指を抜き、胸への愛撫も止めると、切なそうな色を浮かべた瞳が咎めるように真田に向けられた。
「止めて欲しかったのだろう」
「違う・・・そうじゃ、なくて・・・」
「なんだ?」
目の前にある火照った耳に口唇で触れながら問いかける。
「止めて欲しいんじゃなくて、ただ・・・」
「湯の中では嫌なのか?」
細い首がこくりと頷く。
「では、そこへ四つん這いになれ」
目で洗い場を示し、そう命じる。
「え?」
「して欲しいのだろう?だったら言う通りにしろ」
「そんな・・・」
そんなことは出来ないと、幸村は強く首を振る。
「いいのか?このままで。欲しがっているのではないのか?お前の身体は」
再び入り口を指先で撫でる。
「ん・・・」
悔しそうに真田を睨んだ幸村は、観念したようにざばりと湯船から立ち上がると洗い場に足を下ろした。