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あれは俺が小学生のとき、そう、ちょうど今ぐらいの時期だったよ。
春の遠足だかなんだかで俺たちは近所の国立公園まで
みんなして出かけていったんだ。
いい天気だったな。春の匂い、温まってほぐれてきた土の匂いを覚えてるな。
昼飯時のこと。
レジャーシートを並べて敷いて、みんなで車座になって弁当を食べてた。
そのときに誰かが言い出したんだ。
「ここの地面、いい匂いがする」
俺も嗅いでみたよ。
今になって思うと、直前に誰かが芳香剤か何かを落としたんだろうね、
そんな匂いが地面からしていた。
それをみんなで代わりばんこに嗅いでいた。
なんていう名前だったかな?
そうそう、タニウチだ。
地面にうつ伏せになって嗅いでいた、そのタニウチが突然起き上がったんだ。
ものすごい勢いで。
貧血で倒れたところを逆回転で再生したみたい。
タニウチは何かを訴えていた。
だけど言葉にならないんだよ。
「アウアウ」とか「フガフガ」としか聞こえない。
どうしたの?と聞こうとした時、タニウチがこっちを振り返った。
もう夏だよ
最初は鼻水かな?と思ったんだ。
でもそれにしてははっきりしてる。
それに長い。
なんだろう?
俺はよく見てみたよ。
ミミズだった。
体長20センチぐらいのミミズを、タニウチは吸い込んでしまったんだ。
すごい勢いで息を吸ったんだろうな。
その上、鼻と口は繋がってるだろ。
鼻の奥から上あごを通って口に抜けたんだ。
頭と尻の両方が鼻と口から出てる状態。
ミミズの頭と尻が。
もちろん生きたままのやつ。
タニウチは必死で俺らに助けを求めてくる。
ヒステリー状態だ。
ミミズのほうも多分そうだったんじゃないかな。
タニウチの鼻と口からぶら下がって、ものすごい勢いでのた打ち回ってたよ。
俺らはもうパニック。
口々に何かわめいて、タニウチから逃げ回ってた。
そのうち先生が来たんだけど、
これがまた卒業したての女の先生。しかも結構美人。
虫も殺しそうに無い。ましてミミズなんか殺すもんか。
そこに鼻と口からミミズをぶら下げたタニウチが猛チャージ。
先生は半狂乱。
そんな思い出でした。
1さぁ、面白いことは面白いんだけどそれだけのために立てちゃったの?
オエー