1 :
ID付き名無しさん :
先日仕事で出張した。
空港には修学旅行らしき学生が大勢地べたに座っている。
引率の先生が何やらしおりを掲げて喋っている。
体育座りの真面目そうな生徒、後ろを向いてくっちゃべってる生徒。。
懐かしい。
記憶の引き出しがそっと開かれる・・・・
2 :
ID付き名無しさん : 2000/11/01(水) 12:35 ID:aSgrl/vk
あれは中学の修学旅行のことだった。
ホテルに入った後、飯の前に皆で風呂に入った。
K川はノゾキに必死だ。
なんとか女風呂が見えないかと尻の穴丸出しで這いつくばっている。
S藤は頭を洗う俺の背後からシャンプーを注ぎ足している。
いつまでも消えない泡。
気付いた俺はボディソープで仕返しに余念が無い。
周囲を巻き込み騒動は拡大する。
容器に小便を入れようと画策する奴も現れる始末。
どうでも良かった馬鹿騒ぎが今となっては輝いている。
3 :
ID付き名無しさん : 2000/11/01(水) 12:37 ID:aSgrl/vk
風呂からあがってひとしきり落ち着いた後、女子が俺を廊下へ呼び出す。
薄々感づいているが素知らぬ振りを決め込む自分。
誘われるがままに非常階段の踊り場へ行くと一人の女子が待っていた。
彼女には手紙やチョコをもらったことがある。
意識はしていた。しかし、無視していた。
彼女の気持ちを知りながら、俺はそれに応える術を知らなかった。
思春期独特の青いニヒリズム。
4 :
ID付き名無しさん : 2000/11/01(水) 12:38 ID:aSgrl/vk
異様な静けさが空間を支配する。
研ぎ澄まされる感覚。
耳は蛍光燈の微細な発振音を捕らえるほど鋭敏だ。
自分のものなのか、彼女のものなのか、早まる鼓動が聞こえる。
重々しく頭を垂れた洗いざらしの髪が一瞬揺れた。
5 :
ID付き名無しさん : 2000/11/01(水) 12:39 ID:aSgrl/vk
堰を切ったように矢継ぎ早に言葉を繰り出す彼女。
取り留めも無い、興味をそそられることもない空虚な内容。
彼女の頬はやや赤みを帯び、視点は宙を泳ぎ定まらない。
何やら理解し難い感情が込み上げる。
中空に漂う不安定な物体を手に取り、自分の内なる空間へと取り込んでしまいたい。
どこから現れるのか、映像が浮かぶ。
彼女の肩に右手を乗せ。左手は頭を抱き。自らに引き寄せる・・・
6 :
ID付き名無しさん : 2000/11/01(水) 12:40 ID:aSgrl/vk
刹那、彼女の言葉が止まった。
一瞬の沈黙。
彼女は顎を心持ち上げた。
唇は硬く結ばれ、瞳は潤んでいる。
リップでも塗っているのだろうか、ほんのり色付いた唇が微かに動く。
7 :
ID付き名無しさん : 2000/11/01(水) 12:41 ID:aSgrl/vk
「ゴクリ。」
周囲に響き渡るほどの音に感じた。
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「ご、ゴメン、みんな部屋で待ってっから。じゃ」
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なぜあんな言葉が口を衝いたのだろう。
しかし、今は理解出来る気がする。
搭乗ロビーに向かう俺の顔はさぞやニヤけていた事だろう。
(尾張)
8 :
梅屋 : 2000/11/01(水) 12:46 ID:???
・・・で、その娘とはその後どうなったんですか?
9 :
大家 : 2000/11/01(水) 12:47 ID:9bXQ/JeQ
(○ ̄ー ̄○)…。
10 :
ID付き名無しさん : 2000/11/01(水) 12:54 ID:4qL1uLeQ
春樹ファンの人ですか?
11 :
キリモミ紳士 :
>>10 昼休みにツラツラと書いた創作だけど似てます?
っていうか「春樹」って誰?