこから少し離れた所、荒野の暗闇の中に、アソパソマソは立っていた。
そして、ショクパソマソも。
「アソパソマソ…今ならまだ、引き返せる。僕と帰ろう」
「それは、できない」
「アソパソマソ、良く考えてくれ!君が行くことは、君と僕達の『死』を意味するんだ!」
その言葉にアソパソマソはふっ、と笑った。
「じゃあ僕らは今『生きている』の?ショクパソマソ」
「……」
「僕を止めるかい?戦うんなら君は勝てないよ。君は僕の『コピー』でしかない」
((( ・ω・)コソーリと書くかな・・流れもマターリしてるし。
ある晴れた昼下がり。彼は、決して気付いてはいけない事に気付いてしまった。
きっかけは何だったのか分からない。
『僕はアンパンマンだ。それでしかない。
でも、アンパンマンは・・僕でなくても良いのだ。』
哲学的な悩み。そんなものではない。
人の手によって作られ、定期的に体の一部を交換している彼にとっては、
正に存在意義に関わる問題なのだ。
アンパンマンは今、自らが生を受けたパン工場の屋根の上に寝転んでいる。
いつも通りの太陽。風。町並み。
昨日と何も変わる事はない。明日以降も、何も変わらない筈だったのに。
何故今日という日に、こんな事に気付いてしまったのだろう?
『僕はどうすればいいんだ?』
自分には、いくらでも代わりがいる。顔が使い物にならなくなったら、バタ子さん得意の
「アンパンマン、新しい顔よ!」だ。
何を言っているのか分かっているのだろうか?濡れて泥にまみれた前の僕はどうなる?
頭を交換すると、記憶は新しい頭に引き継がれる。
しかし。彼自身にとっては、それはあくまで前のアンパンマンではないのだ。
そして。
「今の僕も、そのうち消えてなくなるんだ」
気が付くと、口に出していた。
自分でもどうやって出しているのか分からない、男としては少し高い声で。
多分・・この考えは、食パンマンやカレーパンマンには理解できないだろう。
一番最初に作られた自分ですら、今まで思いつきもしなかったのだから。
そもそもジャムおじさんは、何故パンなぞに命を吹き込んだのだ?
ご自慢の戦車だってあるし、あの人はその気になれば何だって作れるじゃあないか。
バイキンマンなんか、戦車の砲撃で木っ端微塵にしてやればいい。
せめて半永久的に使い続けられるボディの方に、記憶を保存できれば良かったのに。
・・とにかく、既に自分は気付いてしまったのだ。
次の頭になった瞬間、アンパンマンはもう僕ではなく、僕はアンパンマンではないのだ。
そんなのは嫌だ。僕はアンパンマンで在り続けたい。
僕は―
「どうした?アンパンマン」
「っ!?」
唐突にかけられた声にどきりとしたが、平静を装って空を見上げる。カレーパンマンだ。
「交代の時間だぞ。何か考え込んでたみたいだけど・・何かあったのか?」
「いや、何でもないよ。それじゃ・・行ってくる」
アンパンマンはそう言うとカレーパンマンに背を向け、南の空に飛び立っていった。
(;・ω・)書いてたら良く分からなくなってきたな・・まぁ、いいか。
とりあえずここまで。
>>37 乙です!あーそうなんだよーそういうことなんだよー
疑問に感じるのは。
続き楽しみです。
-------------------------------------------
「やめろよ!2人とも!」
睨みあう2人の間に入ったのはカレーパソマソだった。
「アソパソマソ、バイキソマソを起こして、ちょっとでも遠くへ行ってくれ」
「カレーパソマソ!君は…」
ショクパソマソの声に構わず、カレーパソマソは続ける。
「次に俺達が『生まれる』時に、この感情が発生するかなんて分からないから、
これが最後のチャンスかもしれない…。
ショクパソマソは俺が食い止める!アソパソマソ、早く!」
「…あ、ありがとう、カレーパソマソ!」
アソパソマソが瓦礫のある方へ駆けていく。
ショクパソマソは苦い顔をして俯き、そしてカレーパソマソを見据えた。
「通さないぜ、ショクパソマソ…」
「何でわかってくれないんだ?君も、アソパソマソも」
ショクパソマソの声は震えている。
「僕は死にたくない。皆と過ごした『記録』を次に渡したくない。
この『記録』は僕だけのものであって欲しい。
君達も、そうであって欲しい。ただそれだけなのに…」
カレーパソマソが笑った。
「大事なこと忘れてるよ、ショクパソマソ。
お前の中に今入ってる記録だって、昔のお前から受け継がれてきた記録だってことを」
バイキソマソは夢を見ていた。
遠い昔の2人の夢だ。
草原のまん中に大きな木があった。2人はそこで、生まれ落ちたこの星の
大気を感じるのが好きだった。
低い視点で見つめるその先にある綺麗な石や、珍しい花を見つけては笑いあった。
あの頃の2人は、確かに幸せだったのだ。
その星に住む一人の科学者が、『アソパソマソはこの星にある技術で複製できる』ことに
気付くまでは。
バイキソマソはアソパソマソを木の下で待ち続けた。
何日も、何日も、時の経過がわからなくなっても。
涙も枯れつくした頃、アソパソマソはやっと帰ってきた。
--アソパソマソ!急にこなくなったから、どうしたのかと…--
--君が、バイキソマソ?--
--なにいってるんだよ!そうに決まってるじゃないか!--
そう言うなり、アソパソマソはバイキソマソに掴みかかった。
小さな手を関節が真っ白になるほど握りしめ、渾身の力で殴りつける。
その一撃に飛ばされながら、霞む目で見たアソパソマソの後ろには、この星の住民達がいた。
--がんばれ!アソパソマソ!--
--バイキソマソは悪いやつなんだ!倒して、アソパソマソ!--
一体何が起こっているのか。悪い夢か何かなのだろうか。
だが、バイキソマソには1つだけ確信できることがあった。
(違う、こいつは…俺の知ってる、アソパソマソじゃない!)
バイキソマソも負けじとアソパソマソの胸ぐらを掴み、地面に叩き付けた。
途端に、アソパソマソはぴくりとも動かなくなる。
--まだこの程度か…不完全ね--
冷ややかな声に顔をあげると、そこには白衣を着た女性が居た。
--誰だ、あんた--
バイキソマソの声が届いているのかいないのか、女性は何も言わず
うつ伏せに倒れ込んだアソパソマソの首筋のあたりをぐっ、と押した。
カシュッ、と音がしてチップのようなものが取り出される。
--…アソパソマソに、何をした!!--
女性は初めてバイキソマソの方を見る。そして、口元だけで笑みを作った。
--完全なる『正義』として、生まれ変わったのよ--
--完全なる、『正義』…!?--
--世界がバランスを保つ為には、相反するものが存在していなくてはならない。
バイキソマソ、あなたは完全なる『悪』として、アソパソマソと戦っていくの--
--何を言ってるのか、わからない!--
--わからなくてもいいわ。貴方達はただ、憎しみあい、お互いを否定し、戦っていればいいのだから--
女性はそのまま、住民達と少し会話をした後去っていった。
バイキソマソはアソパソマソを抱きかかえる。
閉じられた目、だらりと垂れ下がる腕、いやに軽い身体…
確かにその存在は『アソパソマソ』そのもので、目を閉じれば笑顔も、泣き顔も、
自分の名を呼ぶ声もすぐ思い出せるのに。
たった2人だけの『同質』だったのに、こんなにも簡単に奪われてしまった。
夢うつつにバイキソマソは思う。自分は、あの時から呪われているのだ。
いわば『オリジナル』の、アソパソマソに。
「バイキソマソ、起きて」
軽く揺さぶられ、バイキソマソは目を覚ます。
「ショクパソマソが追ってきてる。カレーパソマソが食い止めてくれてるけど…
早く逃げよう」
「…やっぱり、他の奴らにも迷惑かけちまってるか」
「……」
「ドキソに頼もう。あいつには全て話してあるからな。…上手く説得してくれると良いが」
ピ、と持っていた通信機器のスイッチをいれる。
”…バイキソマソ?”
暫くして、不安げな声で返答があった。
「大丈夫だ、俺だよ」
バイキソマソが笑って答えると、ドキソも笑った。
”別に心配しちゃいないわよ…どうなの?”
「まずまず。アソパソマソはここにいるけど、ショクパソマソが追ってきている」
ショクパソマソ、という言葉にドキソの声は一瞬沈む。
”…そう…ショクパソマソ様が…”
「…『様』はいい加減止めろよ。で、お前の方はどうなんだ」
ほっといてよね!と向こうでドキソは少し怒った。
”『ジャム』には今の所アクセスできてないわ。あんたが一回帰ってきてくれた方が早いわよ”
「そうか…。じゃあお前は、ショクパソマソの方を頼む」
”OK”
通信はそこで終わった。
ココまでちゃんと読んだ
なんか、綾波レイみたいな物悲しさがあるな。
「私が死んでも、代わりがいるもの。」
「たぶん、わたしは3人目だと思うから。」
取替えの利く存在として生まれてきた。
その事を嘆き、取替えの利かない存在に戻ろうとする。
それは、彼が取替えの利かない存在になったことの逆証明なのに、
けれど今もって彼は取り替えの利く存在である。
・・・いや、書いてて自分がわからなくなってきた。何言ってるんだろう。俺。
ニコのも俺のも、主題は似たような感じ・・かな。
>>47 そんなが感じするな。
しかもアンパンマンなんか自分でもそれを知ってるし、交換しなきゃ腐っちゃうしね。
さて。分かりやすいようにどこからの続きか書いておくか。
>>36ね。
その日。
アンパンマンは初めて、夜遅くになっても工場に戻らなかった。
「アンパンマン、どうしたのかしら・・」
いつも笑顔を絶やさないバタ子が、珍しく眉根を寄せている。
「何かあったんでしょうかね・・?
カレーパンマン。君はパトロールの交代の時に顔を合わせただろう。
何か変わった様子は無かったかい?」
「うーん・・いや。何も無かったと思うぞ」
本当は、あの時のアンパンマンの表情が気になっていた。
悩んでいる耀な、そして何かを決意したような顔をしていたから。
だが、それを口にするのは何となくはばかられた。
どうせアンパンマンは明日にでもひょっこり帰ってくるだろうから、
わざわざそんな話をしたくはなかった。
「バタ子さん。そろそろ寝たほうがいいですよ。ジャムおじさんだってもう寝ています。
明日も朝が早いのでしょう?」
既に時刻は0時を過ぎている。
「・・そうね。明日になれば、きっと帰ってくるわよね」
バタ子は自分に言い聞かせるように呟くと、自室へと歩いていった。
「さて。どうしましょうか?」
「しばらくは待って見るしかないだろうな。
明日はパトロールしながら探すとしよう」
(アンパンマン・・どうしたっていうんだ?)
カレーパンマンは一晩中、あのアンパンマンの顔が気になって仕方がなかった。
朝になっても、アンパンマンは帰ってこなかった。
「くれぐれも気を付けるんじゃぞ。
昨日はバイキンマンも暴れていないみたいじゃが、何があったのか分からんからな」
「見つかるかしら・・」
ジャムとバタ子は、さすがに不安を隠しきれないようだ。
「大丈夫ですよ。僕達が必ず見つけてきますから」
「あぁ。二人は安心して待っていてくれ」
食パンマンは南西に、カレーパンマンは南東に飛び立った。
アンパンマンは南に向かった筈だから、おそらくどちらかは見つけることができるだろう。
発見した方がジャム手製の信号弾を打ち上げ、もう一方がそこに駆けつけることに決めた。
昼の十二時を過ぎたが、どちらからも信号弾は上がらなかった。
「ここにもいねぇな・・ん?」
カレーパンマンは空から花畑を捜索していると、一人の人影を見つけた。
地面に降り立って近づくと、残念ながらそれはアンパンマンではなかった。
「あら。カレーパンマンじゃないの」
「お前は・・!」
そこには木の籠を持ったドキンの姿があった。
「何をしている?」
「お花を摘んでいるのだけれど。何か文句があるのかしら?」
見ると、籠からは色とりどりの花が溢れている。
__
とりあえずここまで。
玉葱の人、乙です。
そうだね、主題というか、話の中心はほぼ同じだと思う。
>>46 ありがとう。まだ残ってるので、これからも頑張るよー。
>>47 そういうことなんだよー!
いっそ「アソパソマソinエヴァ」でも良かったかもしれない。スレタイ。
何で皆、そんなに言うことが上手いのかなあ。
>>53 知らなかった。教えてくれてありがとー。面白かった!
みんな、結局の所疑問に思う部分は同じなんだねえ。
----------------------------------------------
俺の家に向かおう。
バイキソマソの提案に従い、アソパソマソは彼の後ろを着いていった。
星の光だけの夜空の下、目をこらしながら走る。
「ドキソって、君の恋人?」
「違う!」
アソパソマソの問いかけにバイキソマソは慌てたように答えた。
それが逆に好意の証明になってしまったらしく、アソパソマソは笑った。
「そんなんじゃねーよ…。ドキソは、お前と俺とが『敵』同士になってしまって何年か後、
この星に落ちてきたんだ。
そして…あの研究所で飼われてた」
「…飼う…?」
「あいつらにとってはこの星の生き物じゃない俺らなんか、ペット同然ってことだよ」
バイキソマソがどこか諦めたような口調で言った。