たまにはヤムチャが活躍する話を考えようぜPart18

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100人であるために
 ダンがヤムチャの家に住み込みを始めてから、焦りは日増しに強くなり、毎晩うなさ
れる日々が続いた。
「……うぅっ。やめてくれ頼む。姉さんを殺さないでくれ!」
「また、うなされているんですね。ダンさん、辛いでしょうが我慢してください。いつかヤ
ムチャ様のような力が身に付く日が来ます。その日まではじっと耐えてください」
 隣で寝言を言うダンにプーアルが優しく話しかける。
 ダンの精神は限界に近づいていた。力を得たために知ってしまった戦闘力差という
現実。並の人間が宇宙人に立ち向かう事など不可能な事なのだ。それが今身をもっ
て実感出来る。敵の強さを感じる、自分とは比較にならない強大な力を感じる。この
壁は越えられない。これが宇宙の壁。

 翌日の事だったヤムチャが朝早く帰ってきた。だが、その体はひどく傷ついていた。
「へへ。ドジっちまった」
 体中の骨折は数カ所。切り傷はその十倍。だが、それ以上に右腕が酷すぎる。い
や、右腕は酷いとは言えない。なぜなら、もう存在しないからだ。
「これじゃ、しばらくは戦えないな」
「先生……この体でまた戦うおつもりですか」
「当たり前だ。俺がいなければ一体誰が奴らと戦うって言うんだ。あの狂った野蛮人
共と……」
「先生は安静にしていてください。今まで十分すぎるほど戦って頂きました。今度は僕
が戦います」
「馬鹿を言うな! お前ごときが相手になる訳がない。怪我をしていても俺の方がマシ
だ。お前はまだ役立たずなんだよ。自分の実力ぐらいもう分かるだろ!」
101人であるために:04/01/12 15:14 ID:/5kXyMtU
 その日の昼。傷つき眠っているヤムチャの隣でダンは思う。
(確かに足手まといかも知れない。けれど、化け物共を駆逐出来る能力を持っている
のはこの界隈ではもう俺一人になってしまった。俺が闘わないで誰が闘うんだよ先生)
 眠っているヤムチャのそばにダンは一枚の置き手紙を残した。
『     ヤムチャ先生へ 
   
  短い間でしたが、ご指導ありがとうございました。
  俺はもう十分力を身につけたので、化け物共と戦
  いに行きます。先生に教えて頂いた技の数々はき
  っと奴らとの戦いで役に立つでしょう
                           ダン     』

 ダンはそのままヤムチャの元を去っていった。そして、彼が向かった所は自分の村
ではなく、ヤムチャが怪我を負った町。そこにはまだ敵がいる。ダンは気を探知して感
じていたのだ、罪もない人々が無惨に殺されている様を……
 だが、彼はこの時、大きな勘違いをしていた。ヤムチャの闘っていた敵が誰であっ
たのか。彼は思い違いをしていたのだ。
102人であるために:04/01/12 15:15 ID:/5kXyMtU
 ダンが村に着いたのはそれから丸一日が過ぎた後だった。
「先生のやり残しでもなければ、こんな俺と関係のない町なんて放っておくのに……」
 武空術で上空100メートルほどの高さから町を見下ろすダン。が、何かがおかしい。
「この村? なんだ、なんでここは化け物の襲撃を受けていたんじゃないのか」
 見下ろした所、町には人が溢れており、活気に満ちている。とても化け物の襲撃を
受けているとは思えない。
「ヤムチャ先生はこんな町のために俺の村を放っていたのか?」
 疑惑の念が一瞬頭に浮かぶ。しかし、ヤムチャは英雄だ。彼が……まさか?
 しかし、確かに自分も感じたのだ。ここの町で人が死んでいくのを。小さな力しか持
たぬ者達が死んでいくのを感じたのだ。
 ダンは人目に付かぬよう隠れながら地上に降りた。そして、あたりを見渡す。
 敵の姿はない。周りに見えるのは普通の人間だけ。皆当たり前の生活をしている。
あるものは買い物を楽しみ、あるものは仕事に励んでいる。
「普通の町だ。平和な、危険のない町だ……先生は別の町に行っていたのだろうか。
それとも怪我をしながらも、敵の駆除に成功したのだろうか……いや、この町はまる
で敵がいなかったかのような雰囲気だ。一体なんだって言うんだ?」
 訳が分からない、ダンの頭が混乱する。だが、しばらくして正気を取り戻した。
「そうだ。気を探知すれば良いんだ。そうすれば、敵がいるかどうかハッキリする」
 そう思い精神を集中し始めるダン。だが、その結果驚くべき事に気づいたのだ。
103人であるために:04/01/12 15:16 ID:/5kXyMtU
「感じない。何も感じないぞ、気を感じない。そんな馬鹿な、敵だけじゃない町の人々
の気も感じない」
 活気溢れる町、だが、その内実は気を持たぬ人形達の住む世界。
「一体この町は何だって言うんだ。敵もいなければ町の人々もいない……。いや、い
るのか? あれらは一体なんだ俺の目の前にいる人間らしき物体は、あれは一体な
んだって言うんだ。どんなに弱い人間でも気を感じないなんて事はない、なのにここの
人間と来たら誰一人気を持っていない。全く感じない。俺がおかしくなったのか?」
 ますます、混乱するダン。だが、何とか気を落ち着け再度気を探知してみる。
「今度は見つけた。これは敵の気だ。だがなぜだ、気が乱れている。明らかに苦しん
でいる。敵の気が乱れて減っているのに……周りに戦士の気配はしない。この町は
一体なんなんだ」
 困惑しながらも、ダンは敵のいる場所へと向かう。
「たとえ死にそうでも、敵は敵。俺は奴らを倒すのみ」
 疑念を頭から無理矢理押しのけ、敵の場所へ向かう。だが、そこで見たものは……
「あ、あ、……嘘だろ。これ……」
狭い部屋の中、幼い少年達が化け物共をいたぶっている光景。おとぎ話にある亀を
虐める子供達、そんな喩えがピタリ当てはまるような情景。ただ一点違う所は、おとぎ
話の子供達は恐らく普通の少年達だっただろう、だが、ここにいる子供達は気を感じ
ないロボットのような子供達だと言う事だ
「お前ら一体何なんだ」
「お兄ちゃんこそ誰? この町の人間じゃないでしょ」
104人であるために:04/01/12 15:17 ID:/5kXyMtU
「この町の人間か…お前らは本当に……」
 人間なのか、ダンはそう言いかけて思いとどまった。相手は子供だ。不用意に傷つ
ける事はできない。
「僕たちこの化け物で遊んでるんだ、お兄ちゃんもどう? もうほとんど動かなくなっち
ゃったけどね」
「その程度にしておいてやれ、もう虫の息だ。抵抗する気力のない者を殺す必要はな
いだろ」
 ダンは自分でも信じられない事を言った。仇と恨んでいた者を助けろと言ったのだ。
「えぇ……でも、こいつら悪者だよ、ちょっとぐらいやっても良いじゃない」
「もうちょっとじゃないだろ、死にかけているんだ放っておいてやれ、それ以上痛めつ
ける必要はない」
「ちぇ、楽しかったのに……」
 少年達は愚痴を言いながら、その場を去っていった。無垢であるが故に残酷な心。
それがもたらしたのは敵としていた者達への同情というあり得ない感情。
 ダンは化け物達を見つめる。もう、声すらも出せないほど衰弱していた。ある者は腕
をもがれ、またある者は腹を引き裂かれ、死んでいる者もいるかも知れない。沢山の
者達が苦しんでいた。
「同じだ、こいつらも俺たちと同じなんだ、苦しみを知っているんだ。アハッ、そうなん
だ、こいつらだって同じ生き物だったんだ。そうなんだ、なぁーんだそうかよ!」
 一瞬感じた同情という感情をダンは無理矢理別の感情にすり替えようとする、化け
物共に追い打ちをかけるような彼のこのような言動は、同情を感じた彼自身への戒め
だった。
105人であるために:04/01/12 15:50 ID:/5kXyMtU
「なぁ、お前ら苦しいだろ。助けてもらいたいだろ」
「助けてくれ……」
「誰が助けてやるか、そのまま苦しみな! 俺があの餓鬼共を追い払ったのはな、あ
のままじゃ、お前らがすぐ死にそうだったからだ。そのまま、地獄の苦しみを味わえ」
 嘘だった。敵に同情を感じたという負い目がダンに嘘をつかせた。本当は助けるつ
もりで子供達を追い払ったのだ。だが、そんな事は口が裂けても言えない。
「嘘だろ、アンタは俺たちを助けてくれるつもりだったんだろ。なぁ、だからあの子達
を……」
「ふざけんな! テメー等化け物共が俺たちにしてきた事を忘れたのか。俺たち人間
がテメー等に一体どれほどの苦汁を飲まされたと思ってるんだ」
「その事は謝る、いや、謝っても謝りきれるものじゃないが、それでも悪いと思ってるん
だ。だから、助けてくれよ。お願いだ」
 ダンに話しかけている宇宙人は連中の中では唯一口がきけるらしい。他を見渡せ
ば、指一本動かすのさえ困難なほど傷ついている者もいた。
「頼む。死にそうなんだ。何でもするよ」
「くどい!」
 一瞬だった、ダンの手刀がその宇宙人を切り裂いた。
「……酷いよ……」
 シンプルな言葉だったが、宇宙人の言った言葉はダンの心に強く響いた。それを打
ち消すようにダンは叫ぶ。それは宇宙人達に対してではなく、自分に対して言い聞か
せるために。
「酷いだと、それはお前等の事だろ、お前等は一体何人殺したんだ。俺はまだ一匹な
んだよ。おれは優しいんだよ、わかるか? なぁ、お前等を苦しませたくないから殺し
てやったんだ」
 矛盾だらけの自己弁護。だが、ダンが理性を保つためにはこれしか手段がなかった
といえる。
106Classical名無しさん:04/01/12 17:28 ID:E1QIOFag
頑張ってるところ悪いけど、ここにはもう人なんていないんだよ。
無駄な努力ご苦労様。当然俺も読んでねえけどな。
107Classical名無しさん:04/01/12 17:35 ID:EnyIUlhg
>>105
乙。
面白いっス。続き期待。

>>106
読んでねえなら黙ってすっこんでろ
108Classical名無しさん:04/01/12 17:53 ID:E1QIOFag
>>107
感想が「乙。面白いっス」だけか。全く読んでないだろお前w
それとも感想もまともに書けない知障?

ま、このままこのスレがなくなるのもあれだしな。
じゃあ俺もこのスレに協力するよ。じゃさっそく。

>>87 ブラックジャックによろしく  
109あぼーん:あぼーん
あぼーん
110あぼーん:あぼーん
あぼーん
111あぼーん:あぼーん
あぼーん
112あぼーん:あぼーん
あぼーん
113あぼーん:あぼーん
あぼーん
114あぼーん:あぼーん
あぼーん
115あぼーん:あぼーん
あぼーん
116あぼーん:あぼーん
あぼーん
117あぼーん:あぼーん
あぼーん
118あぼーん:あぼーん
あぼーん
119Classical名無しさん:04/01/12 18:32 ID:E1QIOFag
秋田。またそのうち遊びにきてやるよ。
過疎化のこのスレを救うために名w
つまらねえオナニー駄文は読まないけどなw
120Classical名無しさん:04/01/12 18:36 ID:5l5p4pcQ
>>119
何だかんだ言って結局おまえはこのスレを愛しているんだな
いや、何も言うな。俺には分かる。おまえは本当は優しい子だもの
121Classical名無しさん:04/01/12 18:57 ID:E1QIOFag
>>120
ありがとう。俺の真意を分かってくれて。
じゃあ、お礼に今からもう一度AA支援を始めるよ。
連投規制が怖いけどな。じゃ再スタートだ
122あぼーん:あぼーん
あぼーん
123あぼーん:あぼーん
あぼーん
124あぼーん:あぼーん
あぼーん
125あぼーん:あぼーん
あぼーん
126あぼーん:あぼーん
あぼーん
127あぼーん:あぼーん
あぼーん
128Classical名無しさん:04/01/12 19:11 ID:E1QIOFag
さて電気代も勿体無いしそろそろやめるか。
じゃあな、愛すべきヤムスレの仲間たち。
129Classical名無しさん:04/01/12 19:50 ID:jsZ/FFpc
>人であるために
面白い。続きに期待々々
ヤムチャが片腕失うってエピソードは多いな。
たいていはそこからヤムチャが更に強くなっているけれど、
このSSではヤムチャはこれで引退なのかな。
しかしダンはなぜヤムチャを選んだのだろう…
130ハンター ◆kwnurxPg :04/01/12 21:03 ID:GLivkliQ
夜中には投下できると思います。
寝ちゃったら明日投下します。
131Classical名無しさん:04/01/12 22:01 ID:b.558RDc
>人であるために
ヤムチャが格好いいですね、やられましたが。
ダンは修羅への道を歩むのでしょうか…。

ところで、ダンって何か元ネタあるんですか?
132Classical名無しさん:04/01/12 22:48 ID:l/FjLbJs
>人であるために
親殺しかヤムチャ。プーアルを化け猫呼ばわりしてるし、
ちょっとダークなイメージだな。
ダンも結構いい感じのキャラだし。
(一ヶ月で舞空術覚えたって結構凄いな)

ハンターさんも期待してるので、がんがって投下して下さい。
133Classical名無しさん:04/01/13 00:03 ID:hx4BlwLk
そろそろハンタか?
134Classical名無しさん:04/01/13 15:35 ID:U3rhDrdA
ハンター期待
135人であるために:04/01/13 16:25 ID:U3rhDrdA
 次の瞬間、ダンは宇宙人達を皆殺しにした。
「ハハッ。大丈夫だ、俺の心は痛まない。化け物を殺しても心は痛まない。俺は奴らを
倒す事ができる」
 悲しい選択だった。ダンは自ら残酷になる事で、人間が化け物を苦しめるという現
実から逃避する方法を選んだのだ。
 だが、彼がこうして自分の残酷性を口に出して説明している事は逆に言えば、彼が
まだ人間らしい心を失っていない証かも知れない。けれど、ダンはそこから目を背け
いるのだ。
「さてと、化け物共は片づいたが、もう一つの問題が残っているな。この町の人間達、
いや、本当に人間かどうか分からないが、とにかく連中が何者なのか、それを明らか
にしなくてはならない。うまくいけば、俺にも化け物共をいたぶるだけの力が身に付く
かも知れないからな」
 ダンが宇宙人のいた部屋を去ろうとしたとき、奥から初老の男が現れた。
「なんだ、お前は? せっかくの実験材料を壊しおってからに。一体何のいたずら
だ?」
「おい、俺に文句を言おうって言うのか、世界を滅ぼす悪の化け物を駆逐してやった
んだ、感謝されても良いぐらいだぜ」
「世界を滅ぼす化け物だと? 何を言っている、こいつらはもうこの町では無力だよ」
「なんだと?」
「この町はワシが作った人造人間で溢れておる、あのレベルの輩に殺されるような失
敗作は一つもないわ」
「人造人間? それは一体なんだ?」
「肉体に特殊な改造を行い、戦闘力を劇的に増加させ人間達の事だ」
「それは強いのか?」
「フフッ。ここの化け物共を捕獲したという事から大体の事は分かるだろ」
136人であるために:04/01/13 16:25 ID:U3rhDrdA
 ダンの心に小さな欲望が生まれてきた。それは砂粒のような小さな塊だったが、あ
っという間に大きくなってきた。
「なぁ、誰でも改造を受けられるのか? 俺でも強くなれるのか?」
「あぁ、なれるとも」
「奴らに、あの化け物共に勝てるのか?」
「もちろんさ」
「ハハハッ。修行なんて面倒な事しなくて良かったんだ。改造を受ければ良かったん
だ。頼む、俺を強くしてくれ。俺はあいつ等を駆逐するだけの力が必要なんだ。俺を誰
よりも強くしてくれ!!」
「クククッ。自分が実験材料を壊した事も忘れ、強くしてくれか……都合が良すぎるん
じゃないか。若いのよ」
「確かに、あれはすまなかった。貴重な材料だとは思わなくてな……」
「まぁ良い。どうせ、餓鬼共がいたずらしておったから、いずれは死んでしまうものだっ
ただろうし、新しい実験材料も手に入った事だしな」
「新しい材料?」
「お前さんの事だよ。改造をしてやるよ」
「ほ、本当か?」
「あぁ、本当だとも」
 こうして、ダンは人造人間になるための改造を受ける事になった。その心に邪悪な
念を潜めたまま……
137人であるために:04/01/13 16:25 ID:U3rhDrdA
 ダンは夢を見ている。夢の中では姉が元気な姿でダンを見つめていた。
「姉さん、スッカリ元気になって。もう良いんだよ、二度とあんな事にはならないから
ね。俺は強くなったんだ、ほら見てごらん」
 そう言うとダンのしたに無数の死体が現れる。化け物共の死体。屍は積み重なって
山となり、ダンはその頂上に立って姉を見下ろす。
「もう、俺たちを苦しめるものは何もないんだよ。こいつら弱っちいから、何もできない
のさ」
 ダンの上空から敵が降ってくる。ダンはそれを目視することなく撃墜した。
「ね。 俺は強いでしょ」
 敵の体を真ん中から貫き、返り血を前身に浴びてダンは嬉しそうに言う。
 それを見ている姉の目に、涙が浮かんだ。
「姉さん、なんで泣いてるの? 悲しいの? もう、俺たち助かったんだよ」
 その涙がうれし涙でない事はダンにも直感的に分かった。
「姉さん、何か喋ってよ」
 姉は黙ったまま、瞳にいっそうの涙をたたえダンを見つめている。
 そして、しばらくして消えてしまった。
138人であるために:04/01/13 16:26 ID:U3rhDrdA
 それから二日。ヤムチャは仲間の持ってきた仙豆で怪我を完治させていた。そし
て、ダンの残した手紙を見て愕然とした。
「行ってしまったのか……」
 自分がふがいないために、初めて持った弟子を殺してしまう事になった。そう、ダン
の気はもう感じなかったのだ。
「ヤムチャさん、俺がここに来たときにはもう、弟子の少年はいませんでした」
 仲間のクリリンが言った。そして、彼が説明する事によれば、ダンが向かった先は
ヤムチャが傷を負った町。残酷な者共が支配する町。人間が化け物を襲うあべこべ
の世界。
「ダンはあそこに行ったのか……そして、殺された」
「すいません、俺は仙豆を取りに行くので精一杯で……」
「クリリンが謝る事じゃない。俺が、俺が全て悪いんだ」
「ヤムチャさん」
 誰が悪いというわけでもない。だが、ヤムチャは弟子を持ったという事から自ら責任
を負うべきだと考えていたのだ。
「クリリン。言い遅れたが、仙豆ありがとう。これでまた戦える」
「また……あれだけの怪我をしたんですよ、もう俺や悟空達に任せてください」
「いや、一つだけ、俺以外にはできない仕事がある。少し早くなってしまったけどな」
 そう言いつつ、ヤムチャはカレンダーを見つめる。カレンダーには赤く丸を付けた所
があった。それはダンの住む村に行くはずの日である。だが、ヤムチャはもう、その
日には行かない。今日、今からそこへ向かうのだ。
139人であるために:04/01/13 16:26 ID:U3rhDrdA
 ヤムチャが辿り着いたのは今までに見た事もないほど荒れ果てた村だった。村民が
一人もいなくなった村でも、ここまで酷くはない。もし、地獄があるならここの住人は地
獄にだって行くだろう。なぜなら、地獄の方がマシだからだ。
 水が汚れていた、自然の色ではない紫色をした鮮やかな色だが、明らかに何か人
工的な細工を施された水だ。
 土も腐っていた。乾燥しきっており、草木一本育たない死んだ土だ。
 村人は生きていた。が、家はない。薄着をしたまま、荒野の地べたに座り込んでい
る、生きていると言うよりは生かされているといった方が適切だろう。恐らくはここを襲
っているフリーザ軍の残党が無理矢理生かしているんだろう。村人達の顔に生気はな
く、体はやせ細り、腹だけが不自然に出ている。餓鬼という化け物がいるが、正にそ
れと同じ風体をしている。
「こんな状態になっても、まだ生きているのか……」
 ヤムチャは目を覆いたくなった。だが、自分がここから目を背けていては誰もこの村
を救えない。耐えなくては、この現実を直視するんだ。ヤムチャは自分にそう言い聞
かせた。
 ヤムチャが村に降り立つと、一人の女が近づいてきた。
「あぁ、ダンや。大きくなったねぇ」
 その女は目が見えないらしい。栄養の不足が原因か。長くはないだろう。
「なぁ、ダン。お前の姉さんも喜んでるよ」
 女はそう言いながら、ミイラ化した死体の頭をさする。
「お前、ダンが帰ってきたよ。それも強くなってね。あの化け物共を倒すためにね」
 ヤムチャは女の言葉で全てを察した。
「母さん、姉さん、俺は強くなって戻ってきたよ。あの化け物共を俺が倒してやる」
140Classical名無しさん:04/01/13 17:43 ID:5l5p4pcQ
>人であるために
どんどんコアな内容になっていくな
いや、それにしても面白い
これからも頑張ってくれ
141駆逐されゆく者ども:04/01/13 18:23 ID:AnDQ7LQc
  チャオズの得体の知れない力からようやく解放されたCC。
「ヤムチャ、僕を好きに使え」
「分かったから…もうこういうことはやめてね」
そんなとき、エレベーターが到着する。中から現れたのは銀髪の颯爽とした若者だった。
「ヤムチャ社長、何があったのです?」
「トランクス……か? 十年見ない間に立派になったなあ」
「そんなことを言っている場合ではないでしょう。まずは会社全体がどのような状態になっているかを調べなければなりませんよ」
「あ、ああ……そうだな」
いきなり来て何をぬかすんだコイツは…突然来た奴に口を挟まれたヤムチャはあまり面白い気持ちではない。
「トランクス……!!」
急速に変化する気配。チャオズの周辺が激しく歪む。顔には怒りの色が浮かんでいた。
「トランクス!! クリリンの懐刀!!! 殺す!!!!」
チャオズは両の手の付け根を合わせ、トランクスに向けて力を発しようとする。
刹那。
チャオズの額にトランクスの右手が接する。静かな、気配だった。
「チャオズさん、落ち着いて下さい。少なくとも今、僕はクリリン社長直属の部下という訳ではありません。」
「…………………………」
「攻撃準備を止めないのなら、このまま頭部を胴体から引き離しますが、宜しいでしょうか?」
「………………………………!!」
142駆逐されゆく者ども:04/01/13 18:23 ID:AnDQ7LQc
  気配は治まる。トランクスは額から手を離した。
「大体、僕を倒しても仕方が無いでしょう。あなたの標的はクリリン社長、違いますか?」
ヤムチャはトランクスから目が離せない。またも、格の違う男と出合った。一生かかっても追いつけないと思わせられる男と――。
しかし…いいのか!? 今のセリフをクリリンに聞かれたら、謀反の可能性有りと判断されてもおかしくは無い。
つまり、この男は冷静沈着且つ大胆不敵。そんなおよそ並び立つことの無さそうなものを両方持っている、異端のモノなのだ。
「ト……トランクスゥゥッ!!!!」
ブルマが感情を抑えきれないという風に叫んだ。
「あなたは誰です? 初対面ではないでしょうか。失礼、申し遅れました。私はトランクス。ツルカメ商事の……」
アナタハダレ? ショタイメン? それは何? どういう意味なの?
「さあ、皆さん、早く被害状況を調べましょう。私は一階から五階までを、ヤムチャ社長は六階から十階までを、ブルマさんはこの階を頼みます」
仕切りやがって……しかし、ヤムチャはそれを言葉にすることが出来なかった。
自分より格上の男には何も出来ない。それがヤムチャという男の性であった。
「ああ、言い忘れました。私は今日からこのCCでヤムチャ社長直属の部下として働かせていただきますので。今後宜しくお願い致します」
ヤムチャは人知れず一生分驚く。こんな男が、自分の部下に…………?
143ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 21:59 ID:dFs/U4I2
一つ開けますね。
144ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 22:00 ID:dFs/U4I2
>>前回40

天界は大きく変わっていた。
大きな亀裂の入った今にも崩れそうな地面と、半分ほど倒壊している神様ハウス。
奇妙な形をした木々達は、全て根から折れていた。

「本当にすみませんでした神様」
一人の男が、腰を直角に折り曲げて頭を下げている。
名前はヤムチャ。クールな瞳とホットなハートの持ち主。
この男、カリン塔と呼ばれる太くて長い建造物を好き勝手に振り回して、天界を半壊させてしまった。
つまり、今回の事件の加害者。
「そんなに謝らなくて良いよヤムチャ君」
ヤムチャを優しげに諭す、無数の刀傷が身体に刻まれている緑色の触覚を頭に生やしたこの人物、名を神様と言う。
天界の持ち主で、天界半壊事件の被害者でもあった。
「いえ、こうでもしないと俺の気がすまないんです神様」
「君の気持ちはわかるが、しかし」
「いえ、本当に申し訳無いです。まさかこんな事に成っていたとは」
「良いんだよヤムチャ君。ちょっと首を置いていけばわしは許すよ」
神様ご自慢の便利グッズの一つ、切っ先がかなり鋭い槍をヤムチャに向ける。
普段のヤムチャなら神様と戦うことも出来るが、ナッパとの戦いで体力を消耗している今のヤムチャには
神様と戦うだけの力は残されていなかった。
「犯人は誰か知らないかと聞かれたから、素直に俺ですと言っただけなのに」
「ちょこっと素直過ぎだ、ヤムチャ君」
145ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 22:01 ID:dFs/U4I2
「それくらいにしたら神様」
そう言ってきたのはブルマだった。
「他の人は黙っていてもらおう。わしはヤムチャ君を許すつもりは無い」
「貴方は神様でしょ、広い心を持って許したらどうなの?」
「刀を持ってわしごとブリーフ博士を切り捨てようとした人間に、そんな事言われたく無いわ。
どうせブリーフ博士が悪人に戻っていたら、わしを刀の錆にしようとでも思っているんじゃろ」
ブルマは黙ってしまった。神様の言っている事がもっともだからだ。
「わかったわ、もしお父さんが悪人に戻っても何もしないと誓うわ。だから、ヤムチャを見逃してあげて」
「本気で言っているのか?」
「本気よ」
「絶対だな?」
「絶対よ」
今度は神様が黙ってしまった。ブルマの決意が本物だと感じたからだ。
「さ、ヤムチャがした事は許してもらうわよ神様」
「だがしかしなあ……」
「駄目だって言うんなら、父さんが悪人に戻っていたときは覚悟してね」
「わかったよブルマ君。ヤムチャ君は許すよ」
神様が槍をヤムチャの首から離してポポに渡した。

この場で一番驚いているのはヤムチャだった。
ブルマが自分の為にここまでしてくれるとは思いもしなかった。
「ありがとうブルマ。この恩はいつかちゃんと返すよ」
「良いのよヤムチャ。私もベジータと勝手に結婚したから負い目を感じてたのよ。
でもこれで勝手に結婚した事はチャラよ」
「ああ、当たり前じゃないか。じゃあ俺はもう家に帰るぜ、ブリーフ博士が良い人に変わっていると良いな」
「何を言ってるんだヤムチャ君。わしは元々良い人だよ」
ヤムチャが爽やかな笑顔でその場から立ち去ろうとしたとき、ブリーフが目を覚ました。
146ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 22:02 ID:dFs/U4I2
場が凍りついた。その場にいる全員がブリーフ博士を見ている。
「どうした? わしがどうかしたのか」
全員がブリーフの言葉を反芻していた。元々良い人という言葉を。
「悪人に戻ったのね、お父様」
「待てブルマ、決め付けるのはまだ早い、もう少し様子を見るんだ」
ベジータが今にも飛び掛ろうとしているブルマを制止した。
「ブリーフ君、元に戻ったんだね」
その横で神様が嬉しそうにブリーフに話し掛けた。横にいるブルマの気持ちなんて考えてない。

「元に戻った? そう言えばさっき変な夢を見たよ。
わしがブルマに平和だの愛だのと語って、挙句の果てには兵器を作らないだのと言いよった」
「それはとんでもない悪夢だったな。だが大丈夫、もうそんな悪夢は終わったよ」
「そう言えば夢の中で地球の神よ、あなたにも出会った。
そうだ、あれは夢ではない。確かにわしは兵器を作らないと語っていた。
わしとした事が何と言う醜態を晒してしまったんじゃ」
ブリーフが拳を強く握り、歯軋りを一つする。
ちなみに、近くで二人の話を聞いているブルマは歯軋りが鳴りっぱなしだった。

「じゃが、君は自力で戻ってきたじゃないか。醜態なんかでは無かったよ」
「いや、あなたのおかげだ。あなたが最初にわしの心に巣くっていた変な良心を握りつぶしてくれ
なかったら、わしはあのままだっただろう。きっと自分の心を取り戻すことは出来なかった」
「いや、これも全てブリーフ君の精神力の強さの賜物だ。わしは背中を押しただけに過ぎない。
流石だなブリーフ。それでこそ地球の王だ」
「神よ!」
「ブリーフ!」
がしっと二人は抱き合った。それを見ていたブルマの殺気が跳ね上がった。
その凄まじい殺気は、あのベジータもその場から逃げ出したほどだ。
147ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 22:04 ID:dFs/U4I2
暗闇の中に一体の龍がいる。シェンロンと呼ばれる巨大な龍。
この龍は死者を生き帰らせる事も出来るほど強大な力を持っていた。
「あの男は私以上だと言うのか」
あの男とはブリーフの事だ。
シェンロンは、ブリーフの心に良心を植え付けた。
最初の内は、この良心がブリーフの心を支配することが出来た。
神の妨害も全く問題になっていなかった。それほどブリーフの心の奥深くに植え付けていたのだ。
だが、時間がたつに連れて、シェンロンが植え付けた良心は力を無くして行った。
例えて言うなら、芽を植付けたは良いが、土は腐っていたという感じだ。
しかも、ブリーフ本来の心が前にも増して強くなって行った。
まるで厳しい修行を乗り越えた修行者のように、激しいトレーニングをこなしてきたアスリートの様に。
今では、以前よりも何倍も強くなったブリーフの心に、シェンロン如きでは手が出せなくなっていた。
「化け物か……」
シェンロンは暗闇の中で一人呟いた。

ここは天界。ブルマが現在大暴れ中。
「待てブルマ君、これを見ろ」
神様が右手でヤムチャの後頭部を掴んで持ち上げた。
「確かにわしは聞いたぞ、ブルマ君はヤムチャ君を助ける代わりに、わしには切りかからないと
それなのに、何でブリーフ君だけじゃなくて、わしにまで手を出して来るんだ。
いや、ブリーフ君を切りかかることも間違いだ。さっき君は言ったじゃ無いか、
広い心を持って許してやれと。
それなら、君も広い心を持ってわしとブリーフ君を許してくれ」
ブルマは少しだけ悩む仕草を見せると、ボソッと一言だけ呟いた。
その一言をヤムチャは聞いていた。確かにブルマはこう言った。
「ヤムチャ、あんた邪魔だよ」
148ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 22:06 ID:dFs/U4I2
「待ってくれブルマ、俺に対して負い目感じてるんじゃないの?」
「誕生日プレゼントに台所のキュウリ渡す奴が偉そうに言ってるんじゃないよ」
ブルマは手に持っていた刀を投げつけた。ヤムチャと神様の二人を一片に片付けると言う修羅の攻撃だった。
ヤムチャの鼻先三oの所でぴたりと止まる刀。ヤムチャが真剣白刃取りで受け止めたのだ。
ホッと胸を撫で下ろす神様とヤムチャ。
それと同時にグイッと凄い力で押される刀。
ヤムチャの目の前には何時の間にか距離を詰めていたブルマの姿があった。
「止めてくれブルマ」
「そうじゃぞ、ヤムチャ君がどうなっても良いのか」
「どうなっても良いから頼むから殺させて神様、ついでにヤムチャも」
刀を押しつづけるブルマと、力を振り絞って抵抗するヤムチャ。
鼻先に刀がプスリと刺さった時、ブリーフが叫んだ。
「止めるんだブルマ」

ブルマが驚きの表情でブリーフを見た。いつもなら進んでやっちまえというはずの男が、
戦いを止めろと言っている。
ブルマの動きがとまった。その隙をついてサササっとブルマから逃げ出す神様とヤムチャ。
(これで良いのか神よ)
(そうだ、それで良いんだ)
「お父さん、何で止めろって言うの?」
「刀を振り回して人に切り掛かろうとしている娘を止めて何がおかしい
全く、何度もこうやって娘を止めるのは、わしでも疲れる。言っただろ刀を振り回すのは駄目だと」
「ご……ごめんなさいお父さん」
(ここまでは大丈夫だよな神よ)
(完璧だよブリーフ君)
神様がテレパシーを使ってブリーフと心の中で話し合っている。
この状況では、ブルマを止めるにはブリーフが良い人になったと思わせるしか道はない。
それならば、先ほどと同じ状況を再現すればブルマもブリーフが良い人のままだと
勘違いすると神様は思ったのだ。
149ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 22:08 ID:dFs/U4I2
そして、その作戦は見事に成功した。
普段のブルマなら、見破られていたかも知れないが、今のブルマは感情的過ぎた。
冷静な判断力はほとんど無かった。
「お父さん、元に戻ったかと思ったけど、良い人のままだったのね」
「はははっわしは元か……良い人に戻ったよブルマ」
ブルマがブリーフに泣きながら抱きついた。
ようやく天界の騒ぎも収まった。
(どんなものかね、地球の神よわしに掛かれば簡単なものよ)
(流石だなブリーフ君。それでこそ地球の王だ)
「わかった。もう刀なんて使わない。こんなもの使っちゃ駄目だよねお父さん」
「その通りだ、いつも言っているだろ、武器は最新の物を使えと、
刀みたいな前時代的な武器を使っているのは止めなさい。今度父さんが加粒子砲を作ってやろう」
場が再び凍りついた。
ヤムチャがやっちゃったという顔で見ている。実は遠巻きに一部始終見ていたラディッツも同じ顔だ
「お父様…」
一度は消えたはずのブルマの殺気が再び燃え出した。
「神よ、わし何か間違えた?」
ブリーフが神様の方を向いたときには、神様は遥か彼方まで逃げていた。
ヤムチャもラディッツもその場から逃げていた。
取り残されたブリーフも状況を理解して、すぐさま逃げ出した。
天界に一人残されたブルマは、獲物の数を数えはじめた。
「一人…二人…三人…四人。なぜか一人増えてるみたいだけどまあ良いわね」
狩は始まった。
150ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 22:10 ID:dFs/U4I2

夕焼け空も暗くなり、天の星々が輝き始めたころ、
ヤムチャハウスでは、召使の喋る猫プーアルが夕食の準備をしていた。
時間は六時を回ったところだ。そろそろヤムチャが帰ってくる。
実は、自分の主人がどんな土産話を持って帰ってくるのか楽しみにしていたプーアル。
いつもより豪勢な夕食を作っていると、不意に玄関のドアが開いた。
「お帰りなさいヤムチャ様」
プーアルの元気な声が家中に響き渡るが、ヤムチャからの返答は無い。
首を少し傾げて、玄関まで主人を迎えに行くと、そこには刀傷だらけのヤムチャがいた。
「ヤムチャ様しっかりしてください」
プーアルが駆け寄る。
身体を揺すっても全く返事は無い。プーアルが包帯を取りに行こうとすると、そこに占いババがやってきた。
「ついに見つけたぞヤムチャ、さっきはよくもやってくれたな。この償い身体で払ってもらおうか」
来ていた服を引き千切り素っ裸になった占いババ。貞操の危機を感じたヤムチャが、目をカッと見開いて
占いババにかめはめ波を放った。断末魔を叫びながら、占いババは光の中に消えていった。
「ただいま…プーアル…」
「ヤムチャ様、この傷は一体どうしたんですか」
「ブルマは最強だったよ。流石ブリーフ博士の娘だ」
ヤムチャは微かな笑みを浮かべると、そのまま気を失ってしまった。
プーアルには何がなんだか判らなかったが、尋常ならざる事が天界で起きたことだけは判った。

続く
151ハンター ◆kwnurxPg :04/01/13 22:41 ID:dFs/U4I2
>>チャムヤ
いつもながら独特の世界観ですね。
チャムヤのイキュと、漫才のキュイは何か関係があるのかなと
勝手な妄想をしたりしてます。
トランクスも、ばれたかどうか判らないときに攻撃するとは、過激派ですね

>>ヤムチャりりん
小学生レベルのベジータとヤムチャの戦い。
二人に凄いはまってましたね。
ブルマも止めれば良かったのに。

>>人であるために
乙。弟子がオリジナルのキャラみたいですね。
だんだん暗いほうに行ってますが、続きを期待しております
弟子もどうなったのか楽しみです。

>>駆逐
トランクスとプーアルの関係がどうなるのか。
天津飯が死んでいるみたいですけど、
白桃桃みたいな感じで破滅して行ったのでしょうか。
152Classical名無しさん:04/01/14 01:35 ID:2iyZX4yE
この後連続投下開始いたします。
153人であるために:04/01/14 01:36 ID:2iyZX4yE
 ヤムチャは村を後にし、残党共がいる山奥へと向かった。だが、一つの疑念が残っ
た。なぜ、あの村だけ他に比べてあれほどまでの地獄に変貌したのだろうか。
 以前ヤムチャは元フリーザ軍の男から話を聞いた事がある。フリーザ軍はあくまで
商売のために、侵略を行う。だから、必要以上にその土地を傷つける事はない、なぜ
なら高値で売れなくなるからだと。
 残酷だが理にかなった説明だ。そして、実際ヤムチャが見てきた光景はそれを裏付
けるものばかりだった。人々は殺されていても、水は澄み、土地は潤い、フリーザ軍
が侵攻した事により、逆に人間の住みよい地形に変わっていたのである。
 だが、あの村は違った。とても人が住める所ではなかったのだ。この違いはどこから
来るのか? ヤムチャの頭に大きな疑問となっていた。
 しかし次の瞬間、ヤムチャは疑問解決の糸口を見つけた、敵を発見したのだ。
「敵は一人、戦闘力は1500程度か。余裕だな」
 地上を歩いている敵に一閃。自由落下の速度を優に超えたヤムチャの一撃がその
宇宙人に直撃した。無論、手加減しての一撃だ。村の事を吐かせなければならない。
「おい、貴様に聞きたい事があるんだが」
 突然、脳天に一撃を食らい。事態の把握ができない元フリーザ軍軍人。だが、自分
に迫ってくる男を見て思う。オレンジの胴衣に左胸の『亀』の字。間違いなく、仲間達を
やっている男だ。そして、一瞬のうちに悟った。逆らうのは無駄だと。
「何でも聞いてくれ、その代わり命だけは……」
154人であるために:04/01/14 01:36 ID:2iyZX4yE
 ヤムチャの聞きたい事とは、なぜダンの村だけが生き地獄のように変貌してしまっ
たのか。という一点である。あのやり口はフリーザ軍のそれとは大きく異なっている。
その疑問を解決したかった。
「おい、貴様等はなぜ、あの村を破壊したんだ。あれじゃお前等にとっても都合が悪い
だろ? 売り物にならないはずだ」
「売り物? 何を勘違いしているんだか知らないが、俺たちはあの村を、いや、他のど
の村も町も、売り物にするつもりなんか無いぞ」
「なんだと?」
「大体、宇宙船が壊れているのに誰に売りに行けばいいって言うんだ。総大将は殺さ
れ、宇宙船は破壊され、地球人と生体の大きく異なる俺たちは繁殖能力も持たず、こ
のまま死ぬしかないか弱い生き物なんだぜ。その俺たちが商売を考えて行動するっ
て言うのか? そんな筈はないだろ」
「どういう事だ?」
「どういう事も、こういう事もない、あの村が本来の姿なんだよ。お前達が見てきた村
はお前達の目を欺くために作ってきた擬態だ。他の村が余り侵略を受けていない事
を見れば、お前達も被害が大きくないと勘違いするだろ。ある地球人の進言でな、フリ
ーザ軍を二つに分割し、片方にこれまで通りの任務を与え、商売道具としての植民地
確保を命じた。そして、俺たちはただ、自分のストレス解消のために町を破壊していた
のさ」
「馬鹿な……フリーザ軍壊滅から、既に数ヶ月が経っている。俺たちはその間、ずっと
踊らされていたというのか?」
「これもその地球人の情報でな、お前達の行動は全てモニターされているんだ。俺た
ちはお前等の行動が手に取るように分かった。お前達に、もう一つのフリーザ軍、つ
まりは植民地開拓にどん欲な奴らを攻撃させるように仕向けるのは難しい事じゃなか
ったぜ」
 ヤムチャはこの事実に震えた。俺たちはこの間ずっと騙されていたのか。考えてみ
れば、当たり前の事だ。フリーザが死に宇宙船が破壊されたこいつ等にはもう商売人
として生きていく道など選べなかったはずなのだ。
155人であるために:04/01/14 01:37 ID:2iyZX4yE
「なぜ? 俺にその事を話した?」
「嘘をついても生き残れないだろ。俺は死にたくないんでね、だから助かるために言っ
たのさ」
「自分のためか?」
「当たり前だ。なぁ、全部喋ったんだから助けてくれ。俺を見逃してくれよ、な? もう二
度と悪さはしない。地球人の倫理を勉強して、それに合わせるからさぁ」
 保身のために喋ったこの宇宙人に対して、ヤムチャは言いようのない怒りを覚え
た。いや、正確に言えば、宇宙人の話した内容に対してだったかも知れない。どちら
にしても、ヤムチャはこれまでに感じた事のない大きな怒りを覚えたのだ。
「外道が!! お前は生かすに値しない」
「え? お、おい……まて……まっ」
 命乞いする宇宙人を容赦なく貫くヤムチャの拳。それは緑色の血にぬれていくと同
時に強く震え始めた。
「許さんぞ! 貴様等!!」
 骸と化した体に容赦なく拳をつき入れるヤムチャ。ものの数分で人型をしていたそ
れは、ただの挽肉になってしまった。
 人々を好きなように殺された事に対する正義の怒り。自分達が騙された事に対する
自尊心の怒り。様々な怒りが混じり合い、ヤムチャは激高した。
 気がつけば、ヤムチャは敵兵の血で化粧をしていた。緑色だったそれは乾くとどす
黒くなり、地球人のそれと区別がつかない色になっていた。
「もう許さん! こいつら全員ぶち殺してやる!!」
 ヤムチャは近くに敵の密集地帯を発見するとそこへ向かった。殺すためではなく惨
殺するために。
156人であるために:04/01/14 01:37 ID:2iyZX4yE
 ヤムチャが向かった所には中規模の基地が存在した。上空から敵基地を見下ろ
し、全身に浴びた返り血がオレンジ色の服を真黒に染め上げている。その姿は死に
神そのものと言ってよい。
「スカウターに反応あり、戦闘力……測定不能!!」
『緊急指令! 緊急指令! 未確認戦闘生物捕捉、未確認戦闘生物捕捉。隊員は直
ちに第一戦闘配備につけ。繰り返す、隊員は直ちに第一戦闘配備につけ』
 基地内に緊張が走る。未確認とは言え、戦闘生物でありその力は隊員達を遙かに
凌ぐ。また、星間移動を当たり前のようにこなす彼らにとっては常識であるが、他の惑
星において、戦闘生物が基地に近づいてきたときはまず間違いなく敵と見なして良
い。そう、ヤムチャがただ上空に現れただけで彼らはそれを認識し、一致団結して敵
の排除に乗り出してきたのだ。
「いつ見ても、こいつらのチームワークには頭が下がる。チームワークが良いという事
は訓練の成果でもあるのだろうが、こいつ等は基本的に仲間思いなんだ」
 数ヶ月に及ぶ残党狩りの中、ヤムチャは敵の本質を理解しつつあった。フリーザ軍
が宇宙に席巻出来た理由はその戦闘力だけではなく、仲間同士のチームワークや、
同族に対する友愛があったればこその事だったのだ。
「もう少し、違う風に出会っていれば分かり合えたかも知れないな。だが、ここが地球
で俺が地球人である以上。お前等を許すわけにはいかない、さぁ……裁きの時間
だ!!」
157人であるために:04/01/14 02:28 ID:YEA/mjWs
 同時刻、ダンの改造手術が終わった直後の科学者邸。ダンは改造された自分の体
を調べていた。
「気は感じない。だが、圧倒的に戦闘力が上がっている。具体的に言えばスピードと
パワー。筋力と言った方が分かり易いか……。今まで使いこなせなかったエネルギー
波も使えるようになっているようだ」
 確認のため、近くにあったボールペンを軽く上に投げてみる。下に落ちるまでにかか
る時間は10秒程度。その間にパンチを放ってみる、一回、二回、三回……途中まで
数えてみて、それが無駄だと気づいた。何回パンチを放っても、中空にあるボールペ
ンは動かないまま。そう、ダンは圧倒的なスピードを身につけたのだ。
「時間に換算するとパンチ一回あたり、0.01秒なんてものじゃないな、文字通り桁が違
う。フフフッ、ハハハハハッ。凄い、凄いぞこの体は!!」
「気に入って頂けたかね?」
「あぁ、最高だよ。気に入った、これで俺はあの化け物共を倒せるんだな」
「造作もない事だね」
「ありがとう、早速試してくるよ……あそこが良いな」
 そう言って、ダンはある場所を指さした。
「ほう、パワーレーダーは内蔵させなかったはずだが?」
「ふふ、これは自前の能力さ」
 言うが早いか、ダンは飛び立った。目標までの距離は百キロほど離れているだろう
か、かつてのダンなら半日かかってやっと届くかどうかという距離。だが、今の彼から
見ればその距離は一瞬で到達出来るものだった。
158人であるために:04/01/14 02:29 ID:YEA/mjWs
 一瞬のうちにダンは敵の上空にやってきた。そこは近代的な設備が整ったフリーザ
軍の基地とはかけ離れた外観を持つ村だ。
「一見すると普通の村と変わらない、地球人達が住んでいるような村だ。だが、俺には
分かる。奴らが隠れているのが手に取るように分かる。フフ、お前等はもう逃げられな
い、究極の戦士がお前等を殺しに来たんだ!」
 ダンは中空で一人つぶやき、そして一瞬のうちに地面まで落ちる。地面につく刹那
彼は方向を変え、家の中にいる敵を発見した。
「死ね!!」
 一瞬だ、フリーザ軍残党は何が起こったのか分からず死んでしまった。
「ハハハッ、凄い。凄いぞ、この体は。無敵だ、俺は誰よりも強くなった!!」
 ダンの襲撃に対し、スカウターが反応する。
「馬鹿な、生体反応が一瞬にして消えた」
 敵襲? だが、相手の反応はない。ならばスカウターの故障か? いや、違う。とも
かくも反応が消えた地点に向かう残党達。そこで彼らが目にしたものは、胴体を引き
ちぎられた同僚と、その返り血を浴び嬉々として微笑んでいる一人の少年だった。
「あ、たくさん来たね。」
「待て、話を……」
 フリーザ兵の一人が何かを言いかけたとき、既に殺害は完了していた。
「さて、雑魚共でも全滅させておかないとな、後が厄介だ」
 敵の骸には興味もくれず、ゆっくりとその場を立ち去るダン。彼は気を感じる方向に
ゆっくりと進んでいく。そして、彼は一人の赤ん坊を見つけた。
159人であるために:04/01/14 02:29 ID:YEA/mjWs
「赤ん坊? 化け物共には子供を作る能力なんか無いって先生に聞いたけど……」
 ダンはヤムチャから教わったことを思い出した。フリーザ軍は軍人であるため、地球
に飛来したとき、そのほとんどが、いやあるいは全員が雄であったという。そのため彼
らは子供を残す事ができないと言う話だった。
「だが、これはどう見ても赤ん坊だ。感じる気は小さいし、体も小さい」
 ダンは生まれたばかりの赤ん坊というものをほとんど見た事がなかったが、それで
も本能的に悟った。この子は生まれて数ヶ月にも満たない赤ん坊であると。
「時期的に考えて……化け物共が現れたのは数ヶ月前、この子は化け物が来てから
生まれたという計算になるな。とすると……」
 しばし考え込むダン。だが、赤ん坊を見てみると、服装がおかしい。全身を黒い服で
覆われている。
「これは確か、あの化け物共が戦闘服の下に着ている下着じゃないか! ハハッ。そ
うか、化け物共は何らかの方法で繁殖をしていたんだ。そして、これがその証拠だ」
 次の瞬間、ダンは赤ん坊の首をはねた。
「駄目だなぁ、先生。間違ってたじゃないか、こいつらが成長したら地球を埋め尽くされ
るかも知れなかったんだぜ。俺に感謝しろよ」
 そう言ってダンは赤ん坊の首を抱えつつ、残りの化け物達を片づけていった。
160Classical名無しさん:04/01/14 03:20 ID:IiewFLcE
>>人であるために
おもしろいなーオイ。
ダンはオリキャラかと思ったが、
この話は未来の話なのかな?
で、ダン=人造人間17号 姉さん=18号
になるんじゃないかと予想。

>>駆逐されゆく者ども
トランクスは記憶喪失?
何にせよ、漂う緊張感が素晴らしい。

>>ハンター
ベジータの存在感が薄くなってんなー。
相変わらずブルマの最強さはいい。
占いババ笑った。

>>108
Q.E.D.証明終了

「う」
161Classical名無しさん:04/01/14 08:14 ID:BG4moH5c
>>160
ID違うけど、どうせAA荒らししてたのもお前だろ。悪質すぎるぞクズ。
スレが多少荒れるのは仕方無いが(俺もしりとりに少し荷担してしまった)
スレを潰そうとすんなよヴォケ。市ね。
162Classical名無しさん:04/01/14 17:37 ID:FGXN.m1I
>>161
状況証拠だけだが、まず間違いなくID:IiewFLcEだろうな。
こんな事するのは。でもID:IiewFLcEは悪くないよ。こいつを責めるな。
悪いのは、ID:IiewFLcEをこの世に産み落としてしまったこいつの両親。

きっとID:IiewFLcEは、無能な父親とブタのような母親が薄汚い快楽の為の交尾の挙句、
うっかり間違ってつくってしまった、要らなかった子供なんだよ。
そうでないとこの粘着は説明出来ない。可哀想な奴なんだよ、ID:IiewFLcEは。

このスレの住人ももうID:IiewFLcEを悪く言うな。こいつは悪くない。
悪いのは、こいつをこの世に存在させてしまったクズ父とクソ母なんだから。
163Classical名無しさん:04/01/14 19:05 ID:ig8JbTdM
>>144-159
連続でキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!
ハンター、人であるために乙。相変わらずナイスだ。

AAコピペもあぼーんされてるな。削除人さんも乙。
164Classical名無しさん:04/01/14 22:19 ID:Qj0oB66I
>>人であるために
ますます謎が深まってますねぇ。
ダンのクラッシュ振りも素晴らしい。
165Classical名無しさん:04/01/14 22:45 ID:VnVabuko
人であるためには結構面白いな。操気弾作者氏だと思うが乙。違ってたらごめん
ま、ハンターやチャムヤがひど過ぎるってのもあるがw
166Classical名無しさん:04/01/14 23:46 ID:s77qugSA
来ない時は全然作品が来ないのに、
来る時は一度に来たな。
嬉しいけど。
167Classical名無しさん:04/01/15 00:28 ID:VnVabuko
>>166
心配しなくていいよ。またすぐ止まるから。
168人であるために:04/01/15 03:41 ID:IvYgc3PQ
 その頃、ヤムチャはフリーザ軍基地を壊滅させ、これまでの事を思い出していた。
 そもそもフリーザ軍はなぜ地球で猛威をふるう事になったのか。それは、フリーザ軍
が地球にやってきた後、未来から来た少年によって変える手段を失ったためである。
 数ヶ月前、地球にフリーザが飛来した際、かれはもう一人の腕の立つ者と多数の部
下を連れてきていた。フリーザやその者を含む大多数は未来から来た少年によって
殺され、同時に彼らの宇宙船も破壊された。
 この時、未来の少年とZ戦士達は大きな過ちを犯してしまった。それは少年の殺した
フリーザ軍がその全てであると勘違いした事だ。実際には少年の攻撃を逃れ、生き延
びたフリーザ軍残党がいたのだ。その数は数千とも数万とも言われており、彼らが残
ったために、地球に住む力を持たぬ人々は言われ無き苦しみを味わうハメになった
のである。
 ヤムチャは思う。なぜ、フリーザ軍残党は殺戮を繰り返すのか。前に殺した兵士の
言葉が頭をよぎる。
「地球の倫理を勉強して……」
 確かにあの兵士はこう言った。そう、彼らの行為は決して地球外の倫理で見た場合
間違っていないのだ。自分達がどことも知れぬ星に迷い込み、あと数年あるいは数十
年で滅んでしまうと知ったとき、一体彼らにどれだけの選択肢があっただろうか。
「いや、考えるのは止めるか。あいつ等は自分の快楽のために地球人を殺していた
んだ。もし善悪という考えがあるなら、奴らは間違いなく悪だ。そしてそれを裁く俺は
善。これは勧善懲悪の正義の行為なんだ」
 ヤムチャはそれ以上考えるのを止めた。今のヤムチャにはこの事が何を意味する
のか判断する能力はない。
169人であるために:04/01/15 03:41 ID:IvYgc3PQ
 しばらくして、ダンは赤ん坊の首を持ったまま自分の村に帰ってきた。そして地べた
に横たわるミイラ化した姉に話しかける。
「姉さん、俺強くなったよ。化け物共を倒せるようになったんだ。ほら、ごらん。敵の首
だよ」
 そう言って首を死体の胸に置くと、姉の手を取り再度呟く。
「もう、脅えなくても良いんだよ。俺がみんなを守るからね」
 ダンが姉と会話をしていると、村人が何人か集まってきた。
「ダン。お前、戻ってきたのか?」
「あぁ、戻ってきたよ。それも強くなってね!」
 そう言って、少しだけ宙に浮くダン。一瞬、ざわめく村人達。この力、すなわち武空術
は戦士達にとっては当たり前の力だが、村人達や一般の人間から見れば理解の範
疇を超えた超常現象である。
「ダン……お前一体?」
「力を身につけたんだよ、みんなを守る、奴らを駆逐出来る力が手に入ったんだ。ほ
ら、見てよ俺が殺したんだ」
 喜びの表情でダンが差し出した赤ん坊の首は紛れもなく人間のそれだった。
「ダン、お前それは……それは人間の首だぞ!」
 村人の間に緊張が走る。人殺し、ダンが人を殺した。ダンが敵になってしまった。村
人みんな、と言っても十数人程度の思考が一致する。ダンは化け物の力を得て帰っ
てきた。
170人であるために:04/01/15 03:41 ID:IvYgc3PQ
「お、おい。何言ってるんだみんな。これは化け物共の赤ちゃんだぞ」
 ダンは当たり前のように首を差し出し皆に詰め寄る。だが村人の反応は冷たい。紛
れもなく両者の間には認識の相違があるのだ。
「お前がどこで何をしてきたのかは知らないが、化け物まがいの力を身につけ罪無き
赤子を惨殺してきたとあれば、俺たちはお前を許すわけにはいかない!」
「何を馬鹿な事を言ってるんだ。これは化け物共の赤子だ、奴らはどうやったのか知
らないが地球上で繁殖する術を身につけていたんだ。このままだと、地球は奴らに汚
染されるかも知れないだぞ」
「馬鹿な事を言っているのはお前だ! ダン、それのどこが化け物の首なんだ」
 村人とダンの言い争いが続く中、ダンの母がやってきた。
 母親はダンにも村人にも何も言わず、死体と化した娘の元へと進む。
「もうすぐ、ダンが帰ってくるよ。お前も、あの子が強くなって嬉しいかい? あの子は
ね私たちを守るために正しい力を身につけて来たのさ。そうとも、もし神様がいるのな
ら、こんな残虐を許すはずがないからね。あの子は神の力を授かったんだよ」
 母親が姉に話しかける様子を見て、ダンは不思議に思う。目が見えなくても母は自
分が側にいるときはすぐに気がついていたからだ。
「母さん、何言ってるの? 俺はここにいるじゃない」
「はて? ダンの声が聞こえたような……」
 母親は化け物共の攻撃で目から光を失っている。だからこそ、余計に気配には敏
感だったはずだ。なのになぜ……
「そうか、この体には気がないんだ……」
171人であるために:04/01/15 03:42 ID:IvYgc3PQ
「マーサさん、ダンはここにいますよ。だが、こいつが手に入れたのは神の力なんかじ
ゃない、悪魔の力なんだ。こいつは……」
「黙れ!!」
 母親に自分の行為を悟られる事をダンは恐れた。いや、正確に言うと誤解される事
を恐れた。これ以上面倒な事はしたくない、敵を倒せば村のみんなも認めてくれる。
俺が得た人造人間の能力をみんな認めてくれる筈なんだ。
「母さん、気がなくなって分からなくなったんだね。でも、俺はここにいるよ、これからは
村のみんなを守ってあげられるんだ」
 ダンはそう言って、優しく母親を抱きかかえた。「母さん、俺強くなったよ」
 満足気なダン、恐怖と怒りと疑念の入り交じった表情で見つめる村人達。そして、母
親はダンの腕の中で震えていた。
「誰だ。私を抱きかかえるこれは何だい。怖い、この生き物から生気を感じないよ。私
は化け物に抱かれているのかい」
 母親マーサはダンに抱きかかえられながらも、その存在を認められない。そして、そ
の様子を見て村人達は思った。間違いなく、ダンは敵になったと……。そして、村人の
一人が言った。
「ダンを殺せ!」
172人であるために:04/01/15 03:42 ID:IvYgc3PQ
 一人のかけ声をきっかけに一斉に村人達が武器を持って立ち上がる。ある者は竹
槍を手にダンを刺し、またある者は猟銃をもってダンを撃った。そして口々に言う。
「マーサさん、逃げるんだ。あたるぞ! 早く逃げろ」
「何言ってるんだ、アイツは化け物の母親だ一緒に殺せ!」

 ダンは母親を抱えたまま、母親はその腕の中で震えている。一体なぜ、こんな事に
なってしまったんだ。先生が来ればきっと誤解を解いてくれる。そうすれば、俺は村の
英雄になれるんだ、俺のおかげで村は救われる筈なんだ。
 ダンは母親を抱えながら、そんな事を考えていた。だから、今はじっと耐えるんだ。
今は理解されなくてもいつかきっと皆俺の事を分かってくれる。
 ダンはそう思い、母親をしっかりと強く抱きしめる。


    グチャッ
 一瞬、卵が割れるような音がした。銃の流れ弾が当たったのか、それともダンの力
が強すぎたのか。どちらかは分からない。けれど、ダンが抱えていた母親は、その骨
を砕かれ、中から臓物や体液を四散させていた。

「うわぁああああああ!!! 嘘だ、嘘だーーーー!」
173Classical名無しさん:04/01/15 13:40 ID:D/b1cZeI
スペーシング
174人であるために:04/01/15 14:40 ID:D/b1cZeI
 それからは何が起こったのかダン自身にも分からなかった。ただ一つ言える事は、
ダンの住んでいた村はもう誰もいなくなってしまったという事だけだ。
「みんながいけないんだよ、母さんを殺すから。俺は何も悪くないよ、そうだろ。これは
敵討ちさ」

 ダンの村にヤムチャが現れる。
「先生、来るのが遅いよ。みんな死んじゃった……」
 ヤムチャは弟子の変わり果てた姿に驚く、ダンの体からは気が感じられなくなってお
り、さらにその服は全身真新しい返り血で汚れていた。その色は紛れもなく地球人の
それだったのである。
「殺したのか……」
「あぁ、敵討ちさ。こいつらが母さんを殺したからね、自業自得なんだよ。俺の言う事も
信じないでさ、俺が化け物の仲間だって思いこみやがって」
「……」
 ヤムチャには何が起こったのか理解出来ない。けれど、これだけは分かった。ダン
は狂ってしまったと。もはや、正常な人間とは言いがたいと。
「ねぇ、先生も見てよ。この赤ん坊、どう見ても敵の子供だろ。俺が見つけたんだ、奴
らは繁殖する術を身につけてたんだよ。俺は地球を守ったんだよ」
 ダンはそう言ってヤムチャに首を差し出す。だが、それはかつて荒野の盗賊だった
ヤムチャには一目で人間と分かる首だった。
175人であるために:04/01/15 14:44 ID:D/b1cZeI
「ダンどうやらお前は間違った道に進んでしまったらしいな」
「え? 先生まで何言ってるの」
「人間の赤ん坊を殺し、村の仲間を殺し、人の心を失ったお前を戦士として許す事は
できない!」
 そう言って、ヤムチャは構える。ヤムチャは既に気づいていた、ダンの体から気が
感じられなくなったという事は二日前ヤムチャが大怪我を負ったあの町の人間と同じ
体になってしまったという事だ。そして、それは自分に近い戦闘力を身につけたという
事でもある。
「せ、先生? 何やってるの、俺は先生と闘う理由なんて無いよ」
「問答無用!!」
 ヤムチャの狼牙風々拳がダンに襲いかかる。華麗なフットワークと狼の牙に見立て
た拳の連撃。何が起こったのか分からないダンは防戦一方。瞬く間にダンはヤムチャ
の攻撃を浴びて倒れてしまった。
 気を失う直前、ダンが見たものは涙を流すヤムチャの姿だった。


 ここはダンの夢の中、ヤムチャの攻撃を受け瀕死のダメージをおったダンが見る夢
の中。そこには久しぶりに見る姉の姿があった。死体ではなく生きていた頃の姉だ。
「ダン、久しぶりね。こうしてまた会える日が来るとは思わなかったわ」
「姉さん、怪我が治ったのかい」
「ううん、違う。あれは怪我なんかじゃない、私は死んでしまったの。あれは死体よ」
176人であるために:04/01/15 14:45 ID:D/b1cZeI
「死体……うん、薄々気づいていた。いつまで経っても目を覚まさないんだもん、姉さ
ん死んじゃったんだって、俺気づいてたよ」
「そう、ダンは賢いのね……。ねぇ、ダン。アナタの身につけた力で今度は私を守って
くれない? 私一人で寂しくて……」
「姉さんを守る……」
「そうよ、こっちにきて私と一緒に暮らしてくれる」
「姉さん、駄目なんだ。俺の力じゃ誰一人守れなかったんだよ。母さんも、村のみんな
も、全員死んでしまったんだ」
「そうね、でもアナタに力がないからじゃない。アナタは使い方を間違ってしまっただ
け。アナタはいつかきっと私を守れるようになるわ」
「姉さん……」
 ダンはゆっくり姉の方に歩み寄る。姉もそれに答えるようにダンに近づく。二人はふ
れあった瞬間、強く抱き合った。
「姉さん、もう離さない、俺がきっと守る。姉さんを悲しませたりしないよ」
「ありがとうダン、優しいのね。優しすぎるぐらい優しいのね。ありがとう」


 夢を見るダンにヤムチャは別れの言葉を継げる。
「さようならダン。生き続けるには悲しみを知りすぎた男よ……」
177人であるために:04/01/15 14:47 ID:D/b1cZeI
 あれから数ヶ月。ヤムチャ達Z戦士の活躍により、フリーザ軍残党は壊滅した。彼ら
は地球人のあるマッドサイエンティストからZ戦士達の行動を事細かく知っていたが、
Z戦士の前では滅ぶしかなかったのである。ちなみに、その地球人科学者の名前はド
クター・ゲロと言い、ダンを改造したのも彼である。彼の開発した人造人間はその後改
良を重ね、数年後にはフリーザを凌ぐ戦闘力を得る事になるが、それはまた別の話。



 フリーザ軍が去った後も、ダンのいた村は荒廃したまま。そして、そこに二人の姉弟
はもういなかった。あの日の後、二人の姿を見た者はいない。


       終わり
178Classical名無しさん:04/01/15 17:55 ID:IiewFLcE
>>人であるために
見事に書き上げたな。
本当におつかれ。
短期集中連載でここまでまとめあげたのは素晴らしいよ。
っつーか俺の予想は見事に外れたな…。


>>160
牛若丸

「る」
179Classical名無しさん:04/01/15 18:39 ID:ig8JbTdM
人であるためにお疲れ。
最後の最後でダンがあっさりヤムチャにやられたのが少々残念だけど本当に面白かったぜ
また暇ができたら書いてくれよ、待ってるからな!
180Classical名無しさん:04/01/15 19:55 ID:yPinUYjU
人であるためにお疲れさま。
>>179 必死だなw ゆっくり待ってればいい。しかしまた過疎化になりそうだな・・。
>>178 職人は誰もお前の感想なんか読んでないだろうに、ご苦労な書き込みだなw
181Classical名無しさん:04/01/16 01:39 ID:qUGdzaL2
ついさっき、お勧め作品の繰気弾を読んでみた。
連載中も上げられるたびに読んでたけど、まとめて読むと
いっそう面白さが伝わってきていい感じだった。


で、今回の作品書いてて何が嬉しかったかって
誰かが一人俺の作品を繰気弾作者さんの物と勘違いした事。
そんなに面白かったか。いやぁ、良かった良かった。


というわけで、今度は本物の繰気弾作者さん光臨希望!
182Classical名無しさん:04/01/16 10:21 ID:QY9Atdpk
>>181
ID違うだろアホ。作者騙るなクズ。市ね
183Classical名無しさん:04/01/16 14:14 ID:8ceoOIq2
>人であるために
お疲れサマでした。
ダンは最後には救われたのでしょうかね・・・。
184Classical名無しさん:04/01/16 18:45 ID:StpR7krA
>人であるために
お疲れ様。
ダークな雰囲気のまま、一気にラストまで突っ走りましたね。
ヤムチャが結局、殆ど役に立っていないのがナイス。
ダンはともかく、他の人造人間(街の子供とか)はこれから
どうするのか、少し気になったり。

次回作も期待しています
185Classical名無しさん:04/01/16 18:58 ID:ig8JbTdM
>>182
いくらクラウンといえど環境によってはID変わるぞ
下手に決め付けない方がいい。本物か偽者かは本人じゃなきゃ分からないが

そういえば結構前に消えた元小説保管庫管理人、黄泉の門作者って自衛隊員なんだっけ?
やっぱイラク行っちゃうのかな。心配だ

ついでにage
186Classical名無しさん:04/01/17 14:40 ID:yPinUYjU
ちょっと盛ったと思ったらまた過疎か。
もう正直見限ろうかな……。
いや、あと1ヶ月だけ待つ。
操気弾さん、復活してくれ。

>>185 黄泉の門作者って捨てセリフ吐いて出てった人だよな?
   あれは作者も住人もどっちもどっちだけどもw
    
187Classical名無しさん:04/01/17 15:04 ID:Hx2AA0nk
ヤムチャがイラクに行くような話希望
188駆逐されゆく者ども:04/01/17 15:37 ID:5.8K5bRQ
  世界の北の果て――――。

  その日、一人の男が知れずに空から入国を果たす。男は舞空術を用いていた。
髪と眼鏡のフチは黒く、学者然とした雰囲気を漂わせながらも所作に隙は無し。
男が降りた地は森の中。堂々と立つ大木を顔を上げて眺めた。しかし、隙はやはり無い。まるで幾つもの眼を持っているかのようだ。
「…このブナ林は荒らされた跡が無い。今の世界にこれほどまでに立派な木があるとはな――」
男はその後数時間に渡って木を仰ぎ見続けた。おかげで首が痛くなった。

  男は一歩一歩大地の感触を確かめながら進んだ。飛べばいいだろうと思うが、彼はじっくりと見て行きたい様である。
「踏み荒らされた跡がほとんどない。誰にも乗られていない大地――なんと貴重なんだ」
この現代にこんな秘境が残されていることに驚嘆しつつ足取りも軽やかに進む。
189駆逐されゆく者ども:04/01/17 15:38 ID:5.8K5bRQ
  やがて川が見えた。原始的な生活を送っているのなら、この周辺に集落があるはず……あった。
男は悠然と入り口から入ってゆく。それぞれの生活を変わらずに営んでいる集落の民が、訝しげにその様子を眺める。
男には揺らがぬ確信があった。たとえ、今俺を警戒した民に襲われようと何の問題もないという確信が――――。
少なくとも、こんなところに自分を脅かす戦士はいまい。俺は過去地球の危機を幾度と無く救ってきた男なのだ、と――。
旧態依然にもほどがある生活。それは男が過去学んだ古代の生活様式とピッタリ合致するものであった。
で、その学んできた知識によると……やはり。
古代の民は強さ、権力をシンボルとして扱う。それは石像や壁画にみられるものであり、今目の前に広がる大屋敷のようなものにも見られる。
集落のボスは、ここにいるのだ。

  「失礼」
集落の入り口に入る時と同じく、ボスの大屋敷の門にも真正面から入ろうとする男。門は相当の大きさだ。さすが支配者と言うべきだろう。
「#лбдХвСи!!!!!」
さすがにボス屋敷には門番が付いている。ロシア語のように聞こえなくもないが、彼の学んできたどの言語とも異なる。
「かーなり、怒ってるみたいですねぇ……ま、いいや」
男は軽く跳び上がって大門を越す。本当に軽く跳んだ。貧乏ゆすりのように――――。
「бΜΘцΙп!!!!!?」
「今度はギリシャ語みたいのが混ざってる。ホントに訳分からん言葉だ」
今度は走る。足指パッチンくらいの力で……。

190駆逐されゆく者ども:04/01/17 15:39 ID:5.8K5bRQ
  「пцибСв?」
「+#$й@цеИ!!?」
「ははっ、やっぱ適当にロシア語組み合わせても通じないか。つか、通じてるかどうか確かめようがねえ」
それにしてもこの男、先程自然に趣き深く語りかけていた男と同一人物とは思えない。自然に優しく、下賤なるものに厳しく。
差別撤廃が声高に叫ばれている現代、しかし、それでも人間とはこういうものなのかもしれない。これが、真実の姿なのかも、しれない。
「まあどーでもいい。俺は上司の命令でこの土地を奪いに来たんだ。今すぐ荷物纏めて北の都にでも行きな」
「+#$й@цеИ!!!?」
集落のボスはあまりの事態に現状を把握しようと躍起になっている。しかし、それは無駄というものだ。
「三秒以内に集落全体に号令をかけるんだ。『集落を捨てろ』とな――――もし、出来なければ」
何故なら、彼は――。
「スリー…」
彼は。
「+#$й@цеИ!!!!!??」
「ツー……」
彼は。
「+#$й@цеИッ―――!!!!!??」
「ワン………」
彼は――――。
「ゼロ」
集落は壮大な光に包まれた。そして、次の瞬間、消え失せた――――。
彼は、ハナから集落民を生かす気など無かったのだ。
当然ながら、男は知らなかったことだがこの民には何かを書き残すという習慣が無かった。
口頭のみによって伝えられる歴史が唯一だったのだが、男はそれを一瞬にして人類史から永久にかき消した。
しかし、男は破顔していた。破顔していたのだ。

191駆逐されゆく者ども:04/01/17 15:42 ID:5.8K5bRQ
  男は胸ポケットから携帯電話を取り出した。  
「もしもし、クリリン社長でしょうか? 俺です、悟飯です」
『おう、どうだ? 首尾よく進んだか?』
「はい、すばらしい大地と森林ですよ。ここなら次期リゾートモデルとして十分の器でしょう」
『うん、よくやってくれたな。気をつけて帰ってこいよ』
「はい、どうも、はい」
男――孫悟飯――は携帯をしまい、翻ってブナ林を見上げた。
「本当に、美しい、力強い木だな。また見たいものだ」
そう言って悟飯は飛び立った。滞在時間約一時間。舞空術のスピードと同様、まるで光のような速さだった――――――。
192駆逐されゆく者ども:04/01/17 15:43 ID:5.8K5bRQ
悟飯…書きながら性格変わっていったよ。
193Classical名無しさん:04/01/17 17:00 ID:Hx2AA0nk
変わりすぎ。
学者の風上にもおけんな。悟飯。
194駆逐されゆく者ども:04/01/17 17:19 ID:5.8K5bRQ
勿論理由はあるのですが、まあそれはそのうち。
195Classical名無しさん:04/01/17 18:39 ID:ig8JbTdM
駆逐キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!
196Classical名無しさん:04/01/18 02:05 ID:LyUkfZZk
>>189の四行目辺りから様子がおかしくなり・・・
最悪の結末キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
すげぇ、すげぇよ孫悟飯。
197ヤムチャDVD:04/01/18 13:17 ID:ig8JbTdM
悟空「だからどうしてくれんだよナッパァ!!
ナッパ「す…すまない お、俺は…
悟空「すまないですむかよ!! 見ろよこれ
ナッパ「だ…だけどよぅ…
ベジータ「ナッパ…どうしたんだ?
悟空「ナッパの栽培マンが自爆して殺しちゃったんだよそのヤムチャ!! オラの連れてきたやつ!!
ナッパ「すまないカカロット 俺 ドラゴンボール集めるから
ベジータ「そうだな…俺も手伝うよカカロット で、どこにあるんだ? ドラゴンボールは…
悟空「フン!! そんなこと言ってもダメだね もうドラゴンボールは使えねぇもん オラが生き返るのに使っちゃったし
  ピッコロと神様も死んじまったんだ 生き返らせることなんてできっこないだろ!!
ベジータ「ナ…ナッパ おまえ ナメック星人も殺しちまったのか?
ナッパ「…
悟空「そうだ!! おまえでいいや 
ベジータ「え…
悟空「おまえがこのヤムチャの代わりをしてくれたら 生き返らせなくていいよ
  おいナッパ  こいつの名前は!?
ナッパ「……… ベ…ベジータ
悟空「ベジータ 狼牙風風拳見せろ!!
ベジータ「えっ?
悟空「狼牙風風拳だよ 早く!!
ベジータ「あ ああ…
ナッパ「ベ… ベジータ
ベジータ「カ…カカロット やっぱりやめないか こんなこと…な
悟空「ダメだ!! だったらこのヤムチャ生き返らせて動けるようにしてくれよ
  ヤ・ム・チャ!! ヤ・ム・チャ!!
198Classical名無しさん:04/01/18 13:26 ID:S.fYJIWs
>>197
ワロタw
199Classical名無しさん:04/01/18 13:30 ID:0i46Cmsc
たしかミスターホーとかいう話があったな。まんま飲茶だが、あれじゃいかんのか?
200Classical名無しさん:04/01/19 02:13 ID:3YhyCPa.
        まもなくここは 乂200取り合戦場乂 となります。

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 200取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
    /三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,
     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
 ,,、,、,,, U (:::::::::::)  ,,、,、,,,         \オーーーーーーーッ!!/
      //三/|三|\     ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ∪  ∪       (    )    (     )   (    )    )
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )    (    )    (    )    (    )