一番楽しかった「あの日」はなんですか?

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676ロックス
初めて勤めた会社が運悪く倒産して最後の給料とアテにしてた
ボーナスが出なくて生活苦の為逃げるように行ったリゾートバイト。
海だと遊ぶトコ多くて金貯まんねーぞ。との先輩のアドバイスに従い
山奥のホテルで2ヶ月。めっさ汚ねー寮も、住めば都ってカンジで
ほぼ軟禁状態にも係わらず働きずくめて2ヶ月。
その間、ツライ事もあったけど楽しい事も沢山あった。
オレが食事運ぶのは仕事なのに「ありがとう」ってチップくれたり
一緒に写真うつって下さいとか言われたり、がきんちょに懐かれたり。

中でも忘れられないのは、バイト最後の日にバイトの皆で花火やった事。
サイコーに盛り上がってたのに悪ふざけがすぎて、一緒の部屋だった奴が
崖から落ちちまった。びっくりした。上から呼んでも声が聞こえないし
真っ暗で何も見えないし物凄く怖かった。女の子達はキャーキャー騒いで
いるだけで、他の連中も固まって動かない。オレは泣きながら崖を降りた。
倒れた彼の傍に声を掛けながら近付いても全く反応が無い。
でもぜーぜーと荒い息が聞こえてきたから、ああ生きてるなってホッとした。
他の人が懐中電灯を寮から持って崖を降りて来たんだけど、
それで彼を照らしたら血だらけで、腕が変な風に曲がっているのを見て
また涙が出た。このままこいつが死んじまったらオレはどうしよう、
なんて事ばかり考えてた。
2ヶ月間ずっと寝食働遊を共にして、お互いのクセとか好みとか
寝相まで知り尽くしてて。さっきまで一緒に笑っていたのにって。

結局彼は病院に運ばれて2週間くらい現地の病院に居た。
その後地元に転院して、軽い後遺症が残るものの今は元気に暮らしてる。
時々メールでやりとりをしたり、年に1度は会ったりもしているが
夏になる度にあの時の事が思い出され、彼も同様なのだろう
電話が来る。「会いたい。酒でも一緒に飲まへんか?」