中嶋日記 その5「開戦」
『たっぷりかわいがってあげる』
ドイツ製の下着を食い込ませながら花魁・ありんこが意味深な布告を返す。
夏真っ盛りの1570年7月、ついにロッソストラーダ軍との戦争がはじまった。
『暑いですね』という挨拶が、越後の合言葉になっていた。
確かに街は暑かった、厳密に言えば「熱」かった。
『何でこんなに燃えるんでしょう?』
「城壁見ました?8割近く燃えてましたよ」
『そんなに燃えるわけないでしょう、守備が紙だから城壁に届いたんでしょう?』
「本当ですって、守備は50枚近くあったのに城壁は3000でしたわ」
『そういえば、異邦人が来てから不審火が多くなったわね』
「Kevinさんのことかしら?』街の話題も、失火の噂でもちきりだった。
一方、私は依然として忠誠値が戻らずもやもやとした日々を過ごすことが多かった。
効率を考えるなら、開戦後もオール訓練がベストなのだが、人の目はそれを許さない。
ある程度は指令に従わないと送金に関わってくる、外様経験の多い武将なら常識だろう。
街を歩いていると、懐かしい武将に出会った。
「ふふんさんじゃないですか?」
『どちらさんで?』
「ニュー速でご一緒した中嶋です」
彼もまたエース級の才能を持ちながら、送金に恵まれず名前の売れてない武将の一人だった。
「ラウンジには本間さんやランカさんがいます、たくさん貰えるといいですね」
『一斉中に訓練ループしないように心がけます』
ふふんさんは苦笑しながら、怪物王女のDVDを小脇に抱え歩いていった。
『鉄なのになんで燃えるんだろ』
帰り道、鉄盾を再建設しながらそうつぶやく三角形さんの背中に、軽く頭を下げて帰途に着いた。
●【焼き討ち】ラウンジ再生省国の越後の街が燃えています!(25日0時6分)