妄想の果てに・・・

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ふんぎりをつけ、まろんのいる入口のほうに向かおうとして俺は足を止めた。
他のすべてのPCの画面がピタリと止まっており、その書き込み欄には
『オルテガ』と同様に、人間としての最後の意志が書かれてあった。
「そうか……。皆、同じ気持ちなのだな。」
俺は『オルテガ』対して行なったように、屍と変わらぬ固定一人一人に
同じ供養をしてまわった。そして最後に部屋の中央で両手を合わせ黙祷した。
「安らかに眠ってくれ。このビルは俺が必ず滅ぼす…。」
ふと足音に気がつき目を開けると、部屋の入口に一人の男が立っていた。
「見てしまったアルネ。餅さんとやら。」