実は俺にも拉致監禁の苦い過去がある
決して償いきれない過去だろう。
許してもらえるとも思ってはいないが…
とても暑い日が続いていた…
やはり俺も始まりは
とてもとても甘い誘いだった。
昔から甘い誘いにのる奴らは後を絶たない・・・
はじめはほんの遊び心だった。
誘いに乗ったのは
一組のカップルだった。
今となっては、そのカップルが本当に恋人同士だったのか
はたまたそこまでの関係ではなかったのか
思い出せない
いや、思い出すことを拒否しているのかもしれない…
彼等は
死んだ
彼等と接触した時、都合の良いことに人気は全くなかった。
俺は仲間といっしょに
彼等を有無も言わせず車に押し込みつれ去った…
あっという間の出来事
蝉の鳴き声がみょうにうるさかった…
まわりの住民に見つからぬよう部屋に帰った俺達の
カップルに対する仕打ちは凄惨を極めたといっても良いだろう…
これ以上は書いても良いものかどうか…
あぁ… なんてことをしてしまったんだ
そのときの俺たちは
まさに理性というものを失っていたとしか思えない…
俺達はそのカップルをどついたり、弄り回したりすることに飽きたらず
男をいやがる女にむりやり性交渉をするように迫った。
もちろんそれだけではおもしろくないと判断したのだろう…
女には、逃げ切れれば自由にしてやるとの嘘の約束をした…
男には、最後までやりきり仲田氏をしれば自由にしてやってもよい
という極悪非道な条件だった。
俺達は狂喜乱舞だった
襲いかかる男 必死で逃げる女
…
もちろん女が逃げ切れるはずもない
執拗に俺達に小突き回され、無理遣り男の元に戻される。
男もその極限状態の中まさに野生の獣のように襲いかかる…
自由になれる
信じていたのだろうか
結局女は何度も犯され、男はぼろぼろになるまで俺達に弄ばれ
憔悴していった・・・
女は孕んでいたかもしれない
そんな狂喜乱舞も長くは続かなかった。
俺達はすでに監禁していることに飽きてきていた。
いや存在自体を忘れかけていたといっても過言ではない。
何しろ食事も最低限 いや… 水分のみで生活を永らえさせていたのかもしれない
しだいに俺達は奴らを邪魔だと思い始めた。
仲間の中には既に完全に存在を忘れているものもいて
日々の食事を与えることすら怠っていた
あぁ…
やはり書かなければよかったのかもしれない…
終わりは唐突に訪れた…
拉致監禁し、散々すきなことをしてきたが、今後一体どうしたらいいのか?
まずいんじゃないか・・・
そんな思いも手伝い、奴らの始末を考え出したある寒い朝
寄り添うように死んでいた。
おそらく死因は栄養失調が凍死だろう…
そんなことまで俺はしりたくなかった…
逃げ出したかった。後悔した。恐くなった。あやまりたかった・・・
もうこれ以上は話す必要もないだろうが
俺は奴らの屍体を
庭に
埋めた