1 :
シンデレラ:
シンデレラの前に魔法使いの青年が現れて言いました。
「君を12時の鐘がなるまでの間、素敵なお姫様に変えてあげる」
魔法使いは、働き者なのに辛い目にばかりあっているシンデレラを、
なんとか幸せにしてあげたいといつも思っていました。
彼は心ひそかに彼女に想いを寄せていました。
魔法使いは今までに学んだ修行の成果をすべて出し尽くして、彼女のために
美しいドレスと宝石とかぼちゃの馬車とガラスの靴を用意したのです。
「この格好なら君の姉さん達はおろか国中のどんな女の子でもかなわないよ」
シンデレラを乗せた馬車は、魔法使いの手綱でお城へと向かいました。
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3 :
シンデレラ:01/09/15 00:33 ID:???
お城ではすでにダンスパーティが始まっていました。
「あなたは来ないの?」大階段に足をかけたシンデレラは魔法使いに聞きました。
「ボクは人前に出るのは苦手なんだ。」ずっと塔に篭っていた魔法使いは寂しそうに言いました。
それを聞いたシンデレラは一人で大階段をかけのぼり、門の向こうへと消えていきました。
やがて12時の鐘がなって、城のはずれに立っていた魔法使いの元にシンデレラが帰ってきました。
よほど嬉しいことがあったのか上気した顔に、今まで見たこともなかった笑顔が浮かんでいます。
それは魔法使いが今まで見た中で一番美しいシンデレラの笑顔でした。
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5 :
シンデレラ:01/09/15 00:34 ID:???
二、三日して魔法使いがシンデレラの元を訪れてみると、
彼女はあいかわらず意地悪な継母と義姉達の元で苦労していました。
それを木陰から悔しい思いで見つめながら、魔法使いは心に誓いました。
「いつか、僕が一人前の魔法使いになったら必ず君を救い出してみせる。あと少しだから頑張って」
魔法使いは、今まで続けていたことが世の中に認められて
晴れて人前に姿を現し、彼女に結婚を申し込みにくるその日のことを想像しました。
そのとき、シンデレラの家の前に王家の紋章をつけたとても立派な馬車が止まりました。
中からお城の大臣と思しき人が現れて言いました。
「このガラスの靴に合う足を持った娘を探している。」
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7 :
シンデレラ:01/09/15 00:34 ID:???
最初に義姉達が試しましたが合いません。
最後にシンデレラが試すとガラスの靴はぴったりと彼女の足に合いました。
「そなたがこの靴の持ち主であったか!」
大臣の言葉を聞いて馬車から一人の美しい青年が現れました。
それはこの国の王子様でした。王子はまっすぐにシンデレラの元へ歩いてきて、彼女の手を取り言いました。
「…そうだ。確かにこの娘に間違いない。
あの夜は豪華な衣装に身を包んでいた。今はこのような身なりをしている。
しかし、着飾ったドレスも高価な宝石も、しょせんは外見を飾るむなしいものに過ぎない。
この娘の瞳にはどんな宝石にも換えがたい真実の美しさがある!」
王子のその言葉を聞いて、シンデレラの顔にはあの夜と同じ美しい笑顔が浮かびました。
「どうか城に来て私の妃となってはくれまいか」
王子の申し出に頷くシンデレラの傍らで、
魔法の解けたガラスの靴が幾千ものガラスの粉になって風にちっていきました。
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こうしてシンデレラは王子の妃になり末永く幸せに暮らしました。
そして魔法使いは山奥の塔に帰り、それよりのち人前に姿を現すことは決してなかったそうです。
おしまい
11 :
1:01/09/15 00:36 ID:???
〜メンヒェル〜
前にどこかで書いた奴だけど…
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ウサギはある宗教の信者だった。
そして信仰ゆえの厳しい戒律に縛られていた。
ちょうど試合の日は彼の信じる宗教にとっては安息日であり
しかも教祖の入滅の日であるため、一日を眠ってすごさねばならなかった。
試合の日。
カメは一人スタートラインに立って待った。
決勝をともに戦おうと誓った永遠のライバルが現れるのを。
だが、試合開始直前になっても彼の隣に友の姿はなかった。
(彼は来ないかもしれない…)
そう思ったとき、
トラックへ続く階段を下りてくる足音が聞こえた。
振り向いたカメの前には、純白の毛皮を太陽に輝かせたウサギの姿があった。
「いいのか?」
「ああ。神様に1時間目をつぶって貰うことにしたんだ」
二人は微笑んでスタートラインに並んだ。
号砲一発。レースは始まった。
スタートダッシュから圧倒的な差をつけるウサギ。勝負は彼の圧勝かと見えた。
しかし、快調に飛ばす姿と裏腹に彼の心は迷いに満ちていた。
(自分は常に敬虔な信徒であった。この神への愛は決して偽りではない。しかし、今私は
レースでの勝利という世俗の栄光を得んがため神の掟に背こうとしている…)
走りつづける彼の顔には肉体的な痛みだけから来るのではない汗が滲み始めた。
耐えがたい精神的苦痛に意識を失いそうになったその時、
光の向こうから彼に語りかける声が聞こえた。
「あなたは勝利だけを求めてこのレースに参加したのですか?」
「いえ、めっそうもありません!」ウサギは畏怖にかられ立ち止まって答えた。
「では、なんのためです?」
「それは… カメとの約束… 共にレースを戦おうという約束を守るためです」
「ならば、その約束はすでに果たされたのではありませんか?」
その言葉を聞いたウサギは、自分の心を苦しめていたものから解き放たれるのを感じた。
「あなたが地上での栄光を求めて私の教えに背いたのならそれは許されることではありません。
けれどあなたの行いは、友を思うが故のこと。それが人であれ神であれ他者を思ってなしたことを
罰することは出来ません。」
「神よ。ありがとうございます」
「さぁ。あなたはもう充分に友の期待に応えました。あとは安らかに眠りなさい」
その言葉を聞くか聞かないかの内にウサギはまぶたを閉じ、深い眠りに落ちていった。
…ウサギが目覚めたとき既に試合は終わっていた。
彼のそばに立って顔を覗き込んでいたカメが聞いた。
「なぜ、あそこで君は眠ったのだ。あれさえなければ勝っていたのは君だった」
ウサギは穏やかな表情で答えた。
「いや、あれで良かったのだ。君は君の望む勝利を手に入れた。
私もまた自分の迷う心に打ち克ち、かけがえのない勝利を掴んだのだ」
そう誇らしげに語るウサギは
昨夜試合に出るか出ないかを迷うあまり
一睡も出来なかったことなど既に覚えてもいないようだった。
おしまい
16 :
1:01/09/15 00:44 ID:???
今日は二つ書くのがやっとかな…
いつまで続くだろ…
17 :
1:
もうひとつ書こうと思ったけど
今日は考えがまとまらない…
ので、寝てしまおう。
>名無しさん@お腹いっぱい。
全部同じ人?
もし、読んでもらえたならテキトーに感想でも聞かせてくれると嬉しいです。