中嶋日記 その3「高級兵」
統特は金だ、金がすべてだ。
武特は鍛錬で計略Pを稼ぎ、統特は高級兵で計略Pをひねり出す。
私にも自慢できることがひとつだけあった。
それは送金限度額が80万もあるということだ。
計略P的にも決して優秀じゃない私が、唯一、今後を楽しめるとすれば
この送金限度額と貢献値を活かした高級兵の数勝負。
どんなに相手が強くとも2000人オーバーの兵士相手なら無傷で抜けやしない。
嫌がらせこそゲームの愉しみ、楽しそうに話す猫神の顔を思い浮かべた。
だが現実は過酷だった。
ラウンジから送られてきた送金の明細書。
そこにはこう記されていた。
『金8万を譲与します。』
待って欲しい、わたしが雑賀衆を一度徴兵すると5万が飛ぶのだ。
80万ある枠をもっと考慮すべきではないか。
本間さんに、PC−Xのアドレスを送ろうと思ったが思い直す。
送金枠をあるだけ全部欲しいなんて、いつぞやの大物の発想だ。
軽く頭を冷やすため、近所の茶屋に入りいちばん安い飲み物を注文した。
『おまたせしました、あやしいお茶です』
某策士が私にこう囁く。
『統率で必死に遊ぶ時代なんて終わったんです、彼女を作って武特放置ですよ。』
童貞を卒業した凡将の表情は、確かにランカーときより輝いていた。
茶を飲み干すと同時に、仕官→継承で忠誠値が開戦までに100どころか
65にすら怪しいことに気づく。踏んだり蹴ったりの1566年8月を終えた。
●本間宗久から資金80000譲与されました。(24日8時28分)