せいじか日記 その7(最終話)
越後本陣には軍事からの激しい攻撃が続いていた。
期待した岩代への総攻撃も、戻ってくる平武将たちの打ちのめされた姿、
上層の半ば諦めた口調を聞けばそれはわかる。政治家部で見てきた光景だ。
まもなく越後は落ちた。
だが能登と加賀はまだある。
しかし君主の桜館は早々と自決をしたようだった。
遠くから「能登バスに乗れ!」という声が聞こえてきた。
赤く染まる越後を見ながら、ぼんやりとした頭で乗り込むと、今度は怒号が聞こえてきた。
「能登の兵糧がない!自動バスは動かない!」
私の市況での半生は何だったのだろう。
伊豆からほうほうの体で逃げ出し、登用文も持たずに市況に仕官し、
燃えさかる甲斐を見捨て、大筒を諦めたあの日の夕暮れ・・・
そして今、織田に何の報復もすることなく、再び追い詰められている。
悔しい。また軍事に・・・織田に・・・無能に・・・やられる・・・。
悔しさと疲労で身を伏していると、背中をポンと叩く音がした。
振り返って眺めるが逆光のせいでよく見えない。
私は相手が誰だかわからなかったが、確かにこう言った記憶がある。
「織田にやられるのは悔しい、どうかあなたの手で能登を介錯してほしい・・・」
それから数分後、能登の方角からセルの悲鳴と「マンコス^^」という声が聞こえてきた。
ありがとう・・・私は安堵と共に深い眠りについた。