一番楽しかった「あの日」はなんですか?

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72922世紀を目指す名無しさん
高3の夏休みもそろそろ終わりが近付いてた頃、
いつも一緒に遊んでた家の近い4人組でファミレスで飯食ってた。
皆することねぇな〜とか言いながらもグダグダ話してると
一人が「東京の西の外れにホタルが見れる場所があるらしいよ」と言い出した。
最初は皆免許持ってないし面倒臭いのでふ〜んと聞き流してたけど
俺は何となくホタルが見たかった。
そこで「うちの車出しちゃおうぜ」と言ってみると皆結構乗り気になった。
夜中の1時ぐらいまで待って家に行き、音を立てずに車のキーを持ち出し
ギアをニュートラルにして家から100メートルぐらいのところまでみんなで押してからエンジンをかけた。
青梅街道をひたすら西へ向かう車の中でニルヴァーナを大音量でかけながらみんなでヘッドバンギング。
今思うとあんなとこ警察に見つかってたら間違いなく止められてたなと思うけど、
その時は何ごともなく皆冒険心と背徳感で興奮しまくりながらドライブを楽しんでいた。
いざその場所に着くとホタルの話しをしだした奴が「この辺のはずだから降りて探そう」と言う。
730729:2001/07/05(木) 06:24 ID:???
その時点で俺らは山深い森の中の鋪装もされてない道路を30分以上走っていた。
俺はそいつが詳しい場所まで知っていると思ってたから一瞬虚脱感に襲われたけど
ここまで来たからには絶対にその場所を見つけてやると車を降りて道沿いを歩き始めた。
車の中で一人が「ホタルって水の綺麗なとこにいるんだろ?」と言っていたので、
それまで車の中で騒いでたのが嘘のように皆静かに耳を峙てて川音を探していた。
暫くすると道路脇に生い茂った薮の奥からせせらぎが聞こえてきたので
棒で薮を打ち払いながら音のする方へと進んだ。
空は月明かりで以外と明るかったけど車の中に積んであった懐中電灯がなかったら
入って行く気にはとてもなれないような場所だった。
このころには後少しでホタルが見れる期待といかにも幽霊の出そうな雰囲気からくる恐怖心を隠すために
皆再び騒ぎ始めていたんだけど、薮を抜けた瞬間皆の動きと口は止まった。
ホタルがいた。
俺らは川べりに寝転がりながらしばらくぼうっとタバコを吸ってた。
白み始めた空の、全てが青白い風景の中で
緑色のホタルの光とオレンジ色のタバコの火だけが浮き上がってた。

無免許運転は確かにいけない事だけど、いけない事をしているっていう意識が
あの時の俺らを興奮させてたのも事実です。
反省してます。っつか長い駄文ごめんなさい。