>>1へ 春も終わりに近づいた、ある晴れた日のこと。いつもみたいに犬の散歩で公園の中を歩いていたんだ。
ふとベンチに目をやると、スーツに眼鏡の一見サラリーマン風の男が、ノートパソコンを膝の上に置いて薄笑いを浮かべていた。
僕は、気持ち悪いなと思いながらもちょっと興味が湧き、その男の背に回った。男はパソコンに夢中で僕には気づいていないようだった。
ソーっと画面を覗き込むと、なんだか文字がいっぱいの異様なものだった。男はそれを凝視しながら、右手中指でF5ボタンを押し続けていた。そしてたまにその文字群の一つをクリックして、出てくるインターネット掲示板のようなものを見てまた薄笑いを浮かべるんだ。
少しだけ見えたその掲示板の内容は、僕をゾッとさせた・・。「氏ね」「糞スレたてんな」「逝ってよし」訳がわからない・・。しかし
誹謗中傷の言葉であることはわかった。そんな言葉を見てこの男は笑ってるんだ。正気じゃない。僕はそう思った。
僕はそそくさとその場を離れ、そのまま家に帰った。
それから時が経ったある日、自宅のパソコンでインターネットを利用していると、「2ちゃんねる」というサイトに行き着いた。
そこを開いてみると、あの時の光景が目の前によみがえった。とても鮮明に。
そこにはあの時見たような雰囲気を孕んだ言葉の数々が使われ、僕には到底わからなかった。
しかし、「糞スレ立てんな」この意味は解ったんだ。この言葉を向けられたものは決まって
内容や脈絡のない、意味の解らないものだった。それに対する誹謗なのだろう。
こういったものを立てる人は、きっとあの時のサラリーマンのように、正直言って薄気味悪い笑みを浮かべているのだろう。
「氏ね」「逝ってよし」、快感なんだろう?でも、おかしいよ。みんなのいる明るい場所へ出てもう一度考えてみて。自分が今なにをするべきか。
この世はいろんな人が協力し合って一つになっているんだ。君もその一員だよ。それを忘れちゃダメだ。
少なくとも「氏ね」なんて言葉はもう必要ないはず。もっと他にやるべきことがあるはずさ。君は、きっとやり直せるから・・。
・・・もうこのスレは必要ないよね?じゃあ、もう終わろうか。
では君の幸福を祈りつつ・・・ −終了−