玉吸い

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1名無しさん?
玉子の吸い物って美味しいよね。
2名無しさん?:03/08/13 00:07 ID:???
◆桜井健一郎がフェラチオをされている途中に人をはねる→現在は知らん顔してアナウンサーとして活躍中
3名無しさん?:03/08/13 00:07 ID:???
 
4名無しさん?:03/08/13 00:07 ID:???
俺が2だぜカス共
5名無しさん?:03/08/13 00:08 ID:???
金玉を口の中に含んで思いっきり歯でちぎるように引っぱると面白い
6あひるちゃん ◆p5Mf2z8izw :03/08/13 00:08 ID:???
たますいっておいしいよね。
7名無しさん?:03/08/13 00:08 ID:???
>>4
もうちょっと工夫しろよ。。。
8名無しさん?:03/08/13 00:08 ID:???
>>6
トリップ変えた?
9名無しさん?:03/08/13 00:09 ID:???
>>7
ごめんなさい
俺が悪うございました
これでいいだろ?
10▼=´ω`y━┛。ο○海 ◆Kveoxyl9RE :03/08/13 00:12 ID:ZjYltx4g
あー
うなぎくってないし
給料日にはうなぎだな
肝吸いもよし
11名無しさん?:03/08/13 00:12 ID:???
>>9
そんなに卑屈になるなよ。。。
間が悪かっただけさ
12名無しさん?:03/08/13 00:15 ID:???
>>11
オレも怒ってスマンカッタ
13名無しさん?:03/08/13 00:35 ID:???
肉吸い食いたい(´・ω・`)
14名無しさん?:03/08/15 07:39 ID:???
|ω・`) コソーリ・・・
15名無しさん?:03/08/15 07:40 ID:???
|ω・`) 誰モイナイナラノットルヨー
16名無しさん?:03/08/15 09:58 ID:???
(`・ω・´)誰モイナイヨウナノデノットリマス!!
17名無しさん?:03/08/15 10:03 ID:???
(´∀`)乗っ取りハケーン 何のスレにするの? 日記か雑談?
18山崎 渉:03/08/15 10:07 ID:???
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
19名無しさん?:03/08/15 10:20 ID:???
ぐはぁっ!いつの間にか見つけられてしまった。。。
20名無しさん?:03/08/15 10:22 ID:???
とりあえず自作っていうか二次創作っていうか
まぁともかくこの夏休みを利用して小説を書いていこうかなと・・・
21名無しさん?:03/08/15 10:25 ID:???
そんなわけでもう書き終わってる部分だけ貼っります
221/14:03/08/15 10:27 ID:???
「そろそろ俺行くわ」
靴を履き、俺は目の前のドアノブに手をかけた。
「いってらっしゃい、王様に粗相のないようにね」
「わかってる」
振り返り応える。
そこにあるのは今までずっと見てきたおかんの笑顔。
「それと・・・ちゃんと元気な姿で帰ってなさいよ、その時はお母さん腕によりをかけてあんたの好物作ってあげるから」
「ああ・・・じゃ、行ってくる」

――バタン
232/14:03/08/15 10:27 ID:???
おかんに見送られんのもこれが最後か・・・
改めて、今まで慣れ親しんできた我が家と向き合う。
心地良い風が俺を包み流れていく。
道端の花が風が流れるままに小さくその身を揺らしていた。
いつもと変わらぬ朝。
そしていつもと変わらぬ、いや、いつも以上の優しい笑顔で俺の旅立ちを見送ってくれたおかん。
「今まで育ててくれてありがとうな・・・おかん」
俺はその場に佇み今までの生活をしばし懐かしんだ。
数分間の沈黙の後。
何かを振り払うように首を振り、気合を入れ、
生まれ育った場所を背に、
これから始まるであろう試練の道を俺は歩き出した。
243/14:03/08/15 10:28 ID:???

アリアハンの朝は早い。
早朝だろうと何だろうと、この街は朝がくれば即座にその機能を完全に取り戻すらしい。
見ると、立ち並ぶ喫茶店や八百屋などの店は当然のようにいつも通りの営業をすでに開始している。
さすがにまだ子供の走り回る姿は無い。
そういう俺も昨日までこの時間はずっと爆睡してたわけだが。
人々の笑顔で満ちた平和な朝の賑わい。
当たり前のようにやってくる平和な毎日。
だが平和な光に照らされている日々があれば、対となる闇の歴史ももちろん存在する。
まぁ、そのときは俺はこの世に生まれる前だったからおかんに聞かされただけの知識しかないが。
254/14:03/08/15 10:28 ID:???

二十年前。
この世界は間違いなく平和だった。
全ての海を統べる海王、大地に広がる大自然のエネルギーの源大精霊、
そして人を生み出した太古の神々の遺産、霊鳥ラーミア。
それらは何百年もそれぞれの領域を統治し、見守り、それぞれの民の神として在り続けてきた。
海は生命を育み、大地は自然に満ち溢れ、地上の生物達はそれぞれの種の繁栄を祈った。
希望が世界を満たしていた。
これからもそれは永久に続いていくのだと誰もが信じて疑わなかった。
そしてその全ては一瞬で崩壊することになる。
海王、大精霊、ラーミアが忽然と姿を消したのだ。
それと同時に動物達はその姿を醜く変貌させ、精霊達はその身を邪気で包み各地のありとあらゆる生物が人間を襲い始めた。
全てが狂っていた。
この異変が後に現代まで語り継がれる「神威」である。
人々は突然の事態に恐怖し、混乱した。
265/14:03/08/15 10:28 ID:???
そりゃそうだ。
今まで共に歩み、共存していた者達が突然自分達を襲い、それまで友好的な関係だった地霊族にすら牙を向けられたのだ。
信じていた奴にいきなり裏切られる。
これで混乱せーへん奴は人間じゃない。
何故神々が姿を消したのか、何故人間以外の種は自分達を襲うのか。
そんな事を考えるほど人類に余裕は無かった。
そんな混沌とした状況の中、今の世を救うべく、勇敢にも立ち上がったのがこの国の先代王位継承者、六代目ククレ=アリアハン王その人である。
それからの経緯はあまり知られていない。
ただ当時、各地から学者や魔術師がアリアハンへ集結していたというのは有名な話だ。
数年後世界は平和になった。
それまでかなり未発達だった魔術機関がついに封魔の結界を開発したのだ
それ以来化け物達は街や村の中へ侵入することがなくなった。
それからと言うもの、人々は異変前と変わらず、平和な毎日を暮らしましたとさ、めでたしめでたし。
ま、要約すると今が平和な分、おかん世代の人達はすんごい苦労してたって事らしい。
その苦労のおかげで今の平和があるってことだ。
感謝感謝。
276/14:03/08/15 10:29 ID:???

「さて、どうすっか」
張り切って家を飛び出してきたのはいいが、王様に会うにはまだ結構な時間がある。
さっきまで時間つぶしにこの辺りをブラブラしていたのだが、それでも15分ほど費やしただけだ。
こんな事なら時間ギリギリまで家で寝てりゃ良かったような気がする・・・
自分の要領の悪さにヘコみ気味の俺を余所に街はいよいよ本格的な賑わいを見せはじめる。
立ち並ぶ朝市。
その店先で怒鳴り散らしながら客を勧誘しているおやじ。
親子連れの買い物客。
仕事場へ急ぐ誰かのおとん。
繰り返される人々の営み。
「平和だな・・・」
近にあったベンチに腰かけポツリ、と誰にともなく呟く。
俺が子供の頃から決して壊れることのなかったこの街の平和。
それは十数年過ぎた今もなお、変わらずこの街に息づいている。
287/14:03/08/15 10:29 ID:???
優しい近所のおばさんがいて、隣に住んでるちょっと怖いおじいちゃんがいて、
たまに内緒でアンパン一個オマケしくれるパン屋さんがあって、
いつも馬鹿騒ぎしてる気の合う友人がいて、
そしておかんがいて。
俺はこの街が大好きだ。
願わくば、そんな何気ない日常がずっと続いて欲しい。
だから、俺は兵になるのを志願・・・
「――ぐぅぅ」
いきなり腹が鳴った。
そういえば今朝起きてからまだ一度も食事とっていない。
張り切り過ぎて朝飯食うのを忘れるなんて我ながらどうかしてる。
これではまるで遠足当日の子供だ。
俺はズボンのポケットに手を入れ、先立つ物の感触を確かめた。
手元からジャラジャラと音がする。
これだけあれば朝飯ぐらい食えるか・・・
ベンチから腰を上げ、辺りを見回してみる。
ほどなく、ここから少し離れた所にある行き付け喫茶店が俺の目に止まった
298/14:03/08/15 10:29 ID:???

「いらしゃいませー・・・ってサオカじゃない、今日はやけに早いわねー」
聞き慣れた声が店内に響く。
客はまだ誰も来ていないらしく席はガラ空きだ。
「うっさいなー、今日は特別な日やからちょっと気合入れてんねや」
いつもの頼む、と言って誰もいないカウンター席に一人腰を下ろした。
俺に話しかけているこの女性店員の名はラナ。
茶色がかった髪は肩の少し上で切り揃えていて、普段着の上にエプロンという簡単な服装。
女性にしては結構身長があって、俺より若干背が高い。
・・・実は俺の片想いの相手だったりする。
「特別な日ねぇ・・・」
少し考えるような素振りを見せ、
「私に愛の告白するつもりだったりして」
ぶぅぅぅ!
「んな訳あるかっ!!」
よりによってなんつー事を言のだこのアマ・・・
おかげで飲みかけていた水を盛大に吹いてしまったでわないか。
「きったないわねー、冗談にきまってるでしょーがまったく」
馬鹿じゃないの?といった表情で俺を見ているラナ。
いや、分かってたんですけどね、冗談なのは・・・ぐすん。
309/14:03/08/15 10:30 ID:???
こいつと俺は俗に言う幼馴染というやつだ。
家が近く、親同士の仲が良かった事もあり小さい頃からよく遊んでいた。
そのせいでこいつの性格は嫌っていうほどよく分かっている。
当時から周りの人間の目には明るくてよく気がつき、礼儀正しいいつも元気な女の子に写っていたのだろうがそれは表の顔である。
他の大人達がその場からいなくならないかぎり、やつは決して本来の姿を見せようとしない。
先程のようなかわいい掛け合いなど、それこそ氷山の一角にすぎないのだ。
・・・いや、よそう。
これ以上昔の事を思い出しても気分が沈むばかりだ。
なんでこんな奴に片想いしてしまってるんだろう・・・我ながら謎である。
近頃はラナも大人になってきたらしく以前ほどこいつの性格は気にならなくなった。
今ではちゃんとした大人同士の会話ができる関係になっている。
・・・と思う・・・多分。
3110/14:03/08/15 10:31 ID:???
「んで、何なのよその特別って?」
見ると、ラナはいつの間にか目玉焼きを作り始めている。
「・・・あのさ、お前王国騎士団って知ってるよな」
「ああ、あの来もしない魔物からこの街を守るために日々無駄な努力に励んでる連中ね。そういえば昨日『入隊を志願するものは明日アリアハン城前に来るべし』とかいう張り紙がそこらじゅうに張られてたけど、あんなとこに入隊するやつなんかほんとにいるのかしら」
いや、そんなミもフタもなく・・・
そりゃ確かに、生まれてこのかた外の魔物が街に入ってくることなんて一回も無かったけどさ・・・
せっかく人がやる気になってんのにそんな出足くじくよーな事言わんでも・・・ぶつぶつ
内心ちょっぴりいじけている俺を余所に、それがどうしたの?と不思議そうな顔で訊いてくるラナ。
う〜む、なんか言い出しにくくなってしまった・・・
ああ、やっぱり今日も今日とてこいつのペースなのかよ(涙
「いや、その・・・なんつーか・・・」
意を決して言葉紡ぐ。
『俺・・・騎士団に入隊したいなーとか思ってんねん』
次の瞬間、俺とラナの声は綺麗に重なっていた。
3211/14:03/08/15 10:31 ID:???
「やっぱしね・・・あんたの考えてることぐらいわかるわよ」
はい、と俺の前に目玉焼きとソーセージの乗った皿を置く彼女。
「悪いかよ、これでもこっちは本気や」
少しいじけながらも応える俺。
「悪いに決まってるじゃない」
「なんでやねん、ラナには別に関係無いやろーが」
そうラナには関係ない。
家族でも、ましてや恋人同士でもないんだから・・・
「何言ってるのよ!関係無い訳ないじゃないのさ!」
「・・・え?」
思わず間の抜けた声を出してしまった。
珍しくラナは怒っている。
いつものようにばっかじゃないの?とか冷たく言われるのを覚悟していた俺にとって、この予想外の反応には戸惑いを隠しきれない。
どくん、と心臓が高鳴る。
もしかしてラナは・・・
「あんたが騎士団なんかに入っちゃったら私・・・」
息を呑んで次の言葉を待つ。
そういえば、彼女の頬が先程から少し赤らんでいるような気がするのは果たして気のせいだろうか。
「金ヅルが一人もいなくなっちゃうじゃないの!」
激しく気のせいだった。
3312/14:03/08/15 10:31 ID:???

突然、何の前ぶれもなく俺の足元に気配が生まれた。
「・・・!?」
―――どんっ
間髪いれず。
その音はとてつもなく重い衝撃と共に俺の股間を貫いていた。
「どあにゅぐぁあああああ!?」
あまりにも突然の出来事に俺は訳も分からず意味不明な悲鳴を上げた。
おそらく誰かに蹴られたのだろう。
俺の下半身は断続的な鈍い痛みを健気に耐え震えている。
ああっ、かわいそうな俺・・・
「ちっくしょー!誰やねん俺の大切なもん蹴り飛ばした奴は!」
俺はにっくき衝撃の源に涙でにじんだ目をやった。
そこに佇んでいたのは見慣れない服を着た一人の少女だった。
こんのガキャァ・・・(泣
3413/14:03/08/15 10:32 ID:???

あの後、俺とラナとの他愛も無い会話はなおも続き、腹がふくれ時間も暇も程よく潰れたところで俺は店を出ることにした。
最後にラナが俺に言ってくれた「がんばれ」の一言は妙に心に響いた。
そんなこともあって気分の良さげな俺が戸口を開け、外に一歩踏み出した瞬間さっきの何の脈絡もない痛恨の一撃である。
「・・・お、じょうちゃん、だめだよ?通りすがりの人をむやみに蹴っちゃ」
こめかみを痙攣させつつ無理やり作り出した笑顔で優しく接する俺。
「・・・あなた・・・さか・・・!」
少女は何故か驚きの表情を見せ、聞き取れないほどの小さな声で何か呟く。
3514/14:03/08/15 10:32 ID:???
少女は何故か驚きの表情を見せ、聞き取れないほどの小さな声で何か呟く。
「ん?なんやて?」
彼女はなおも何かを呟き、
「・・・助けて」
そして今度ははっきりした声が聞こえた。
何かを恐れるように震えた声が。
「どしたんや、誰かにいじめられたんか?」
真剣な少女の表情に俺は真面目に質問する
しかし、通りすがりの俺にこんなこと言うってことは・・・
どうやら今は彼女にとってかなり深刻な状況を迎えているようである。
「・・・あ!」
何かに驚いたような声えを紡ぐ彼女。
見ると目の前の少女の表情はいつの間にか恐怖から困惑のそれに変わっている。
「危ない!」
瞬間。
視界が暗転し、馬鹿でかい爆発音がすぐそばで聞こえ、直後。
俺の目が捕らえたのは炎に包まれ赤く燃えるラナの店だった。
36名無しさん?:03/08/15 10:37 ID:???
今回はこれだけ
作品の進行が一区切りつき次第また貼っていきたいと思ってます
37名無しさん?:03/08/17 06:50 ID:???
気が乗った時しか書かないので
二、三日に一度の超スローペースでやっていきます。

381/2:03/08/17 06:51 ID:???

一瞬。
それこそまばたきをする暇も無く、目に映る全てが崩壊した。
伝わってくる熱気。
木材が焼ける嫌な臭い。
崩れ落ちていく、一軒の家屋だったモノ。
目の前の全てが紅く、染めあげられていく。
何も考えられない。
あまりにも突然の出来事。
股間の痛み、そんなものはとっくの昔に引いている。
すでに思考は停止していた。
――ゴゥ
中で何かが引火したのだろう。
炎の勢いが増す。
熱気が肌を刺す。
人々の悲鳴が聞こえる。
逃げ惑う近くの住人達。
隣の民家に燃え移りその勢力を伸ばし続ける紅。
夢を見ているよなうつろな目でその成り行きを呆然と見つめる。
視界の隅でさっきの少女が恐怖と憎悪が入り混じった表情で虚空を睨みつけている。
ふと、その先を見上げる。
そこに在るのは虚空を羽ばたき、こちらを見下ろしている鷹に似た異形の生き物だった。
鋭いく尖ったクチバシ。
全身で3メートルはあるだろう、大柄な体躯。
体毛がまった生えていない硬そうな皮膚。
胴から先はまるで退化したかのように細く収束し、その体に脚は無い。
392/2:03/08/17 06:59 ID:cqY+cg/m
数秒それを観察し、興味が尽きたのか、彼は何気なく地上に目を戻した。
「消えろ!」
少女が叫び、その髪がかすかに光り、逆立つ。
ドンッ! という車が衝突したような大きな音とともに、何の前ぶれもなく空に浮かぶ異形は爆発し、消滅した。
「あ・・・」
それが引き金となったのだろう。
それまで眠っていた感情が狂ったように脳内で具現化されていく。。
「ラナ・・・」
さっきの化け物は何だったのか。 あの少女は一体何なのか。
そんな、もとより訳の分からない事を考える余地など今の彼には全く無かった。
思考は止まったままだ。
何も考えられない。 何も考えるなと命令している。
「助けなければ」という一つの感情が彼を支配し、あの中へ飛び込み彼女を救えと命令し続けている。
もし彼にこのとき冷静な感情があったとしても、この非現実的で異常な光景の連続にただ混乱していただけだろう。
――ラナを助けないと。
狂ったように。 その言葉だけが彼の中で繰り返えされる。
理性という名の束縛を解かれた意識のない感情が、濁流の如く溢れ出し全てを押し流していく。
行けば自分も助からない。
未だ勢いの止まぬこの炎の中、生身の人間がまだ生きているわけがない。
今の彼にとって、そういった当たり前の常識は取るに足らない、どうでもいい事だった。
炎を見据え、おぼつかない足取りで歩き出す。
誰かの呼ぶ声がして、 不意に、後ろから右手を乱暴につかまれた。
彼は気にせず歩みを進める。
近づけば近づくほど肌を刺す熱気が強まっていく。
恐怖はない。 そんなものは彼の成すべき行為にとって何の必要性も持たない。
赤と黒が禍々しく目の前を渦巻く。
そして、 ――いきなり、目の前が真っ白になった。
全ての感覚が急速に遠のき、 あれほど激しかった感情は統率を失い、その流れは方向性を無くし霧散する。
最後に誰かが叫ぶ声がかすかに聞こえ、そこで彼の意識は途絶えた。
40名無しさん?:03/08/17 07:40 ID:???
続きキボンヌ
41名無しさん?:03/08/17 21:10 ID:???
.
421/4:03/08/19 15:27 ID:???
「くっ・・・」
頭が痛い・・・
起きたばかりなのに頭痛が激しい。
軽い嘔吐感が込み上げてくる。
気分はこれ以上ないってぐらい最悪だ。
俺はよろよろと、ベッドから気だるい体を起こした
「・・・ってベット?」
なんで俺ベッドなんかで寝てんだ?
初めて見る、何も無い簡素な部屋。
一つしかない窓から朝の光が差し込んでいる。
広さはだいたい俺の部屋ぐらいだろう。
狭くもなく、広くもなくストレスを感じさせない適度な広さだ。
壁にかけられた六角形の時計がカチ、カチと時間を刻み続ける。
432/4:03/08/19 15:27 ID:???
見慣れない静かな朝。 
誰もいない空間の中で俺だけがポツン、と白いベッドに上に腰を下ろしている。
ここ・・・どこ・・・?
途方もない不安と焦りが寝起きの俺を襲う。
と、とりあえず状況を整理しよう・・・
俺はサオカ。よし、これは間違いない。
記憶喪失とかじゃなくて良かった。
ということは、ここはアリアハンだ。これもまず間違いないだろう。
外には化け物がいるのにそれを越えた外国にいるはずがない。
となると・・・?
俺はここで眼を覚ます以前の記憶を思い出してみる。
確か、騎士団に入隊するために街をぶらぶらしてて、
腹が減ったからラナの所に朝飯食いに行って、それから・・・
443/4:03/08/19 15:29 ID:???
――ズキ・・・
思考を遮り、頭を何かで打ちつけられるような痛み。
まるで、それ以上の記憶を辿る事を自身が拒んでいるような感覚が激しい痛みを伴い俺を襲う。
頭痛が酷い。吐き気がする。
なんや・・・これ・・・
「起きた・・・」
ギィ、という木製の扉が開く音と共に聞き覚えのある声がした。
俯いていた顔を上げた先には、いつか見た少女の顔。
「君は・・・あの時の・・・」
――ドクン
心臓が、震える。
・・・あのとき?
・・・あのときの・・・なんだ?
急に世界が遠のくような錯覚。
何も、考えられない。
何も、思い出したく、ない・・・
454/4
―――ドクン
強い、果てしなく強烈なイメージが脳内に甦る。
断片化されていたそれらは次々と自身のあるべき姿へ還り、間を置かず映像化されていく。
――巨大な翼。ギラギラした目。
その目でこちらを見下ろしている異様な何か。
それを見上げかすかに白く光る少女。
そんな不思議な光景。
いやだ、見たくない。
逃げ惑う人々。誰かが悲鳴を上げている。
どこかで助けを求める声がする。
街全体に恐怖と混乱が渦巻いているような、
そんな恐ろしい光景。
いやだ、そんなもの見たくない。
そして、その全てを飲み込み揺れる、紅い、色。
いや、だ・・・
   ―――頭が、痛、い
頭蓋が軋む。
胃液が逆流し、視界がぼやける。
呼吸が乱れ、肺が酸素を求めて悲鳴を上げている。
何もかもが目の前から遠ざかっていく感覚。