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助教授:03/03/22 05:00 ID:LdO7MJXF
五感の覚えている季節が、ある。
季節とともに呼び覚まされる思い出が、ある。
映像的鮮明さなどはない。ただ、感情だけが沸き起こる。
今、切なく、儚く、不思議な淋しさが私の胸に迫ってくる。
それは10年前の早春からの声、なのだ。
戻らぬ、時。
戻れぬ、時。
回帰と反復を繰り返しながら、私の時は過ぎる。
人は思い出の中から自分の意味を知り、最後はそこに帰ってゆく。
そして11年目。
さびしく微笑む春。
私は今、ここにいる。
無頼派11本目の始まり。