中嶋日記 その10「越後落城」
『ほぅー、ずいぶんな年季の入ったもんをお持ちですなぁ』
まだ一斉までには時間のある1581年4月、越後の商店の一角で、
私は武器屋のおやじと和やかに談笑していた。
ニュー速時代の恩師・改田さんの「武特以外は攻城兵器を」の教えを守り、
戦闘に出るたび、投石器を担いで50年。いざ城壁に直面したときに
発動するのかどうかが心配になったのでおやじに鑑定してもらっていた。
武器屋のおやじは私の投石器をいとおしそうに撫でながらこう言った。
『型式は古いがね、発動は問題ないよ、だがね・・・』
おやじは含みを持たせた言い方でこう続けた。
『これが発動するとかしないとかは全部ふぁら頼みなんだよ』
私はおやじのこういうはっきりした物言いが好きだった。おやじはさらに続けた。
『運は怖いよ、特に人数が増えてくるとね。雪崩のように城壁まで届くことがある』
私が「冗談でしょう」とばかりに笑いながら聞いていると、突然おやじの表情が変わった。
『出て行け!おまえとは取引する気はない、売りもしないし、買いもしない!』
突然のすずめ的な発作に私は仰天したが、おやじの形相を見てすべてを悟った。
「この目、この態度・・・敵地の武器屋!」
私は慌てて店から出た。ログは真っ青、空は真っ赤。越後はロッソ軍の手に落ちていた。
押されても頑張る国宛スクリプト・倭猛が叫ぶ。「陸奥に引いて、出羽に守備入れを!」
サライを歌いだそうとする者、脱力する者、鍛錬に切り替える者、
さまざまな人間模様を乗せたバスが、まだ肌寒い4月の陸奥へと向かう。
無言のバスの中、誰かが窓の外を見てぽつりとつぶやく。
「なんでこいつまでついて来るんだ・・・?」
潮だな(爆)も急いで陸奥へと移動した。
●【支配】[1581年04月]ロッソストラーダ軍の舞華は越後を支配しました。