1 :
楽団長:
ウビウビ ウビウビ ウビウビッヤ
ソンソン ソンソン ソンビリヤ
ヤミヤミ ミヤミヤ ソントフル!(コーラス)
我らのチンポの赴くところ
国境近くの草分け道を
あれは68年のこと?
それとも69(シックスナイン)年のこと?
ときどきどっちも違って思える
ときどきどっもも正しく思える
モンキーローフがわんさと詰まった
ランチミートのお墓箱!!!!
ふーん、で?
おもんないよ
平日だからって寝て
?? ?? ?? ?? ?? ?? ?? ??
7 :
伽ス:02/05/27 13:18 ID:???
脳。
1300gのタンパク質の塊。
意識の座。
8 :
伽ス:02/05/27 13:30 ID:???
落ち着いて聞いてください、
これから君に話すことは全て事実です。
9 :
伽ス:02/05/27 13:36 ID:???
10 :
伽ス:02/05/27 13:42 ID:???
何のために死体を保存するのか?
貴方は疑問に思われたでしょう。
理由はいたって明快なものです。
その理由とは死体を生き返らせるためなのです。
勿論、現代の科学ではそのようなことは不可能です。
しかし、科学技術が発展していけば将来、可能になるでしょう。
生体反応といえど純然たる化学反応の連鎖でしかなく、
死とはそれが滞った状態でしかないのですから。
11 :
伽ス:02/05/27 13:48 ID:???
そしてそう遠くない将来、実際に蘇生は可能になります。
勿論、限界はありますが。
諸事情よってここで詳しく説明は出来ませんが、
磁気共鳴により脳の構造を完全に読み取り、
ナノマシンを使ってクローンの脳に死者の脳を再現するような技術とだけ説明しておきましょう。
貴方は当然、
なぜ私にそんな未来のことがわかるのかと問われるでしょう。
ここからが本題なのです。
なぜ私がここの掲示板を通じて貴方にこうして語りかけているのか。
落ち着いて聞いてください。
12 :
伽ス:02/05/27 13:53 ID:???
貴方は今、2002年の日本に生きていると思っているでしょう。
いや、そんな当然のことをいちいち認識していないでしょう。
しかしそうではないのです。
貴方は、いや正確には貴方の脳はアメリカ、
カリフォルニア州ヒューストンのアルコア延命財団の地下施設にあるのです。
そう、貴方は今、死んでいるのです。
13 :
伽ス:02/05/27 13:58 ID:???
しかしご心配なく。
貴方は数ヶ月の後に滞りなく新しい肉体に蘇生します。
今は抽出した記憶を新しい脳に書き直している最中なのです。
そう、今、貴方が体験している日常、さまざまな出来事、
それらは全て貴方が一度体験した記憶をもう一度再生しているだけに過ぎないのです。
14 :
伽ス:02/05/27 14:05 ID:???
「今」の作業についてだけ話しても混乱されるだけでしょから少し詳しくお話しましょう。
記憶の混乱を防ぐためにあまり詳しいことはお話できませんが、
貴方は数十年後に一度、亡くなられます。
そして、貴方は遺体の保存を望まれていたために手続き通り、
貴方の遺体はアルコア延命財団の地下冷凍庫に保存されることになりました。
いつか科学が発達して死者を蘇らせることが可能になる日まで。
そしてそれから更にしばらくの年月が過ぎて、それは可能になりました。
勿論、倫理や法律の問題が山積みでしたので、すぐにというわけにはいきませんでしたが、
当初の手続き通り冷凍保存された遺体は蘇生されることになりました。
そして貴方の番がやってきたというわけです。
15 :
伽ス:02/05/27 14:10 ID:???
しかし一つだけ、困った問題が起こりました。
蘇生技術は完璧で、肉体は完全に復活出来るのですが、
被蘇生者の多くに記憶の混乱が起こったのです。
それも当然でしょう。
突然目が覚めたらはるか未来で今際の際までの記憶が明確に残っている。
誰も冷静ではいられません。
そこで、一つの対策が講じられました。
それが私というわけです。
16 :
伽ス:02/05/27 14:16 ID:???
対策の内容はいたって簡単。
記憶の再生作業中、記憶の中に警告のメッセージを入れるというものです。
それもそれぞれの被蘇生者にあわせて、ごく自然な形で。
それは小説だったり映画だったりするのですが、
貴方の場合は掲示板上の書き込みという形をとったようですね。
要するに、これまで私が話した内容がそれに当たるわけです。
つまりこの書き込みだけは本来の貴方の記憶ではなく、
記憶の再生中に加えられた人為的なものなのです。
17 :
伽ス:02/05/27 14:18 ID:???
勿論、こんな話を突然されて信じることなど不可能でしょう。
貴方は掲示板上のつまらないネタだと鼻にもかけないかもしれません。
しかし、それはそれで構いません。
貴方の記憶の片隅に、この書き込みの断片が存在してさえいれば記憶の混乱はほぼ確実に防げます。
これは多くの臨床例が実証しています。
という訳で、これで作業は終了です。
これから再び2002年以降の記憶の再生を行います。
貴方はこれから数十年、普通に生活して一生を終えます。
実際には、ほんの数日の作業に過ぎないのですが。
ああ、第二の人生はもう少し先、とだけ申しておきましょう。
それではごきげんよう。
良い一生を。
19 :
伽ス:02/05/28 00:44 ID:???
培養槽の中の脳。
20 :
伽ス:02/05/28 19:22 ID:???
「貴女が恋人に、
ここに連れて来られたのは悲しみを知るためだよ」
21 :
伽ス:02/05/29 16:58 ID:???
脳。
1300gのタンパク質の塊。
一つの世界。
22 :
o:02/05/29 21:53 ID:6an9AMfk
pp
プラウディア〜
ああ〜プラウディア〜
夢をあきらめないで〜
(台詞)「我が校にいじめはございません」
ああ〜プラウディア〜
25 :
伽ス:02/05/30 03:21 ID:???
人には世界を脳を経てしか認識できないのなら、
私と貴方の知覚している世界は一様ではないのかもしれない。
貴方の見る赤は私の赤とは全く違う色なのかもしれない。
27 :
伽ス:02/05/31 03:27 ID:???
この問題を突き詰めれば唯脳論に至ってしまうわけですが、
私達が観測する以前の世界というものは確固として存在するとして。
その世界と私達の知覚できる世界の隔たりを考えたとしてもそこには広大な隔たりがあるはずです。
私達の観測しうる世界と観測する以前の世界の関係こそが、
プラトンの言う「イデア」であり、仏教で言う「ダルマ」なのではないでしょうか?
さて、観測する前の世界と言うものが果たして存在するのかどうか・・・
例えば今から5分前にあなたを含めた世界があなたの記憶と共に
突如として出来上がったものだとしても、それを違うと証明する手だて
がないことは、よく知られていますね。
29 :
伽ス:02/05/31 13:04 ID:???
この主観的な世界と客観的な世界の隔たりは、現代科学においても見出せます。
量子力学において、未来はニュートン力学のように定数ではなく、
ある一定の確率でしか表せないのです。
確立というものは複数回試行を行ったときにその条件が表れる頻度ですから、
これは私たちの未来が常に一つしかないという事実と大いに矛盾します。
そこでこのように考えてみてはどうでしょうか?
「真の世界は瞬間瞬間に波動関数の常に数だけ無数に分岐している。
私たちの脳はその中から特定の波動関数を収束させ「一つの未来」を選び続けている」
30 :
伽ス:02/05/31 13:12 ID:???
すこし判りやすく言うと、
「真の世界とは無数に分岐し続けるレールのようなもので、無数のパターンの未来が存在する。
そして、私たちの脳がそのレールの中から一つの筋道を選んで走っている。
だからあなたの人生のシナリオは一通りしかない」
といったところでしょうか?
一見突飛な話のようですが、
波動関数の多世界解釈という考え方を多少アレンジして説明しただけのものに過ぎません。
要するに、未来は無数にあって、貴方はそのシナリオの一つを選んでいるだけに過ぎない。
SFなどでよくある、パラレルワールドという概念に近いかもしれませんね。
31 :
伽ス:02/05/31 13:22 ID:???
このように考えると、今まで判らなかったさまざまな問題が氷解します。
例えば、「1G の重力、常に平均20℃付近の気温、豊富な水、適度なオゾン層の存在、
なぜ今の地球環境はここまで生物の生活に理想的な環境であるのか?」
と問うたとします。
あまりに当たり前のことなので考えたことも無いかもしれませんが、
これはまさに奇跡的なことなのです。
しかし、先刻の考え方を用いれば奇跡でもなんでもなくなります。
こう答えれば良いだけの事なのですから。
「可能な確立の数だけ無数に世界は分岐していて、たまたまこの世界がそうであるだけに過ぎない。
もし、そこに生命が存在しても知能を持った存在にまで進化しなければ、
貴方が「なぜ地球がかくも生命の存在に適した理想的な環境であるのか?」と問うこと自体が存在しなかったのだから」
32 :
伽ス:02/05/31 13:27 ID:???
別にもっと身近な話でもかまいません。
「父親の一億ある精子の中から、なぜ自分の遺伝子を持ったものが選ばれたのか?
これは単なる奇跡なのか?」
と問えば、
「貴方の両親が貴方以外の遺伝子を持った子供を得る可能性の未来もちゃんと存在する。
それこそ無数に。
ただ、その世界には貴方が存在していないから、貴方はそれを知ることができないだけなのだ」
と答えることが出来ます。
全ての奇跡は奇跡ではなく、今の貴方が貴方として存在するためにあるものなのです。
33 :
伽ス:02/05/31 14:12 ID:???
>>28 ですね。
「オムファロス」という神学の本がありますが。
同じ論法で書かれています。
認識自体を覆すように話を持っていけば論理的な反論は出来ない。
36 :
伽ス:02/06/01 12:15 ID:???
圧縮が近いかも。
38 :
伽ス:02/06/01 17:27 ID:???
保守。
39 :
伽ス:02/06/02 05:50 ID:???
乗り切ったようですな。
保守してくださった方、どうも。
40 :
伽ス:02/06/02 07:05 ID:???
さて、貴方の認識する世界が貴方が存在するためにあるのだとすれば、
貴方は絶対に死ねないということにならないでしょうか?
なぜなら貴方の世界は、貴方の死を持っててその存在を失ってしまうのですから。
41 :
ギコ帽子:02/06/02 11:56 ID:???
ロシアンルーレットで生き残る確率は100%だ。
生き残っていなければ、死んだという結果を認識できないから。
42 :
伽ス:02/06/02 15:37 ID:???
貴方がどんなに絶対的と思われる死の危機に瀕しても、
貴方は「偶然に」死ぬことはない。
いえ、無数に存在する未来の中には貴方の死ぬ世界もあるのでしょうが、その世界は存在しなくなる。
結果、その選択肢のレールは途切れ、貴方の脳は別の選択肢を選ばざるを得なくなる。
貴方はそれがどんなに不自然で奇跡的な状態であれ、生き残ることになる。
そう、貴方は不死者なのです。
おお!忌まわしき不死者!
神に仇なすもの。
43 :
伽ス:02/06/02 15:50 ID:???
貴方はこう反論するでしょう。
「私が不死のはずは無い。私は単なる人間だ。
そして今まで死ななかった人間はいない。
他の人間と同じようにいつかは死ぬ」
しかし、それは違うのです。
貴方だけが貴方の観測する世界の観測者であり、
貴方の主観によって世界はあるのですから。
44 :
伽ス:02/06/02 15:53 ID:???
だから貴方は死なない。
いえ、死ねないのです。
勿論、私が観測する世界の中で貴方はいつか死ぬでしょう。
同様に、貴方の観測する世界では私はいずれ死にます。
しかし、自分の観測する世界においては貴方は死ぬことは無い。
蓋然と、単なる偶然とによって貴方は何時までも生き永らえるのです。
45 :
伽ス:02/06/02 15:56 ID:???
勿論、これは憶測の上に憶測を重ねた一仮説でしかありません。
しかし、否定することは不可能です。
なぜならこの仮説は観測者たる貴方の死を持ってしか否定されないのですから。
つまり、詩なないから、わたし、なんですね。。
よっしゃ
「お前の言っていることはデタラメだ。」
51 :
伽ス:02/06/05 16:28 ID:???
〜鼻〜
どうも自分の鼻が好きになれない。
造形的にも機能的にもだ。
視界の隅に自分の鼻が入ると不快でたまらない。
52 :
伽ス:02/06/06 00:35 ID:???
造形的にも美しいと思えない。
平坦な顔こそが二足歩行を獲得した人間の知性の象徴であるのに、突出している。
開きっぱなしの鼻腔は口のように閉じることも出来ない。
高い鼻こそが知性の象徴であり、
造形的に欠かせない美的要素であるというかもしれないが、それは違う。
なぜ人間の鼻が顔面から飛び出しているのか?
それは二足歩行を獲得したことによって、人間の鼻から口にかけての顔面下部が後退してきたためだ。
結果、機能としてある程度の退席を持たせざるをえない鼻だけが英知ある後退から取り残されたのだ。
高い鼻が好まれるのは、それが相対的に顔面下部の後退、
すなわちより高度に二足歩行に順応していることを示すためだ。
鼻の高さ自体は二次的なものであり本質ではない。
鼻は空気に適度な湿度を持たせるためのバッファでしかないのだ。
それが、知性と至高の造形美の座であるべき人間の頭部の調和を壊している。
人の顔とは平坦であるべきなのだ。
53 :
伽ス:02/06/06 00:53 ID:???
最近の漫画などを見ると、キャラクターの鼻は実に退化している。
これも鼻が造形的にいかに不要で不調和なものであるかをあらわしている好例といえるだろう。
また、鼻とは生物学的に見て男根の象徴でもある。
ある種の猿では、ペニスと同様に発情期に赤く腫れ上がるその鼻の大きさと、
行う交尾の回数に明確な正の相関関係が見て取れる。
また、フロイトも鼻に対して心理学的方面から同じ考察を行っている。
私たちは知性の座であるべき顔に、本能と野生の象徴である男根をぶら下げているのと同じなのだ。
なんと忌まわしい!!
耐え切れなくなった私は、
昔、デッサン用に買った石膏のマスクの鼻をナイフで削る。
そこに完璧な知性と理性の調和が生まれる。
美しい。
54 :
伽ス:02/06/06 01:00 ID:???
>>41 上手い例えですね。
自分の死を認識できな以上、その命題は否定できない。
>>46 そうです。
しかし、意識の連続だけが条件ですから、常に五体満足であるとは限りませんが。
>>47 あまり喜ばないでください、あくまで一仮説に過ぎません。
第一、不死とは幸福なのでしょうか?
ニーチェは言っています「死なないことは呪いだ」と。
多くの伝説に現れる不死者もまた、あまり幸福ではありませんし。
55 :
伽ス:02/06/06 01:03 ID:???
>>48 確かに、これは一仮説でしかありません。
しかし、量子力学の示す確率的な未来という不可思議なリアリティーに対する一解釈とはなりえます。
そしてなにより、この命題が貴方の死を持ってしか否定されない以上、
実証と同様に否定も事実上、永久に不可能なのです。
>>49-50 保守、ありがとうございます。
56 :
伽ス:02/06/06 03:14 ID:???
眠れないので何か書こう。
57 :
伽ス:02/06/06 04:42 ID:???
〜皮〜
ソシュールはすでに19世紀に「我々が消費しているのはモノではなく記号である」と看破していたわけで、
要するに22世紀になって技術が追いついただけの話だ。
58 :
伽ス:02/06/06 04:43 ID:???
僕たちは常に「ゴーグル」を付けている。
視界の全てを覆う「ゴーグル」には常に僕の視点から見た世界が映っている。
じゃあ、何でわざわざゴーグルなんか付けるのかって?
そう、目で見るのと同じ映像を投影するだけじゃ芸がない。
「ゴーグル」越しの世界には常に「スキン」がかかっているのだ。
そう、MINAMPのスキンみたいなヤツだ。
なんだってお気に入りの映像に置き換えられる。
今の時代、車、街並み、人の容姿、ファッション、「スキン」で変えられないものなんてない。
「ゴーグル」さえあれば気にいらないものは世界ごと変えられる。
しかるべき「スキン」をDLすれば自分の部屋を水族館にすることだってできる。
好きな女の子は皆美人だし、どんなオシャレだって思いのまま。
今の時代、人は外見ではなくて内面のみで評価される。
素晴らしい発明だろう?
59 :
伽ス:02/06/06 04:43 ID:???
そんなものを皆が付けてたら世の中がえらいことにならないかって?
そうでもないんだ。
例えば、君の見る赤が僕の見る緑色と入れ替わっていてもなんの差し支えもないだろう?
1000円札の顔が夏目漱石でもヒトラーでも、それが1000円札であると皆が認識できれば問題ない。
そうやって、個々の映像を置き換えるだけだから社会はちゃんと機能する。
国民葬背番号制が導入されてからは、顔だって好きなように変えていいし。
いや、むしろ世の中は良くなったんだ。
考えても見てよ、21世紀の世の中で消費されているモノのほとんどは生命の維持とは無関係なものばっかりだろう?
音楽、服、家具、家、菓子、絵、本、化粧品・・・
僕たちはそういう本質的ではないモノに限りある化石燃料やレアメタルやエネルギーを費やしてきたわけだ。
それこそ莫大な量を。
60 :
伽ス:02/06/06 04:44 ID:???
21世紀の一人のアメリカ人が生活するエネルギーや資源でインド人が20人は生活できるっていうし。
それだけの量の資源を本質的に無意味な流行やファッションに消費してたってワケだ。
だからそれをデータに置き換えようってのが「ゴーグル」の役目。
記号的差異を作り出すことが消費社会における本質だってことを逆手にとって、
人間の底なしの欲求を制御して地球環境との共存を図ろうとするシステムなのだね。
広告なしの「スキン」は優良だから経済だってちゃんと機能するし。
地球資源に優しいエコロジーな生活に、花を添えてくれる。
今じゃ「ゴーグル」を付けてない人間なんて一人もいない。
僕たちはそうやって誕生した、生まれたときから「ゴーグル」を付けている最初の世代だ。
61 :
伽ス:02/06/06 05:11 ID:???
僕はポップアートのような街並みの中を歩く。
街を歩くのは全員美男美女。
まあ、僕ほどじゃないけど。そう設定してるから。
家からすぐの大学のキャンパスにたどり着くと僕は「スキン」を切り替えた。
一瞬で風景が印象派の絵画に変わる。
僕は幾重にも折り重なった幽玄な木漏れ日の中を講義室へと向かう。
映像が変わるだけで空気までが清清しく感じる。
突然、視界にノイズが走った。
故障か?と思ったがそんなはずはない。
「ゴーグル」は二重三重に予備回路が組まれているし、
定期的にネットを通じて点検されているので故障なんて絶対にない。
ちょっとだけ不審に思ったが「ゴーグル」に表示された時計を見ると講義まで数分しかない。
僕は講義室に走った。
62 :
伽ス:02/06/06 05:11 ID:???
何とか講義には間に合った。
教授の顔のスキンをいじって暇を潰しながら、ヘタ字フォントにした黒板の文章を時々「ゴーグル」でスクリーンショットとして保存する。
今時ノートなんてとるのはよほど真面目なヤツか非環境保護主義者くらいだ。
授業中も数回、視界にノイズが走った。
どうも調子がおかしいらしい。学校が終わったらサポートセンターに問い合わせてみよう。
63 :
伽ス:02/06/06 05:17 ID:???
出席日数目当ての講義をやり過ごした僕は彼女と学食で昼食をとることにした。
僕の彼女はとても美人だ。最高級の「スキン」を使ってるから。
今日は学食にヒトが少ない。すぐに席を取ることが出来た。
二人で他愛のない会話をしながら食事をつつく。
二人でこうやって他愛もない話をしてる瞬間が一番幸せだなぁ・・・
と思っていたら突然視界が真っ暗になった。
ゴーグルが壊れたのか?
「ねぇ、どうしたの?」
「いや、なんでもない・・・」
彼女から見れば何が起こったのかわからないだろう。
僕は適当に誤魔化した。
しかし、このままでは何も見えない。
「ゴーグル」を外すしかないか・・・
「ゴーグル」を外すなんて今まで一度も考えたことすらなかった。
まあ、大丈夫。一時的にスキンがなくなるだけだ。何の支障もない。
僕はまぶたに手を当てる。
名前は「ゴーグル」だが、それはコンタクトレンズのように薄く、
眼球に張り付いて網膜に直接映像を投影しているのだ。
僕は初めてゴーグルを外す。
生まれて初めて、僕の網膜が直接光を捉える・・・
64 :
伽ス:02/06/06 05:27 ID:???
何だこれは!?
さっきまで清潔で洒落たカフェスタイルの大学の学食だった場所はボロボロのコンクリートむき出しの廃ビルみたいな空間と化していた。
そして、僕の目の前にはぶよぶよと青白く太った豚みたいな肉の塊があった。
ぼろぼろの布切れを身にまとっている。
「ねぇ、なにかあったの?」
その肉塊は僕の彼女の声でそう言った。
そして、皿の中身をフォークですくい
――さっきまでキノコのパスタだったそれは無数の虫の死骸に変わっていた――
それを美味そうに脂肪でたるんだできものだらけの口に運ぶと美味そうに咀嚼した。
僕はたまらずに食堂を飛び出した。
65 :
伽ス:02/06/06 05:35 ID:???
食堂を出ると、僕はどの場にうずくまり、吐いた。
見ると吐瀉物の中に虫の脚や羽が混じっている。
さっきまで食べていたものはカレーじゃなかったのか?
さらにそれが吐き気を倍化させる。
キャンパスの学生はそんな僕の奇行に気付かない。
「スキン」が汚いものや不潔なものは目に入らないようにしているからだ。
一人の学生(なのだろう、今の僕には昔ネットで見た浮浪者にしか見えないが)がうずくまる僕を踏みつけた。
しかし彼はちょっと不思議そうに振り返っただけですぐに仲間と話しながら歩き始めた。
「ゴーグル」に映らないものは存在していないのと同じなのだ。
僕はふらふらと立ち上がり、あてもなく歩き出す。
66 :
伽ス:02/06/06 05:39 ID:???
これが本当の僕の暮らしていた街の姿なのか?
そこはまるでスラムだ。
浮浪者のような人々、ボロボロの車、枯れ果てた街路樹、
排泄物や動物の死骸やよくわからないもので溢れかえった道路。
それだけ整然と並ぶ殺風景なコンクリートのビル郡だけが情景の不気味さを一層引き立てている。
そしてこの悪臭。
これが・・・
67 :
伽ス:02/06/06 05:40 ID:???
違う、そんなはずはない!!
そうだ!これも「ゴーグル」の見せる映像なんだ!!
悪趣味な「スキン」でしかないんだ!!
悪質なクラッカーの悪戯なんだ!!
僕は眼窩に指を突っ込んで「ゴーグル」を引き剥がそうとした。
ずるずる・・・
何か寒気のする感触。
しかし何も見えない。手の中には生暖かい、何か丸いモノが二つ・・・
一瞬遅れて、それは自分の眼球だと気づいた。
68 :
伽ス:02/06/06 05:41 ID:???
長いワリにあんまり面白くないですな。
オチがすぐ読める。
スキンとかで流行を代替しようという着想は面白いと思ったのだが・・・
69 :
いか:02/06/06 08:13 ID:???
こういう話、好きです。個人的に星新一先生の匂いがするなと感じました
凄い、朝から良い物読ませていただきました。
70 :
伽ス:02/06/06 09:56 ID:???
ああ、どうも。
読んでくれる人がいるならもっと書き込めばよかったなぁ。
説明不足だ。
と思う反面、掲示板に書くには長過ぎる気もする。
星進一というよりは渡辺浩弐ですな。
「おれ」じゃなくて「僕」だし。
というか似すぎてるなぁ・・・
1っこめは『コピーブレイク』2こめは『爆弾人』今度のは『視線』とネタがかぶるなぁ・・・
まあ、渡辺浩弐が網羅してないネタを拾うのは大変なのだろうけど。
精進せねば。
干す
72 :
ギコ帽子:02/06/06 23:28 ID:???
2XXX年のゲームキッズとかアンドロメディアとかの?<渡辺
73 :
伽ス:02/06/07 04:31 ID:???
>>71 干されるのか?
と思ったら保守の転化なのかも知れませんな。
>>72 さいです。
マルチメディアを題材にあれだけのショートストーリーを毎週量産できるというのは素晴らしいですね。
彼は他にも多くのジャンルで活躍していますし。
74 :
脱臼男根:02/06/07 08:34 ID:???
独我論の蟻地獄で御座います
新宿三郎
゚Д゚
79 :
伽ス:02/06/10 09:40 ID:???
〜直火焼き鮭弁当論〜
セブンイレブンの直火焼き鮭弁当をご存知だろうか?
セブンイレブンの数多ある弁当のうちの一種なのだが、これが美味い。
なんといっても圧巻は、その名に冠するとおりの焼き鮭にある。
おかずのテリトリーをはみ出して、ごはんの上まで侵食する巨大な鮭の切り身。
ジューシーかつ適度な塩気、これなくして直火焼き鮭弁当は語れない。
しかし、直火焼き鮭弁当の魅力はこれだけに尽きない。
片隅に二口程度の焼肉。
これがそのボリュームゆえに、ともすれば単調になりかねない焼き鮭の実によいアクセントとなる。
また、独特な歯ごたえのあるきんぴらゴボウもまた、心地よい変奏をもたらしてくれる。
80 :
伽ス:02/06/10 09:45 ID:???
普段なら辟易するであろう甘い厚焼き玉子もまた、
塩味に慣れた舌を初期化するよい中和剤となる。
そして片隅に配置された、海苔の佃煮。
これこそが直火焼き鮭弁当の影の主役であろう。
いうなればアーサー王伝説におけるランスロット、スカイライダーにおけるがんがんじいである。
この鮮烈な磯の香り、滑らかな舌触り。
このように、一見完璧であるかに見える直火焼き鮭弁当にも唯一の欠点がある。
81 :
伽ス:02/06/10 09:51 ID:???
そのアキレスの踵こそがコロッケである。
嗚呼、コロッケ。
冷凍食品の王たる揚げ物の代名詞。
それゆえに感じる取って付けたような不自然さ。
その違和感は東京ディズニーランドにキティーちゃんを発見したかのような居住まいの悪さである。
脂臭い食感。劣化した油にふやけた衣。
しかし問題はそれだけではない。
この冷凍食品然としたコロッケには味がないのだ。
一応、付属のソースがついてはいるがこれがまた大問題である。
開けにくいのである。いや、開けるのは不可能といっても過言ではないだろう。
82 :
伽ス:02/06/10 09:56 ID:???
揚げ物の横にある以上、そのポリ容器は当然、油にぬれててかてかといやらしい光沢を放っている。
その嫌らしさたるやまるで爬虫類の皮膚のようだ。
当然、誰もこんなものに指を汚したくはない。
万が一、意を決して手を触れたとしても油でぬめるそれをひねり、開けることは非常な困難である。
さらに、弁当を電子レンジで温める際、当然加熱されたソースは非常な高温となっており、
それだけで手を触れるのをためらわせるのに十分である。
人類の英知が生んだ第二のプロメテウスの炎、マイクロウェーブの悲劇といえるだろう。
このように、コロッケは直火焼き鮭弁当の完璧な調和を乱す危険因子である。
セブンイレブンの関係者各位には即急な対策を願いたい。
∧((())∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(((〃・∀・))) < 俺の名はDita。
= ))) ((( \_______
〜((( × )))
= (__/"(__) トテテテ...
2 連 続 俺 の 保 守 か よ
3 ( 以 下 略
ワーイ 4 だぁ ワーイ うれしいなぁ
ワーイ 新記録樹立だぁ やったぁ ママーン
90 :
はぐ。:02/06/13 04:48 ID:???
パパーン
91 :
伽ス:02/06/13 06:38 ID:???
おお、保守どうも。
ママーン
93 :
伽ス:02/06/14 07:26 ID:???
ふと見る木、生きる意味問ふ
94 :
伽ス:02/06/14 17:18 ID:???
借りた酢昆布、多分コスタリカ