48 :
no.1:
対太田清道戦の解説・変化図つきのSGF譜をはります。
(;FF[3]GM[1]AP[PocketGoban Ver 0.999]
SZ[19]PB[橋本宇太郎]BR[九段]PW[太田清道]WR[九段]TM[10800]DT[90-9-26]
PC[関西棋院]EV[第39期王座戦]RO[院内予\選決勝]RE[265手完 白半目勝ち]
SO[囲碁関西1991年4月号]KM[5.5]
;B[qd];W[dd];B[pp]C[太田「宇太郎先生の碁は随分並べて
研究もしていたんですが、実際に打って
いただくと布石の後半から中盤にかけての
鋭い打ち込みに特に感服しました。
これを肌に感じています。」]
;W[dp];B[oc]C[黒の1,3,5は先生の“不敗の布石”
だったと思います。」]
;W[qj];B[qh];W[qm];LB[qo:A][jq:B]B[mq]C[「この手はAやBもあるかも知れません」]
;LB[dj:A]W[jc]C[この手ではAの三連星もある。]
;B[cf](;W[ch]C[「この手は工夫した手」
普通は…(以下変化図)
これをA図とする。](;B[cc]C[この一手。
この手で…(以下変化図)](
;W[cd]C[「この手はこっちだと思います。…(以下変化図)]
;B[dc];W[ed];B[bd];W[be];B[bc];W[ce];B[fc];LB[qf:A]W[mc]C[「白はとにかく、
左上で先手を取って、こう上辺を詰めたかった。白は次にAの打ち込み
などもねらえます。」
白としては不満のないすべり出し]
49 :
no.2:02/11/14 14:50 ID:UCe9uo0Q
;B[cn]C[黒がこう打ったため左下で面白い図ができた。]
;W[cl](;B[cq]C[この手では…(以下変化図)」]
;W[cp]C[「この手は絶対」]
;B[dq];W[ep];B[bp];W[bo];B[bq];W[co];B[fq]C[ここまでは一本道]
;W[go];LB[qo:A]B[gq]C[「この手では黒Aの方だったかも知れない。」]
;LB[rp:A]W[qq]C[「この手ではAのほうが普通」]
;LB[pq:A]B[qp]C[「この手は積極的で、先生は特に気合の
お人ですから、Aの方からは押えてこられません。」]
;W[pq];B[op];W[nr];B[nq];W[mr](;B[rq]C[「この手で…(以下変化図)]
;W[oq];B[qr];W[pr];B[ps];LB[rr:A]W[or]C[「次の手で黒は単にAとつぐ方がよかったようです。」]
;TL[0,0]BL[0]B[sr]C[「ここはどうも先生が間違えられたようです。」]
;LB[qs:A]TL[0,0]WL[0]W[rs]C[「ここで黒手抜きだと白Aと差し込んで黒の
眼形が乏しくなります。」]
;LB[os:A]B[qs]C[「こうなると白Aのオサエが先手で下辺の白の眼形が豊かになります。」]
;W[lq];B[mo];W[jq]C[「ここに一着ないと攻められますから仕方ないのですが、ここまでの経過は
白やっていると思っていました。」]
;B[rn];W[oj];B[oh]C[この手は打ち込み防ぎ]
;LB[hk:A]W[mj]C[「この手は少し悪かった。Aのあたりへ転がしておく方がよかった。」]
;B[dj]C[「こうやられて白のリードがいくらか追いつかれた感じです。」]
;W[eh];B[ci]C[この手の意味は
「相手の地を少しでも減らして、自分の眼形の足しにしようという手です。」
以下しばらくはこの手の継続である。]
50 :
no.3:02/11/14 14:52 ID:UCe9uo0Q
;W[bh];B[dl];W[dm];B[ck];W[el];B[dk];W[cm];LB[bj:A]B[fj]C[ここまでは一連の手順。
「黒にはAが約束されているから、眼形にゆとりがあります。」]
;W[gh];B[hj];W[jj]C[「右辺の白の逃げが黒の攻めにつながっています。
リズム感はいいと思っていました。」]
;LB[em:A]B[gl]C[「この手はAの切り込み狙いで](
;W[fm]C[…(以上変化図)…そこでこう備えました。」]
;B[ii]C[これでないと黒は危ない]
;W[ji];B[ih];W[kg];B[if];W[hc]C[「いいツメ。攻めを見ながら上辺の地を稼ぎ、
左辺の白の安定もはかっています。流れとしては白が面白い感じです。」]
;B[fd]C[「これがないと黒の全体の石が安定しない」]
;W[fe];B[ge];W[ff]C[白は流れがいいが、ここから宇太郎九段が猛然と追い込んでくる]
;B[kd]C[「この肩つきが良い手。隅の黒地をふくらまそうと言うのです。」]
;W[kc];B[md];W[fb]LB[gb:A]C[この手は当然の一着
「黒からAにコスまれるのとくらべて、白先手得」]
;B[ec];W[ng]C[「この手は、中央の白の補強をしながら、右上の黒をけずり、
しかも中央の黒の攻めにも役立っています。」]
;B[nc]C[「この手から]
;W[ld];B[mb];W[lc];B[og]C[この手まで、黒は勝負をかけてきました。
しかし、黒の中央の連係が途切れて薄くなっているので、白もそんなにいやではありませんでした。」]
51 :
no.4:02/11/14 14:53 ID:UCe9uo0Q
;W[eb];B[db];W[gc]C[「黒の石が切れてきました。](
;B[ad]C[この手がないと…(以下変化図)]
;W[qn];B[rm];W[rl];B[qo];W[sm]C[よくこのハネを保留する例があるが
「この場合は悪手にならないので保留する意味はありません。すかさず打っておくのが良い」」]
;B[ro];W[nn];B[mn];W[nm]C[「白はちょっと地合いがいいとみています。
だからこうやって囲っておくと黒があせるだろうという計算もあります」]
;B[bf]C[「この手が鋭い手で、さすが宇太郎先生、その読みの正確なことに感服しました。」]
;W[ae];B[df];W[ef];B[bi];W[ag]LB[af:A]C[「この手ではAでした。
この碁は白半目勝ちだったのですが、もっと勝たないといけない局勢だったのです」]
;B[hn];W[no]LB[il:A][mm:B]C[「この手ではAだったか、Bだったか」]
;B[np];W[lp];B[gn]C[「この手が機敏で、ここでまた差をつめられました]
;W[fn];B[fo];W[fp];B[gp];W[eo](;B[ho]C[今思えば…(以下変化図)]
;W[hr];B[mm];W[ml];B[ll];W[mk];B[bl];W[bm];B[ri];W[ne];B[nf](
;W[me]C[この手が大切な手順
「この手でアテを先にすると…(以下変化図)]
;B[oe];W[mf];B[of];W[lb]C[「ここは白の権利」]
;B[nb];W[gd]LB[gf:A]C[「この手はAと押す方がよかった」]
;B[gf];W[gi]AE[af][ei](;TR[ag]LB[af:A]B[ei]C[「こう打たれて△がAでないのが響きました。
…(以下変化図)]
;W[eg];B[gg](;LB[gj:A]W[fh]C[この手ではAに出る手があった…(以下変化図)]
52 :
no.5:02/11/14 14:55 ID:UCe9uo0Q
;B[gj];W[bk];B[aj];W[dg];B[al];W[ek]C[この手は先手。「さらに細かくなっています。
宇太郎先生の底力を見せつけられる思いでした」]
;B[ej];W[il];B[jh];W[kh];TR[bj]LB[gr:A]B[hq]C[「左辺の石は切断されると白△で眼がないから、
黒は用心をしている。黒は今の手でAもあるがその用心のほうを重く見ている。」]
;W[gr];B[fr];W[os];B[rr];W[iq];B[ij];W[jk];B[kn];W[rj];B[ni]C[黒この手は大きいが]
;W[je]C[白のこの手と見合いのところ]
;B[jf];W[kf];B[ao];W[am];B[ak](;W[fl]C[白この手がないと…(以下変化図)]
;B[mi];W[eq];B[er];W[pi];B[ph];W[ab]C[白セキにするのが5目の手];B[bb];W[ca];B[da];W[ba]
;B[he];W[ie];B[ap];W[an];B[nd];W[qi];B[rh];W[ip];B[fo];W[jn]
;B[jm];W[ko];B[km];W[im];B[mp];W[mg];B[li];W[oi];B[kk];W[jo](
;B[sn]C[「この手はありがたかった。この手では…(以下変化図)]
;W[pn];B[sl];W[kj];B[nh];W[sk];B[nj];W[nk];B[ql];W[rk];B[lj]
;W[gb];B[hd];W[id];B[lo];W[ir];B[jl];W[ik];B[gm];W[ea];B[fk]
;W[go];B[in];W[ki];B[fo];W[en];B[la];W[ka];B[ma];W[fs];B[es]
;W[gs];B[lh];W[hh];B[hg];W[jg];B[ig];W[lg];B[oo];W[on];B[lk]
;W[ol];B[af];W[ee];B[io];W[lr];B[hk];W[si];B[sh];W[go];B[kb]
;W[jb];B[fo];W[sj];B[go];W[bg];B[ai];W[cg];B[sm]
)(;B[ql];W[pl];B[pn];W[pm];B[on];W[om];B[sj];W[sk];B[si]C[となるのが最善でした。
これだと白半目負けだったかも知れない。」変化図終わり]))(
;B[dn];W[an];B[fl]C[と白がトン死する。変化図終わり]))(
53 :
no.6:02/11/14 15:02 ID:UCe9uo0Q
;W[gj];B[fh];W[gk];B[af];W[ee];B[dh];W[dg];B[cg];W[di]C[とコウになる。しかし]
;B[kr];W[dh];LB[hk:A]B[lr]C[と黒下辺をとっても白Aで黒の大石が死ぬ。
これなら白の大勝だ。変化図終わり]))(
;B[ei];B[af];W[ee];LB[bk:A]B[aj]C[この手が利いて、白Aととれない。]
;W[dg]C[変化図終わり]))(
;W[mf];B[of];W[me]LB[oe:A]C[となったとき黒はAと打ってくれず、
白が後手になってしまいます」変化図終わり]))(
;LB[no:A]B[tt]AE[no][lp][eo][fn][fp][np][gn][gp]C[白Aでは]
;W[hm];B[gm];W[gn];B[hl];W[im];B[il];W[jm];B[jl]C[とやるんでしたか。」変化図終わり]))(
;W[ad];B[ac];W[da];B[ca];W[bb]C[となって黒は簡単に死んでしまいます。」変化図終わり]))(
;B[em]C[こう切られると]
;W[fm];B[en];W[fn];B[dn];W[bn];B[fl]C[となって全体の白の眼がなくなります。…
変化図終わり]))(;B[lr]C[となるのは];W[oq];B[lq];W[oj]C[となって隅がただで荒らされた形ですから
黒がつらいのです。」変化図終わり]))(;B[dl]C[とつけ]
;W[ck];LB[fq:A]B[fp]C[この手かAというのもあります。変化図終わり]
))(;W[dc]C[こうだと];B[cd];W[de];B[bf];LB[qo:A][fq:B]W[eg]
C[となり黒に先手を取られ、AやBに回られるのが白は不満です」変化図終わり]))(
;B[ef]C[とトブのは];W[fd];B[bd];LB[ci:A]W[cc]C[こうなったとして
黒はA図のようにAとヒラけません。変化図終わり]))
(;W[fd];B[bd];W[cc];B[ci]C[変化図終わり]))