しばらく下がるのを待とう
x
5 :
G:2001/08/04(土) 16:02 ID:???
↑(・×・)の略
しばらく下がるのを待とう
7 :
ひろこ:2001/08/04(土) 18:05 ID:tk/xOAQQ
しばらく下がるのを待とう
しばらく下がるのを待とう
しばらくサガルノを待とう
しばらくスカルファックを待とう
一応全文コピペしておこう。
〜〜無題〜〜
今日も昼過ぎに目がさめた。
列車の音が聞こえる。ここに越してきた当初は騒音以外のなにものでもなかった列車の音だが、
今はもう目覚まし代わりになっている。
列車の音より数段小さな音で一生懸命に起こそうとしていた目覚し時計を止めて布団からおきだした。
部屋の中はむわっとした熱気に包まれていてとても不快な気分だ。
早く窓を開けよう。 熱気の中を泳いでいるような気分になりながら窓のほうに近づいた。
少しして、列車の音が遠ざかっていくとそれにあわせたかのように蝉が一斉に鳴きはじめた。
一体この蝉の声はどこから聞こえてくるのだろう?
今日も昨日と変わらず暑い。
薄手のタオルケット一枚で寝ていたのに下着がしっとりと濡れている。
今日は何回下着を交換する事になるだろうか。
窓を開け、その下にペタリと座り込み、外を眺める。 いつもの姿勢。
普段何かくだらない事を考える時やただ何も考えずにいたい時などついここに座ってしまう。
つまり暇なときは大体ここにいるということだ。
今、住んでいるアパートは2階で、道路に面しているので、ここから外を見渡すと通りが見える。
ここの周辺は一言でいうと下町という言葉が良く似合う。
狭い道路で元気よく遊ぶ子供たち、大切な宝物をそばでやさしく見守っている母親たち。
道路には色とりどりのチョークの線がはしり、その上を子供たちがリズミカルに飛び跳ねている。
最近ではとんと見ることがなくなってきたこんなどこか懐かしい風景がまだこの町に残っているのをこうして見ていると
なんだかだんだんとうれしくなってくる。
道路をはさんですぐ向かいに茂名商店が見える。
誰もが○○商店と言ったらイメージするであろう、その外観。
入り口の上には緑と白のビニールで出来た日よけ、その下にはガチャガチャがありその両脇には電話ボックスと自動販売機がある。
茂名商店を経営しているのは、お婆さんひとり。 本名は不明、不明といっても看板に「茂名商店」と書かれているのだから
苗字が茂名だとは予想される。
子供のころ、このアパートに住んでいたときはお婆さんによく世話になった。
両親の仕事の都合でたった一年しか住んでいなかったのだが、まるでもう一人孫が出来たといわんばかりに可愛がってくれた。
毎日のようにお婆さんの元へ走って行き、いろいろ話をしてくれとせがんだものだ。
お婆さんはいやな顔ひとつせずに様々な話をしてくれた。
特に興味深かったのはこの町の―――
突然ノレパン三世のメロディが鳴った。
ハッと現実に引き戻されて音の鳴るほうに目をむけると携帯電話のランプが緑色に光っていた。
ふう、とため息をつき、携帯電話を取る。
内容は仕事についてのことだった。
納期がなんたらとか、ここには取り立てて書くことの無い事柄。
5〜6分相手と話し、電話を切って立ち上がった。
生気の無い足取りでふらふらと数メートル先の机に向かう。
椅子に座り、パソコンを立ち上げる。
「ブゥン」とモニターの音。
ハードディスクが仕事開始を喜ぶかのように、カリカリと小気味良い音を立て始める。
気だるい午後。
僕は2chに接続していた。
いつのまにか外は曇っており、今にも雨が天からこぼれ落ちそうになっていた。
―2―
ラウンジ。
ここで勤務するようになって約半年。
僕の主な仕事は荒らし対処と、板を盛り上げるための書き込み──
プロ固定と言われる職業についている。
少し昔はプロ固定をどこぞの山奥に軟禁状態で書き込みをさせつづけていたらしいという噂がマスコミを一時期賑わせたが、
結局事件は泥沼化して、ほとんど捜査らしい捜査ははされていない。
なんでも、そこの地下で人体実験が行われていたとか、人間猫を見たとか、脳みそのみで書き込みを続けているとかオカルトチックな
噂が飛び交い、オカルト板住人が色めきたっていて、「2chの本拠地をみつけたんですけど」などといったスレが1日でpart30を軽く超えたりしていた。
ついでに類似スレが爆発的に立ち、それらにくわえて煽りや騙り、しまいにはブラクラや肢体画像まで入り乱れ、
その削除支援に一日中モニターの前にはりついていたのも今となっては懐かしい。
と、いってもつい先月のことだが。
今は昔と違い、(といっても僕の場合は最初からこうだったのだが。)自宅から2chに接続し、書き込みを行っている。
先に、僕の仕事はプロ固定だと言ったが、厳密には少し違う。
固定ハンドルはもっているが、仕事上では現在、名無しさんの名前を使っている。
一通りスレッドを眺めてみる。
特に動きは無い。この時間帯は昼休みが終了したころなので丁度人が少なくなり始めている時間帯である。
かちゅ〜しゃ風のブラウザには、現在ラウンジにつなげている人数、一定時間内の書き込み数、などのデータが表示されている。
その中には時間内に一番レスのついているスレッドのタイトルがあり、それをクリックすると1〜10位のスレッドが一覧で表示される。
相変わらずリロスレは根強い人気があり、現在6位をキープしている。
このスレッドを立てた本家なぐとは今年行われた牛丼オフの時に一度会ったことがある。
最初の頃の噂では単なるデブオタと聞いていたが、いたって普通の好青年だったことをここに付け加えておこう。
まあ、それは別にどうでもよいことなのだが。
ふと思い立ち、スタンバイ状態になっていたパソコンの前に座り、2chを開く。
ボタンを数回クリックし、入力を求める画面が表示される。 僕は僕でも気がついていなかったが、手が少し震えていた。
その手で求めるべき文字を入力する。
[検索対象板 ラウンジ]
[検索対象 全レス]
[検索対象者 餅]
先に述べたブラウザの機能には、固定の書き込みを一覧で見ることが出来る。
これはプロ固定(プロ名無し)に与えたれた特権のひとつだ。
OKをクリックし、しばらく待つ。
・
・
・
・
[該当する項目はありません]
………?
おかしい。 餅の書き込みがひとつもヒットしない…?
もう一度検索してみるが、やはりヒットしない。
…餅の発言がすべて消されている……?
──3──
餅が書き込みしなくなってから少したって「餅が死んだ!」みたいなスレが立ったが、10もいかずに削除されてしまった。
そのことに対して名無しさんや固定が議論していた。
僕もなぜ削除されたのか疑問に思ったのだが、最近スレ削除を覚えた削除人がいたことを
思い出し、なんとなく個人情報っぽいから削除してしまったのだとその時はそう結論付けていた。
しかし…餅の発言が全て削除されていることを考えると…
僕はもともと探偵でもなんでもない。
子供の頃に探偵ごっこをした程度だ。
探偵小説は少し読んだけど、それでも別に探偵になりたいとか思ったことは無かった。
椅子から立ち上がり、外に出る支度をする。
なるべくならもめごとにはかかわりたくないし、
なんていったって、餅とは知り合いでもなんでもない。
靴をはき、ドアノブに手をかける。
餅がいなくたってなんなんだ?
第一、出張しているだけかもしれないじゃないか。
僕は、いつの間にか外に出ていた。
「知りたい」ただ、それだけの為に。
16時……
地下鉄から降りて、地上にあがると熱気がむわっと攻めてきた。
まだまだ、暑い。
賑わっている地下鉄周辺から数メートルあるくと一気に寂れたところに出る。
誰も住んでいないような古ぼけた平屋が並び、
それと不釣合いに大きなビル(といっても4〜5階建てだが)がポツポツと並んでいる。
僕はそのなかでも一番大きく、古いビルの前に立った。
中に入り、3階までのぼる。結構急な階段で、
最近運動不足なこともあり目的の玄関までついたころには汗だくになってしまった。
ドアには、「西村事務所 クレアラシル」とかかれている。
その脇にはカードを通すスリットが。 そのにIDカードを通そうとして中に入ろうとしたときに、
ちょっとした問題があることに気が付いた。
それは、ここに入る理由だ。
普通、ここへは月いちで行われる月朝礼と、2ch側から非常呼集があるときぐらいしか入ることが無い。
それ以外の問題は主にメールと電話で行われるのだ。
給料も銀行振込だし、給与明細は郵送されてくる。
つまり、よっぽどの理由が無い場合、ここにはいっても怪しまれるだけなのだ。
僕は西村事務所を後にした。
今、西村事務所に入っても情報を得ることは難しいと判断したからである。
ましてやよくよく考えてみたら、そこで餅の個人情報を引き出そうなんて全く持って不可能。
ネオ麦茶やなな☆ーしがキリ番とるようなものだ。
僕は寂れた地域から移動して、喫茶店に行き、コーヒーとサンドイッチを頼んで休憩することにした。
窓から外をぼんやりと眺めて、考えを整理する。
「何故、餅はラウンジから黙って姿を消したのか?」
「何故、餅の発言だけ消されているのか?」
まったくわからなかった。
何故餅が消えたか?だって?そんなこと、わかるはずが無いじゃないか。
第一、仕事の都合で接続できなくなったとか、電話料金滞納で電話止められたとか…。
気が付くと、ウエイトレスがおどおどしながら傍らに立っていた。
「あのう、コーヒーとサンドイッチ、お待たせしました…」
ウエイトレスは、僕がコーヒーとサンドイッチがいつまでたってもこないと怒っているのかと思っているようだ。
「あ、ああ、ありがとう。」僕は出来る限りの最大限の笑顔でこたえた。
それが逆にウエイトレスをおびえさせたらしく、伝票をおいて一目散に逃げてしまった。
「………。」
僕はもそもそとサンドイッチを食べ、コーヒーで流し込んで喫茶店をあとにした。
気が付くともう17時半になっていた。
〜〜4〜〜
簡単な食事を済ませ、喫茶店を出ると雨が降ってきた。
どうして傘を持ってきていない今日に限ってふるのだろう、とことんついていない。
今日の降水確率はたしか30%程度だったはずなのに。
とことん今日はついていない気分になる。ここから地下鉄まで走って10分、歩けば20分以上かかるだろう。
走って帰ろうと思ったが、ふと、ここで少し悩んだ。
歩いて帰るのと、走って帰るのとでは、どちらが濡れるのだろうか?雨の降り具合が一定であれば、
体に降りかかる水滴の量はほとんど変わらないのではないか?
歩いてゆけば当然ずぶ濡れになるが、かといって走れば走る分だけ体にたくさんの水滴がかかることになるだろう。
そんなことを考えているうちにどんどん雨は激しくなってゆく、
しまった。くだらない事を考えているうちに走って帰ればよかった。
どうせ結局はずぶ濡れになるんだし。
喫茶店から向かいの通りを見るとコンビニが見えた。
最近うちの近所にも出来たローソンだ。
大急ぎで隣の通りへわたり、極力雨をさけるように意識しながらローソンへはいった。
「いらっしゃいませ〜」と半ばだらけた感じの声がした。どうやら僕が単なる雨宿りに来ただけと思っているようだ、正解。
何の気も無く、雑誌の置いてあるほうに向かい、ただ、ウロウロと店内をまわった。
ふとみるとお菓子の棚にはコアラのマーチがきちんと整頓されて置いてある。
「この六角形の物体を見栄えよく並べるにはかなり苦労する」と本家なぐがどこかで言ってたっけ、などと考えつつそこを素通りする。
別にお菓子など食べたいと思わないし、第一、今、持ち合わせの金に余裕が無かった。
地下鉄の分と、今日の夕飯の材料も買わないと。
丁度ぐるりと一周し、再び雑誌の前を通り過ぎようとしたとき、週刊誌の見出しに目を奪われた。
「2ちゃんねるの最期 !!? 管理人の西村博之氏、行方不明!!!!!?」
一瞬目を疑ったが、間違いは無かった。ドラゴンボール並に多いびっくりマークの脇に極力目立たないように
?がいるのが気になるが僕はその雑誌をもって、レジへ向かった。
店員はさぞかしあせったであろう、だって、単なる雨宿りの冷やかしの客が、
これ、この通りちゃんと買い物をする客に成り上がったのだから。
「ありがとうございました〜」多少、さっきよりは色づいた声を背に、僕はローソンをでた。
どうせだったらついでにうまい棒のひとつでも買っていけばよかったかな?
ほんの4〜5分の間にタイミングよく雨がやんでいるのを確認して、今日はそんなに運が悪いわけでもないような気がした。
───5───
僕は急いで地下鉄から降りるとどこにも寄り道せずにアパートに帰った。
部屋にはいり、鍵をかけて一息ついたときに、まだ夕飯の買い物をしていないことに気が付き、軽く舌打ちをした。
新聞紙入れから落ちた郵便物を拾い集め、テーブルの上に置く。
テレビをつけて一息ついたところで問題の雑誌を読もうと思ったらまたもや軽快なノレパン三世の曲が。
僕は適当にその雑誌をパラパラめくりながら携帯を取った。
「あ、どうもこんにちは〜」と、女性の声。
…聞き覚えはあるのだが誰かはわからない。
「もしもし…えーと」続きが思いつかない。知らない相手が初対面でこんなにもフレンドリーに接してくることなどは今まで数えるぐらいしかなかった。
サラ金とネズミ講ぐらい。
と、いっても一度もお世話になったことは無いし、これからもお世話になる予定は一度も無い。
金はないがそこまで困ってはいないし、稼ごうと思えばラウンジにレスをしまくればよいのだから。
しかし奴らはしつこく、どこで調べたか友人の名前まで出して接触を図ろうとする。
「○○様からの紹介で〜一度ご来店願いますか〜」とか、
「中学校の時いっしょだった◇◆よ!覚えてる?今からとっても得する話しを…」とか、もう、ウンザリ。
だまされたことはないが、毎年この時期に虫のようにわいて電話攻撃をしかけてくる。
と、いうよりどこからこの電話番号を知ったのだろうか?
しかし電話の相手はサラ金でもネズミ講でもなかった。
「あ、こちらは西村事務所クレアラシルのものですが」
なるほど、こうきたか、これは意外といえば意外。まさか玄関前までいって引き返したラウンジ事務所から電話がかかってくるとは。
電話嬢は続けた。「これから緊急の集合があるので急いで来て下さい。」と。
なんてことだろう、やっぱり今日はついていない、結局は行くんじゃないか、夕飯の買い物にもいってないし、これから週刊誌を読もうと思っていたのに。
こんなことだったらあの時事務所のドアを開けて入ってゆけばよかった。
「…あの?もしもし?もしもし?」こちらの気配を察してか、電話嬢はおずおずと話し掛けてくる。まるでさっきの喫茶店のウエイトレスみたいじゃないか。
なんだか今日という日をもう一度繰り返している錯覚に陥った。
「ああ、はい、今から向かいます…」それだけ告げて僕は濡れた服を着替え、今度は念のため傘を持って外出した。
≡≡6≡≡
僕が丁度西村事務所クレアラシルについたときには、玄関の前で黒服が待っていた。
僕を確認すると、無言でドアをあけ、中に入れとジェスチャーした。
どうやら僕で最後だったらしく、ドアの脇に立っていた黒服の男が後ろ手にドアを閉め、鍵をかけた。
廊下を少し進むと突き当たりに大きなドアがあった。ドアの上には「会議室」とかかれている。黒服はポケットから鍵をだして
それをドアに差し込んだ。
重々しい音とともにドアが開き、ふたたび黒服が、「入れ」とあごを動かした。
この黒服はさっきからなぜしゃべらないのだろう?風邪を引いているのだろうか、もしかしたら変な声なのかも。
部屋に入ると数人の男女が一斉にこちらを見た。僕は少しだけ会釈をして適当に空いている席に座る。
大き目のふかふかの椅子。
あらためてぐるりと見回してみる、この部屋に通されたのは初めてだ。
といっても事務所に来たこと自体、まだたった2回しかない。
実はプロ名無しになってから半年になろうとするが、一度しか月朝礼に出たことは無い、月朝礼があると聞いて参加してみたが、
僕以外誰も月朝礼に参加しているものはいなかった。
そのときここの取締役を務めている女性コテハン(名前を忘れてしまった)はこういった。
「ま、他の板のプロ固定や名無しさんたちも似たようなものよ、気にしないで。」と。
だからこうして改めてラウンジのプロ固定やプロ名無しさんたちを見るのは初めてといっても過言ではない。
それは無効も同じらしく、眉をひそめる男や(゚Д゚)ハァ?と、いった顔をしているものもいるし、
こちらを横目で見ながらヒソヒソ話しをしている女性二人、さらにこちらをみないでなにやらぶつぶつ呟いている男もいた。
「はい、じゃあ、これでみんな集まりましたね。」と、いいながら隣の部屋から一人の女性が入ってきた。
なかなかの美人だ、すらっとした長い足、黒く長い長髪はくせの無いストレート、背は女性にしては結構高く、ぴしっとスーツを着こなしている。
その動作一つ一つに知性を感じさせ、隙がなさそうというのがパッと見た印象だ。
その女性は続けていった。
「どうも、私がcorn・mentai鯖管理人兼、西村事務所クレアラシル取締役、ひろゆ子です。」
〜と、とりあえずここまでまとめておきました。
一応保守
もいっちょ。
27 :
餅:2001/08/05(日) 16:42 ID:???
お気に入りに追加しといた
お楽しみはこれからだ保守
>>27 おお、保守アリガトウ。
餅を超えることは不可能かもしれないけど頑張るよ。
>>28 保守アリガトウ。
気長に見守ってくださいな。
そろそろ書き溜めていた分を放出しようかな。。。
一回読み返すと色々あらが出てくるけど。
期待sage
31 :
:2001/08/05(日) 22:21 ID:???
§§§7§§§
驚いた、本当に驚いた。
ほかのプロ固定たちも同じように驚いている。みんな月一の朝礼に
出ていなかったのだろうと容易に推理できる。
その証拠として、みんなの顔が(゚Д゚)ハァ?になっていた。
(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)(゚д゚)
↑
みんなこんな顔だった。ひろゆ子と黒服を除いて。
無理もない、みんな、ひろゆきとひろゆ子は同一人物だと思っていたのに
じつはそうではなく、別人だったのだから。
誰もが、ひろゆ子はあのタラコ唇だと思っていたのだ。
ちなみに、彼女はタラコ唇ではなかった。
ひろゆ子は黒服に目配せをし、それに気づいた黒服がプロ固定、
プロ名無しさんたちに封筒を配り始めた。
黒服がそれを配っている最中にひろゆ子が口を開いた。
「いま、配っている中身はここでは開けないでください。」
黒服が僕の目の前にきて、封筒を手渡した。
思ったより重く、おもわず落としてしまいそうになる。
「この中身については、自宅に帰ってから確認してください。
そしてそのなかに入っている書類に必ず目を通し、その内容にしたがって下さいです。。。」
「一体俺達に何をさせようっていうんだ?」
ひとりの男が立ち上がり、ひろゆ子に質問した。
僕よりは数倍がっしりした体。なにか格闘でもやっているのだろうか。
「そのことについては、先ほど言いました通り、家に帰ってから確認してください。
そして今、ここにいる人たちともその内容については相談しないでください。
今、言えることはそれだけです。」
ひろゆ子はあくまでも事務的に、そして冷淡に言った。
「しかし…それだけでは説明に…」なおも食い下がろうとする男にひろゆ子は
じっと見つめた。
体の芯まで凍りつきそうなその瞳に見入られた男は
男もしぶしぶ椅子に座りなおし、かぶりをふった。よくみると顔が少し青くなっている。
「それでは、今日の集合はこれで終わりです、お疲れ様でした。」と、
そんなことにはまったくお構いなしと言った感じでひろゆ子が言うが早いが
黒服が扉を開けて「出ろ。」とは言わず、身振りでうながした。
結局最後までこの黒服は一言もしゃべらなかった。
僕らはのろのろと一列に並んで事務所からでていった。
ビルからでると、黒塗りの車が人数分用意されていた、まるで少し昔のヤクザ映画のような光景。
僕らがとまどっていると、目の前の車の中から運転手らしき男が降りてきてこういった。
「これから個人ごとの自宅まで送らせていただきます。」
<<<<<8>>>>>
まるで夢のようだった。
ひろゆ子にわたされた封筒をあけるまでは。
あのあと、事務所からひとりずつ、別々の黒塗りの車で自宅まで送ってもらったのだ。
気分はどこかの富豪みたい、上機嫌だった。
すいすいと道路を走る黒塗り。気のせいか他の車がよけてくれているみたい。
防弾ガラス越し(あとで気が付いたのだが)に見る見慣れた景色もいつもとなんだか違うようだ。
でもそれは自分のアパートを見せつけられて目が覚めた。はい、夢はここまでよ、と。
ドアをあけてもらい、深々とお辞儀されながらがたついた扉をあける。
ふと振り返るとまだお辞儀をしている。なんだか複雑な気分だ。
二階にあがり、自分の部屋に戻る。時間はもう8時になろうとしていた。
電灯をつけ、ひろゆ子からもらった封筒をテーブルの上に置いておき、タバコに火をつける。
そういえばあの事務所は禁煙だったなぁ、と考えつつ窓のほうをみると、遠くに先ほどの黒塗りが走り去ってゆくところだった。
再び封筒に目をやる。
…わざわざ一人ずつ別々に黒塗りの車で送ってまでこの封筒の内容を他者に知られたくない物がこの中に入っている……。
ここまでする必要のある封筒、中身は一体なんなのだろう。
自然とタバコをすうのをやめ、その封に手がのびる。
しかし素手ではとても開けることは出来なかった、がっちりと透明なテープで封をしている。
雑品置きからはさみを出して封筒にあて、ジョキジョキと切ってゆく。
中に入っていたのは二枚のCD-Rとファイル、それに少し小さめの箱だった。
とりあえず「物」を観察してみる。
CD-Rにはそれぞれ、1、2と番号だけがふっていて、ほかには何もかかれていない。
よく市販されているCD-Rで特別製というわけでもなさそうだ。
次は箱。
手のひら大より少し大きいくらいの箱で、筆箱みたいな形をしていて、白い色。
ひとつだけ小さな穴、シャーペンの芯程度の穴があいているだけだ。
その他を良く見てみたけれども、おかしなことにどこにも継ぎ目が見当たらなく、
くるくると様々な角度から見てみたけれど、つるつるの表面には小さな穴がひとつあるだけだ。
単なる箱。。。にしてはどうもおかしい。
軽く振っても音がしない、が、中に何か入っているのは重さでなんとなくわかる。
「うーん。」
まあ、わからないものは次、次。
次は書類が挟まったファイルだ。
どうやら日本語で書いてあるみたいだ、よかった。
書類の表紙はオマエモナーとギコ猫の可愛らしいAA(アスキーアート)がプリントされている。
こんなところになんとなくひろゆ子の女性らしさを感じてしまうのは男女差別だろうか?
まあ、いい、こんなときに男女差別について論じようとは思わない。
再びタバコに火をつけて表紙をめくると、こんな文章が目に飛び込んできた。
==[ ラウンジプロジェクト ]==
〜注意〜
先に述べておくが、この文章は用済み後、ただちに焼却されたい。
この書類にかかれていることはすべて極秘のものとし、ひろゆき、
もしくはひろゆ子の指示無く外部・2ちゃんねるに漏洩・もしくは書き込みすることはかたく禁じるものとする。
これはプロ固定・プロ名無し間における情報の交換、漏洩も同時に禁止するものとする。
なお、この上記に関して万が一守られなかった場合は、プロ固定・プロ名無しの地位を剥奪するだけではなく
その命を脅かすものになるであろうことをここに付け加えておく。(詳細は→79P)……
つづく
とりあえずここまでです。
まとめて書いた分をアプし終わったら最後に「つづく」と書くようにします。
あ、あと>>〜とかも次から書くようにしないとな。。。
次のアプ予定は木曜ぐらいになりそうです。
それまでネットに接続できないので。
気が向いたら保守をよろしくお願いします。
39 :
なつぱむ@:2001/08/05(日) 23:00 ID:???
即ホシュ
餅んとこからこっちに来ました
餅休筆中の間はこっちで楽しめそう ヾ(゚∀゚)ノ ワーイ
ブクマクしたよ ガバテカイテネー
>>39 おお、すばやい保守ありがとうです。
期待にそえるよう、頑張ります。
一応、このスレはあげるも下げるも好きにしてください。
おれは下げでしか書き込まないとおもいますが。(笑
この調子で餅→大家→餅→大家・・・と続けていったら暇しないなあ保守
何はともあれ期待
ホシュホシュ
43 :
:2001/08/06(月) 06:30 ID:???
キャッチャー
>>44 うむ、おもろい。
ひょっとして餅の方で捕手と書いてた奴か?
餅さんとこから来たーよ。
楽しみに待ってるヨ続き。
うむうむ。
ネットに接続できないと昨日言っておきながらも今日もつなげていたりして。(笑
明日は完全に書き込みできない状態ですので重ねてマターリと保守お願いです。
>>41 餅次第ですね、それ(笑
>>42-43
ホシュアリガトウヽ(´ー`)ノ
>>44>>47 キャッチャーかよ!(゚Д゚)
でも保守ありがとう。
>>45 保守ありがとう。愛してる。(ワラ
>>46 これからどうなるのか楽しみにしてくださいな。
>>48 保守ありがとう。
いつぞやの5作の小説を見てみたいのだけど見つからないよ。
50 :
:2001/08/07(火) 01:08 ID:???
51 :
:2001/08/07(火) 06:41 ID:???
|
|_Å
ー゚*) <モッチーノトコカラキマシタ、タノシミニシテマスホシュ。
⊂|
| 〇
|∪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
明日に期待sage
こうゆう、ミステリアスな作品って好きだな。
55 :
なつぱむ@:2001/08/07(火) 21:56 ID:???
( ・∀・)y−~~~ ゲンキニホシュ ハーダリィ
読み応えありますね~~┗──ο(´c_` )
57 :
:2001/08/08(水) 06:55 ID:???
ホシュ
(゚∀゚)ホシュ!
60 :
:2001/08/08(水) 20:45 ID:???
61 :
なつぱむ@:2001/08/09(木) 01:21 ID:???
( ・∀・)y−~~~ コマメニホシュ
62 :
:2001/08/09(木) 06:27 ID:???
保守人さん、ありがとうです。
今日中には少しでも続きをあぷします。
期待保守
大家頑張れホシュ
>>36から
∧∧∧9∧∧∧
寝覚めは悪かった。
体が重く、体を起こすのがとてもつらかった。
時計をみると、もう13時を過ぎている。
どうやら列車の音に気が付かないくらいに熟睡していたらしい。
今日も蒸し暑い。
うっかり昨日、寝るときに少しだけ窓を開けておくことを忘れてしまっていて、
部屋の中は熱気と湿気に支配されていた。
泥の中から這い出るようにのろのろと布団から出てみると、
どうやら昨日そのままの格好で寝てしまったらしく汗でしっとりと濡れている。
服を脱ぎ捨て、トランクス一丁の姿で窓際に向かい、窓を開ける。
窓を開けてもほとんど変わらなかったが、
それでも多少風が入ってくるので気がまぎれた。
手元にあったタバコに火をつけ、ゆっくりと吸う。
なんだかこの部屋に違和感を覚えた。
別に感覚のするどさは人並みかそれ以下だし、空気を読まないでレスをつけまくって
スレを潰してしまったことなど多々ある…
いや、そんな話しではなくて、この部屋のことだ。
普段どおりに変わらない部屋。
でも、何かおかしい。
いつも使っているパソコン、満杯になりつつある灰皿、
昨日、買い物するのを忘れていた為にほとんど空っぽになっている冷蔵庫…
部屋の中はいつもどおりで、何もかわっていなかった。
だとしたらこの、誰かに見られているような感じはどこからくるのだろうか。
ふと、外をみてみると、茂名商店のシャッターが降りていた。
あそこは確か盆と正月以外は休まないはずだ。
ああ、違和感はこれだったのか。
風邪でも引いたのだろうか?
あとでお見舞いに行ってみよう。
つづく
つかれたので一休み。
もう、やめれば
頑張れ大家。野次に負けるな。
71 :
なつぱむ@:2001/08/09(木) 23:50 ID:???
( ・∀・)y−~~~ モナショウテンドキドキホシュ
72 :
:2001/08/10(金) 05:54 ID:???
|_Å
ー゚*) <ドキガムネムネホシュ
⊂|
| 〇
|∪
 ̄ ̄ ̄ ̄
保守。
今日は書き込みできません。
ごめんなさい。
保守してくれている人たち、アリガトウです。。。
みっけ(^^)
77 :
なつぱむ@:2001/08/10(金) 23:29 ID:???
( ・∀・)y−~~~ マターリイコウヨ ホシュ
|_Å
ー゚*) <オヤスミホシュ
⊂|
| 〇
|∪
 ̄ ̄ ̄ ̄
お疲れっす
80 :
:2001/08/11(土) 04:37 ID:???
81 :
:2001/08/11(土) 10:02 ID:???
今日も暑いにゃ。
<<<<<10>>>>>
シャッターが降りている。
鍵でもなければ開けることは不可能だろう。
あいにく僕は鍵を持っていない、当然といえば当然なのだが。
「お婆さん!お婆さん!!」ガンガンとシャッターをたたくが反応がない。
旅行とかに行く場合などは、いつも張り紙をしているのにそれは張ってなかった。
ということは家の中にいるのだ。
もしかして病気で寝込んでいるのだろうか…それとも…もう…
いやいや、なんでも物事を悪いほうに考えるのは良くない。
きっと風邪なのだ。
そう思い直し、僕は壁にそってぐるっと裏口のほうへ回った。
木の板でできた扉があった。
そっと押してみると音もなくスッとそれは開いた。
身を滑り込ませるようにして中へと入り、そっと扉を閉めようとした。
ギギ…キィィィィィィィィイイイィィィィ…
心臓が止まりそうになった。
思い出した。この扉は閉めるときだけこんな風に嫌な音をさせるのだ。
当然家の中にも聞こえただろう、お婆さんはびっくりしてポックリ逝ったりしなかっただろうか?
死ななかったにしても確実にお婆さんの余命を縮めたに違いない。
いや、いまはそんな不謹慎なことをいっている場合ではない。
お婆さんの安否を確認しないと。
茂名商店は一般的な日本家屋で、小さいながらもちゃんと庭がついている。
サ○エさんの家を想像していただければなんとなくわかっていただけるだろう。
縁側の雨戸はすべてしまっていた。
そのままその前を素通りして庭の奥のほうへ進むと勝手口をみつけた。
ここから台所へと入るのだ。
ところで、どうして僕がここの間取りに詳しいのかというと、子供の頃によく入り浸っていたからである。
別に泥棒に入ったわけでもなんでもない。
勝手口の前に立ち、ノックをしようと手をドアにあてる。
その瞬間、庭のほうから
ギギ…キィィィィィィィィイイイィィィィ…
つづく
餅やラウンジの話から少し遠ざかってしまいましたな。
でもちゃんと最後には繋がるようになっているので…
イイ!保守
88 :
餅:2001/08/11(土) 22:57 ID:???
がんばれ
暇職人のあのサイトに、まとめてあぷしてもらえるといいな
89 :
:2001/08/12(日) 02:25 ID:???
(*゜Θ゜)|<ポリッピー☆モ オオヤサンノショウセツ(●´ー`●)ダイスキナノー!!<≡*´∀`)ノ バビューン
ノ| |ヽ・ |
ゝヽ |
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ふむむ
/  ̄ ⌒ 丶 / ̄ ̄ ̄ ̄
_ - / \ | ・・・・・・・!?
/::::::::::;;;;;) /ヘ /⌒\ 丶∠_____
(:::::/;;::::::;;;;;;) | へ : /___ ト〜 ー _
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/:::::::::(;;;:::::);;;::く |⌒~/R;;: ::::;;;;;リ /∂| ):〜─ _ / \ ̄ ヽ
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)::::::;;;;し::::::::::;;;;;;;ノ | | ヘ 丿 rこノ~ノ⌒ー _;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ::Y \
し;:::::::::;;;;;;;;::::);;;;;;;;;;) y し〜⌒〜、/:: r |;;;: \ ;:: |:| 〜 _ \ \
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(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
おおお、知らない間に足切りがあったのかな?
保守してくれた人に感謝です。
>>87 (●´ー`●)ノありがと!
頑張るよ。
>>88 そうだね、まずはそれが第一の目標だなぁヽ(´ー`)ノ
>>89 ヽ(´ー`)ノ ありがd
>>90 バビューン≡≡(゚Д゚) アリガトー
>>91 トリップしながらの保守、サンクスです。
>>92 謎がまだまだあるけれど、うまくまとめてみますです。
>>93 亀仙人!
あげてくれてありがとう!
あげてくれなかったらdat落ちしたかもしれなかったよ。。。
と、いうわけで書き込んだあとは定期あげをしようと思ってます。
最初といったことと違うけど、まず第一にdat落ちは避けたいので。
今夜中か明日には続きをあぷしようと思います。
95 :
:2001/08/12(日) 23:37 ID:???
亀仙人、どうせなら全身(無理だけど
騙りも出ないのにキャプ付けてんじゃねーよ!
と、言われないように俺が騙っておいてやろう。
そう、俺は優しいんだ。
97 :
大家:2001/08/13(月) 00:53 ID:???
ちんこ
98 :
大家:2001/08/13(月) 00:53 ID:???
(゚Д゚)y─┛~~
ところで、
キャップを付けているのは本物 は基本的に常に成り立つが
キャップを付けていないのは偽者 は常に成立するわけではない
俺の読みだと
>>97-98は本物。
つか、それっぽいべ?
100 :
100:2001/08/13(月) 00:56 ID:???
ついでに100ゲットしとこうっと(●´ー`●)
>>95 顔文字板で頼むべきだと思うのだけど…。
>>96-98
うわぁあぁああ、騙られているよ…(゚Д゚)y─┛~~~
>>99 確かに。
と、いうか
>>96-99は同一人物だと思われ。
と、マジレスをしておこう。
ちんこ。
>>100 おめでとさんヽ(´ー`)ノ
103 :
:2001/08/13(月) 02:36 ID:???
了解!
105 :
:2001/08/13(月) 07:23 ID:???
|_Å
ー゚*) <ホケンスレ、オキニイリニイレマシタホシュ
⊂|
| 〇
|∪
 ̄ ̄ ̄ ̄