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小林草太(詩人):
空が青いのか 水が青いのか
両方。
青いのではなく 青くみえるだけなのだ
北野ブルー
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まだまだ暑いのに風邪をひいてしまって
布団の中から外を見る
夏の盛りよりは もう少し黄色がかって見える景色
台所からは粥を炊く匂い
「最後のオレンジのあれ。
豆電球みたいなの、消さないでおいて。」
が、うつっちゃって
すっかり臆病者の僕。
独りきりの今はなおさら。
舗装路の照り返しと街頭の騒音が
われわれの覚醒の前提とならない
街とは人間の巣にすぎない
とある快晴の朝
人差し指でメガネを上げる癖を
急に気にするようになった君は
高層階の自分のオフィスから
今日の空の青さは尋常じゃないなと
ふと思ったのだった
「いつもうわの空なのね」
とわたし。
でもニコニコして何も答えてくれない。
だからちょっとイライラしちゃう。
でもゆるしてあげる。
だから夕食の当番やってよね。
でもゆるしちゃう。
高速道路って、最低速度が決まってるんだよ
それ以下で走ったらいけない
もう治ったと思ってたよ、その癖。
爪噛んだでしょ。
ギザギザになってるよ。
その手じゃ、トマトつかめない。
皮が破れるから。
中の柔らかい部分が浸みでるから。
あなたを引っ掻くための爪
熟しすぎたトマトのように
簡単に血の出る体
あなたのためにできることが
なにも思いつかないので
替わりにあなたを傷つけよう
わたしの痕跡があなたに残る
トマトケチャップ
皿まで舐めて