726 :
22世紀を目指す名無しさん:
小学3年の時、初めて同じクラスになったのに、妙に親しげに話し掛けてきたTさん。
後に、幼稚園も一緒だったと知ったが、当時はそんなこと全然気付かなかった。
これがきっかけになってか、初対面(と当時そう思ってた)にも関わらず、割とすんなり友達になれた。
まあ、お子様だったしそんなものか。
その後も卒業まで同じクラスだったが、同級の男子女子以上の関わり合いは何もなかったし、
望んでもいなかった。
中学に入ると話す機会もなくなり、中1の後半からは言葉を交わした記憶はない。
そして、当時の自分は、それを望んでいたわけでもなかった。
高校は別々だったが、お互い電車通学だったため、たまに姿を見かけたりした。
でも、こちらから声を掛けた記憶はない。
中学時代は同じクラスになることもなかったし、むこうも忘れてるだろと思っていたのだ。
そして、別段話す用事も付き合いもないし、いいんじゃない、と思っていた。
727 :
22世紀を目指す名無しさん:2001/07/05(木) 04:20 ID:XemlUmVE
そんな感じで、高校生活にもすっかり慣れ、そろそろ2年にあがろうという頃。
いつもの駅で、声を掛けられた。
「○○ちゃん」
小学校時代の、俺のあだ名。
久し振りに聴くそのあだ名で、彼女が話し掛けてきたのだ。
で、その時の俺の反応は。
「……誰だっけ?」
我ながら、未だに理解に苦しむ台詞だ。何故にこんな言葉を吐いたのか。
勿論彼女のことは覚えていたし、寝惚けていたわけでもない。
照れとか久し振り故の混乱とか、色々あったんだとは思うけど、この時吐いたこの台詞は、
いままでの人生で、一番自分が理解できなかった瞬間だ。
「……ああ、Tさん?」
「そうだよ。ひどいよー」
そう言って、彼女は足早に改札へ向かっていった。
その後、彼女の姿を見ることはなかった。
通学電車の中でも、街の中でも、地元で行われた成人式の時も。
高校時代は、間違いなく俺にとって一番楽しい「日々」だった。
だけど、一番思い出に残っている日はこの日。
機会があれば謝りたいけど、あっちは忘れているかな?