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1． 治安情勢

　(1) トルクメニスタンにおいては、今日まで大きなテロ事件は発生しておらず、治安状況も比較的安定しています。
　 　また、これまでのところ、テロ活動に参加したり、資金面等で支援してきた人物がトルクメニスタン政府によって摘発
　　 されたことも確認されていません。
　
　(2) 一方、トルクメニスタンは、イラン、アフガニスタン、カザフスタン及びウズベキスタンと国境を接しており、現下の
　 　不安定なイラク情勢、アフガニスタン情勢、及びウズベキスタン・イスラム運動（ＩＭＵ）の影響等を鑑みれば、テロが
　　トルクメニスタンに「飛び火」する可能性は否定されません。


2． 政治情勢

　(1) トルクメニスタンは、１９９１年に独立した国で、独立以来の大統領であるニヤゾフ大統領は、ナショナリズム、
　 　イスラムを梃子に、豊かな天然資源（天然ガス）による経済の安定を国民に保証することで権力基盤を強化し、
　　 三権を実質的に掌握して権威主義体制を確立させています。この体制のもとで、国内の政治状況も比較的安定しています。
　
　(2)　しかし、２００２年以降、経済情勢の悪化及び大統領の神格化への反発等を理由とした反政府活動が活発化しており、
　　　 それに対して政権側は締め付けを強化しています。同年１１月２５日には、首都アシガバットにおいてニヤゾフ大統領
　　 　暗殺未遂事件が発生しましたが、当局側は犯行をシフムラードフ元外相を中心とした反政府側によるものであると断定し、
　　　１２月末に同人を逮捕するという事態となりました。

　(3) トルクメニスタンは、憲法にも規定されている通り「積極的中立」と呼ぶ中立政策を標榜し、近隣諸国を中心に全ての国との
　　　協力関係の確立を外交のコンセプトとしています。１９９５年１２月の国連総会においては、「永世中立国」としての地位が
　　　認められました。また、２００１年９月１１日の米国でのテロ事件以降、米国の対テロ制作にも協力しています。