マジでそろそろラウンジにも合体ロボが必要だな

このエントリーをはてなブックマークに追加
401SS書き
オフ話の最中に投下。
注意受けまくり。

 ラウジンガー乙 第四話

「中尉、いい月ですね」
「もうすぐ夜が明ける、あれがageっているのもあと数時間だ」
 そうしてテレホタイムは終わるのだ。ラウンジも落ち着きを取り戻すのだ――今までは、今まではそう、だっただろう。
 もう、もう自分は、動けない。
 どこに負傷を負ったのかも分からない、敵の機銃掃射が自分の脚を薙ぎ払った時、下半身から感覚というものが消えうせた。
 それ以来、か、これからもずっとか、もうこの脚は動かないかもしれない。
 遠くから――いや、先までは遠くにあった足音は、着実に近づいてきている。もうすぐ傍だ、そこにアレは居るのだ。
 結局、残ったのは自分らだけとなった。皆、ここに居る。だが動かない。もう二度と動かない。
 もはや彼らはAAとしての形を取り戻すことはないだろう。
 口惜しや、何故自分がその任を任せられなかったのか。この老兵でなく、何故未来が殺されてしまったのか。
 残ったのは、自分と、あとひとりの部下だけ。
 痛みはなく、突き刺すような胸の隙間だけがあった。
 逝ってしまった部下達に対する詫びと、敵に屈してしまった自分の無力さに、彼の心は悲鳴を上げている。
 自責の念だけは、最後の瞬間まで簡単に手に入りそうだ。
「本当に、いい月だ――」
 ぼんやりと空に浮かぶ月は、もはや下がり始めていた。夜が明けていく。
 その前に、この命の灯火も消えていくだろう。
「名無し三等兵、コテハン諸兄……先に靖国で待っているぞ」
 モララーは呟いた。それはどこに向けられていたものか。
402SS書き:02/05/08 23:34 ID:???
「お前、担当は?」
「は、機銃担当であります」
「そうか、もう残弾なんぞ気にせず景気よく射っていいぞ、どうせこれで最後だ」
 その冗談に、若き機銃担当は笑んだ。痛いだろうに、死ぬほど、辛いだろうに。
 強い、彼は強い、惜しい人材を失ってしまった。
 モララーは胸中で頭を下げた、全て、自分のせいだと。
 ――時間だけが、流れていく。

 足音が近づいてくる。死神の足音が近づいてくる。
 ――ああ、そこに、居る。
 悪魔の上背が、琥惑的な生足が、そこに。
 モララーは笑んだ。それは最期の笑みだった。
 敵の足が動いていく、ゴミに等しい彼を押し潰そうと、ハイヒールのかかとが迫ってきていた。
 モララーはゆっくりと両手を宙に浮かべた、その先に拳銃を握り締め、ただ真っ直ぐ上空を見上げた。
 月が、浮かんでいた。
 その月の下、に。
「――!!」
 モララーは見た。その瞳に驚愕を浮かばせて、それを見た。
 間違いなかった。
 間違えるはずもなかった。
 間に合ったのだ。
 間に合ったのだ。
 我等の切り札が。
 ラウンジの最終兵器が――

 敵ロボットが吹き飛んでいく。本物のドリルハンドがボディに穴を穿っていく、

 ラウジンガー乙。
 守護神は降臨した。
 ラウンジの反撃が、始まる。


 文中の台詞、軍事板の★戦艦2ちゃんねる沈没の危機!!★スレからかなり頂いてます。
 ぴったしだったもんで。