>>631 そういうのを "remote relative" って言うのか。それは面白いな。それはともかく、今回の
阪大の例にある remote relative について、僕なりに検証してみる。少しでも僕が間違った
ことを言っていたら、どうか、誰でもいいから指摘してほしい。
>>601(阪大の問題のごく一部のみ抜粋)
it also gives a kind of 【presence and immediacy】 to the world
【unparalleled elsewhere, and undreamt of before the cinema was invented】.
ここで、もしも後半の修飾節(unparalleled 云々)が確かにその前の presence and immediacy
にかかっているのだということを明白にしようとすれば、"to the world" を gives の直後に
持ってくればいいことは、みんな同意するだろう。ここでの問題は、残念ながらそうはなっていない。
さて、それではどのように解釈するのが妥当か?僕なりの考えを言う。この場合の「被修飾語句」
は、"presence and immediacy" ではない。実は "a kind of presence and immediacy"
の全体なのだ。後半の修飾語句(unparalleled 云々)によって修飾されていることを
はっきり示すために、わざわざ著者は "a kind of" をくっつけたのだ。もしもこの
"a kind of" がなかったら、読者はこんがらがるだろう。
このような例は、枚挙に暇がない。樋口の「英語冠詞事典」などの数々の英語冠詞専門書を
拾い読みすれば、いくらでも例は見つかる。"a kind of (名詞)" のあとに "which 節"
などの修飾語句が続く例だけではなく、"a + 抽象名詞" のあとに修飾語句が続く例は、
そういう本の中で、おびただしく列挙してくれている。(具体的にどんな例を挙げているかについては、
あとで時間と気力があれば、該当部分を引用して紹介する。)
このように "a kind of (抽象名詞)" があるからこそ、そのあとに "to the world" という
ような不届きな邪魔者が入っても、"unparalleled 云々" という修飾語句が、その直前の
the world ではなく、実は "a kind of (抽象名詞)" にかかっているのだということが
わかるのだ。
>>642 【"a + 抽象名詞 + 修飾語句(関係詞節)】
さて、抽象名詞には通常は a がつかないけど、その抽象名詞に修飾語句(形容詞とか関係詞節)
がくっつくと、a を付けることが多い。今回の阪大の例では a ではなく "a kind of (抽象名詞)"
だけど、その場合と似ていると思う。というわけで、さっき予告したように、そういうような例文を
樋口の「冠詞事典」から抜粋する。おびただしい例文が出てくるので、ごく一部しか紹介しない
けど、続きは、本屋さんで立ち読みしてもらいたい。
(172)
(a) I had never seen diamonds shine with such 【brilliance】 before.
これまでダイヤがそんなにきらきらと輝くのを見たことがなかった。)
(b) There is a clarity, 【a brilliance】 to space that simply
doesn't exist on Earth. . .
(宇宙には、地上にない輝き、光輝さがある。)
(樋口「現代英語冠詞事典」、p. 151)
上記の例を見てくれ。関係詞節の直前の space は先行詞ではなく、遠く離れた
"a brilliance" が先行詞であるのだが、そのことは、前後の脈絡からわかるだけではなく、
はっきりと "a brilliance" というふうに a をつけていることにより、関係詞節によって
修飾されているという符号にもなっているのだ。もちろん、ここでの a が「一種の」というような
意味合いになっているけど、なぜそのような意味合いになるかというと、関係詞節によって
修飾されたような「一種の brilliance」という意味合いになるのだ。もしも関係詞節が
なかったら、いきなり "a brilliance" にはなりにくいということは、上記の (a) の
例文に a がついていないことからもわかる。
これに似た例文は、おびただしくこの辞書には並んでいるので、それらをすべて眺めれば、
抽象名詞に a がつくときには、何がどうなっているのか。修飾語句(関係詞節)がどのように
関わっているのかが納得せられるのである。
英標を確認してみたところ
語注のところで
in the broad sense「広い意味での」
としているから原先生は形容詞句と捉えているのかな。
イギリス人は自分たちのユーモアの感覚の深さと変化に富むことを誇りとするが、こうした広い意味に用いた場合のユーモアによってこそ、イギリス人の想像力は現代小説における特徴ある形式を見い出したのである。
原先生の訳を読んでいるとsenseのほうに見えるけど、よくわからん。
645 :
名無しさん@英語勉強中:2014/06/11(水) 08:36:25.99 ID:RgYeO4qf
英語長文問題精講と英語標準問題精講って違うもの?
表紙も同じ柄でなんだかややこしいのだけど。
>>643 の続き 【関係詞節や形容詞(句)がつくと、名詞についていた定冠詞が不定冠詞に変わったり、
不定冠詞が逆に定冠詞に変わったり、あるいは無冠詞だったのに不定冠詞または定冠詞がついたりする】
というわけで、仕事の合間を縫って、少しずつ話を進めていきたい。ここで上記に見出しとして挙げた
問題は、誰でも気づいているように見えて、今回のような実際の英文に接すると、他のいろんな難しい
諸問題に気が散ってしまって、みんな忘れてしまっているような気がする。
今回の英文標準問題精講や阪大の問題文や、その他の例文における【後半の修飾語句は、
その前のどの名詞にかかっているのか】という問題の場合も、(もちろん前後の文脈から
判断するのが正当だということは当然であるが)実はそういう前後の文脈によって、
著者が、被修飾語である名詞に本来はついていたはずの定冠詞を不定冠詞に変えたり、
不定冠詞だったものを定冠詞に変えたり、あるいは無冠詞だったものを不定冠詞または定冠詞に
変えたりすることによって、実はその名詞にはそのあとに続く修飾語句によって修飾されている
のだということを示す符号をつけているのだ。その「この名詞こそ、あとの長い修飾語句によって
修飾されている対象なんですよ」ということを示す符号こそが、冠詞の種類や、冠詞の有無なのだ。
ここで問題になっている例文のうち、代表的なものを3つだけ、再び引用する。
(1)
>>643 (樋口の冠詞事典) There is a clarity, 【a brilliance】 to space that simply
doesn't exist on Earth. . . (宇宙には、地上にない輝き、光輝さがある。)
(2)
>>601 (阪大の問題) it also gives a kind of 【presence and immediacy】 to the world
【unparalleled elsewhere, and undreamt of before the cinema was invented】.
(3)
>>580 (標準問題精講) using the word in the broad sense that we employ when
congratulating ourselves on the depth and variety of our own sense of humour,
(続く)
>>646 の続き
まずは、(1) の、樋口の冠詞事典からの例文から検討する。
(1)
>>643 There is a clarity, 【a brilliance】 to space that simply
doesn't exist on Earth. . .
>>643 で、この (1) の例文の直前に、brilliance が無冠詞である例を挙げた。
その例文にあった通り、通常はこのような抽象名詞には冠詞がつかない。しかし、
(1) の例文にあるように「関係詞に導かれる節」によって修飾されている場合は、
brilliance という抽象名詞にも冠詞がつく。今回の場合は、定冠詞ではなく不定冠詞が
ついている。
この文を前から読んでいくと、
There is a clarity, 【a brilliance】
とある。読者は、「ははあ、brilliance という抽象名詞に a がついているところを見ると、
この文章の中では、brilliance には、何らかの修飾語がついているんだな」と勘付く。
修飾語句によって限定されるような「一種の brilliance」だからこそ、a という不定冠詞が
つくのだ。
もしもここで、修飾語句によって限定されるような brilliance が一種類しかないものだったり、
あるいは今回の brilliance が読者の承知済みの brilliance なのであれば、a ではなく
て the がつくはずだ。でもここでは a なので、読者の承知済みのものではない。初めて
出てくる brilliance であり、しかもそのあとに修飾語句がつくはずだ、と読者は勘付く。
そして急いで読者は続きを読む。
>>647 の続き 【(1) の樋口の例文の中で "a brilliance" を関係詞節が修飾していることを見破る方法】
brilliance のあとに "to space" などという不届きものが邪魔をしてやがるけど、
その space をそのあとの修飾語句が修飾しているのではないということは、すぐわかる。
それは、space に the も a もついていないからだ。何もついていない無冠詞の space
は、一般に読者が頻繁に見ている普通の単語だ。無冠詞の space は、「何の変哲もない、
特定されていない、ぼんやりした、初出の space」なのだ。だから、そのあとの
修飾語句がこの space を修飾しているはずがないのだ。
もしも、この space をそのあとの修飾語句が修飾しているのだったら、space に a または
the をつけないといけない。
今回の (1) の例文においては、関係詞節の直前に space という単語があるけど、それは
従来の、何の変哲もない「空間」を意味するときの space という単語は無冠詞で使うのが
普通であるため、この space には修飾語句が修飾しているはずがないと読者は考えるのだ。
そして、じゃあ、この関係詞節は何を修飾しているのかというと、少し前にある "a brilliance"
を修飾しているのだろうと読者は考える。brilliance は通常は無冠詞で使う。それなのに
わざわざ冠詞をつけてある。わざわざ brilliance にこんな変な冠詞をつけてあるのだから、
この brilliance にこそ関係詞節が修飾しているのだと読者は理解できるのだ。
>>647 (1)
>>643 There is a clarity, 【a brilliance】 to space that simply
doesn't exist on Earth. . .
もしもこの文において、関係詞節で space を修飾して、その逆に clarity や a brilliance
を修飾するのをやめたいのなら、clarity や brilliance についている a を消して、
その代わりに space に冠詞をつける。ただしその冠詞と言っても、the にするか a にするか
僕は迷ってしまう。
space を修飾したいと思ったときに書くはずの英文
There is clarity, brilliance to 【a space (または the space)】 that simply
doesn't exist on Earth. . .
しかし、このような英文は、前後の脈絡から考えて、おそらくは存在しえないだろう。だからこそ、
著者は space を修飾せず、あくまで clarity や brilliance を修飾したのであり、
さらには、それを修飾していることを示す符号として、その抽象名詞に a をつけたのだ。
>>649 【space が無冠詞】
この例文において space が無冠詞だからこそ、この space は、ある特定の、ある場所にある
space ではないということがわかる。この space は、単なる「空間」という意味か、あるいは
この例文の前後の脈絡を見ていると、おそらくは「宇宙」という意味だろうと思う。
「宇宙」という意味で universe という単語を使うときには、the universe というふうに
言い、the をつける。そして、いくつもの宇宙が存在するというような多元宇宙の考え方などに
ついて話をするときには "many universes" というような複数形とか "a universe" という
ような単数形の、しかも a のついた形を使う。しかし、一般的に人は宇宙を一つだと考えて、
そういう前提で日常生活を送っているので、日常的な次元ではもちろん、"the universe"
というふうに、単数形で、しかも the をつける。
しかし、space を「宇宙」という意味で使うときには、the も何もつけないようだ。
"Star Trek" というドラマの始まりで、Captain Kirk がナレーションを流す。
Space, the final frontier. These are the voyages of the Star Trek
Enterprise.
とか何とかいう台詞だったと思う。ここで space には冠詞がついていない。だから、
>>649 の例文に出てきたような「宇宙」とか「空間」という意味で普通に space を(限定もなにも
しないで)使いたいときには、無冠詞にするようだ。だからこそ、この樋口の「冠詞事典」からの
例文では、space を無冠詞にしているのだ。そして、もしそれに冠詞がついたり複数になったり
したら、読者がぎょっとして、「何か特別な意味合いを持たせないのだろう」と考えるのだ。
今回の場合は、そのあとに関係詞節をつけているのだ。
>644 熟語?形容詞句として名詞を修飾するらしい。広い意味での名詞
イギリス人が〜を自賛している(congratulating〜)ときに使う広い意味でのユーモア
777の指摘がまさか正しいとは
間違えました。。。777じゃなくて夏目漱石のレスのひと。
"in the broad sense" の sense を関係詞節が修飾しているかどうかは置いとくとしても、
なぜこの "in the broad sense" が形容詞句なのか副詞句なのかが問題になるのかが、
僕にはわからない。どっちでも同じことになると思えてならない。
(1) 形容詞句として考えると
〜というような広い意味【での】(ユーモアという)言葉を使うことによって(使いながら)
(2) 副詞句として考えると
〜というような広い意味【で】(ユーモアという)言葉を使うことによって(使いながら)
>>653 質問なんですが、
修飾語句や挿入句などは先行詞になれるんですかね、そもそも。
形容詞や副詞は先行詞になれるんでしょうか。
丸投げしてごめんなさい。
655 :
589=601:2014/06/11(水) 13:02:53.00 ID:9EMFpKyU
>>653 副詞節だと考えたら、その前の名詞wordを先行詞とする説は
少し可能性が下がるからだよ。考えてたのは先行詞が何か、でしょ?
@ 名+(副)【前+名詞】+形→この形容詞が名詞を修飾する形は稀
A 名+(形)【前+名詞+【形】】→この形ならふつう
それだけの話で、in the broad senseの品詞的意味自体を問題にしたのではないよ。
だけど例@の場合も阪大に出ていたから、稀だけどあるのはあるかってことを言いたかった。
>>654 形容詞そのものや副詞そのものは、先行詞にはなれないと思います。しかし、今回のような
"in the broad sense" というような「名詞を含んだ形容詞句または副詞句」のうちの
名詞の部分は、先行詞になれると思います。「思う」というよりも、そんなこと当然だという
気がするんですが、違うかな?
>>654 連投だけど、通常、先行詞は名詞なんだから、
形容詞"句"や副詞"句"なら、その中の名詞は先行詞になれるじゃん。
>>655だけど書き方間違えた
@ 名A+(副)【前+名詞】+形→この形容詞が「名詞A」を修飾する形は稀
A 名A+(形)【前+名詞+【形】】→この形ならふつう
こういう意味だった。
@は副詞が間に挟まって、その前の名詞Aを修飾しているから、
そのケースは稀といえるよね、ってこと。ややこしくてゴメン。
>>660 の (1) のような例は、本当に「まれ」なの?
そんなことを僕は感じたことがないけど。たとえば、すでに
僕が挙げた
>>559 の場合はどうなの?この場合の
in countries は副詞節だと思うけど。そしてこのような
例はおびただしく、いくらでも見つかると思うけど。
一体、いつまで解釈「書」のスレで解釈やってるんだよw
別に解釈専用のスレ立ててそこでやれよ
663 :
名無しさん@英語勉強中:2014/06/11(水) 13:44:44.87 ID:kIdG8jME
>>662 だって燃料の投下がないんだもん。
それなら解釈書のネタをふってくれよw
今、もういちど足腰を鍛えなおそうと、
でる単・でる熟・700選の暗記をやり直している。
>>646 (2)
>>601 (阪大の問題) it also gives a kind of 【presence and immediacy】 to the world
【unparalleled elsewhere, and undreamt of before the cinema was invented】.
(1) の例文については、すでに述べた。そのあとの (2) と (3) については推して知るべきだけど、
あえて説明する。(2) の阪大の問題の場合、その後半にある修飾語句である "unparalleled 云々"
は、すでに言ったように、"presence and immediacy" のみにかかっているのではなく、
"a kind of presence and immediacy" の全体にかかっている。むしろ、presence and
immediacy よりも、そのまえの a kind の方に重点があるのではないかと僕は見ている。
(1) の場合と同じように、ここでも、通常は presence and immediacy には冠詞も何もつかない。
もしも後半の "unparalleled 云々" がなかったら、次のようになっていたはず。
It also gives presence and immediacy to the world.
これで文が完結していたはずなのだ。presence and immediacy には冠詞がつかない。
"kind" という言葉も不要。
そして、"unparalleled 云々" という修飾語句をつけると、同じ presence and immediacy
でも、特殊なものというか限定されたものになる。一般的な presence and immediacy ではなく、
その中でも "unparalleled 云々" で修飾されるような、ある特定の種類の(つまり
"a kind of")ものになるのだ。だからこそ、a kind of がつくのだ。もし a kind of
をつけないで済ませたいと思ったら、単に a だけをつけても、a kind of という意味合いになる。
(続く)
>>665 の続き
さて、関係詞節の直前にある to the world の world は、the world というふうに
the がついている。"world" という単語を使って「世の中、世間、(一般に僕らが普通に
見ている)世界」という概念を表すときに、人は普通 the world というのだ。だから、
この文において the world が出てきたということは、何の変哲もない一般的な世界とか
世間とか世の中だということになる。だからこそ、それには修飾語が付かなくてもいいのだ。
ところが、もしこの world をそのあとの関係詞節が修飾していたとしたら、どうなるか?
その場合、著者は決して the world のままでは放ってはおかない。
(1) a world
(2) a kind of world
などと言うはずだ。このように、何の変哲もない普通の世界とか世間と言いたいときには
the world になるけど、それをあえて "a world" または "a kind of world" にすると、
読者はぎょっとして、「これには何かあるぞ、見てろ」という気分になる。
そしてそのあとを読むと、案の定 "unparalleled 云々" がついているではないか。「やっぱりそうか」と読者は
安堵し、"unparalleled 云々" が "a world" または "a kind of world" を
修飾しているのだと納得するのである。
>>646 【標準問題精講の例文に戻って】
さて、いよいよ (3) の、標準問題精講の例文に、再びしつこく戻って考える。今度こそ、最終的な
解釈を加えてみたい。
(3)
>>580 using the word
in the broad sense 【that】 we employ when
congratulating ourselves on the depth and variety of our own sense of humour,
さて、that に導かれる関係詞節は、word か sense か、どっちにかかっているのか?
答えは、最初から僕が主張している通り、"the broad sense" にかかっている。なぜか?
それは、本来ならば「広い意味で(または「広い意味での」)という連語は
"in 【a】 broad sense" という言葉で表現し、a を使う。単に a を使った
"in a broad sense" としてあれば、読者はそのまま単なる副詞句または形容詞句として
そのまま読み流す。つまり、何の変哲もない普通の熟語として見逃すのだ。だから、そのあとに
関係詞節などが続くなどとは思わない。
しかしだ。ここでは "in 【the】 broad sense" というふうに書いてある。不定冠詞であるべき
ところを定冠詞にしてあったり、無冠詞であるべきところに冠詞がついていたり、あるいは
定冠詞であるべきところに不定冠詞がついていると、何度も言うように、読者はぎょっとして
身構え、「いったいこれは何事だ。何があったのか?」と慌てふためく(というのは、もちろん
ジョークとはいえ、読者はここで、普通の言い回しではなく、あとで修飾語句でもつけて
特殊な限定を施しているのだろうと予測するのだ)。
そして今回の場合も、やっぱりそうだ。"in a broad sense" という普通の言い回しの a
を不届きにも the に変えてあるから、その落とし前をつけるため、そのあとに修飾語句である
関係詞節をつけているのだ。
そしてその前にある the word は、humor を意味するというわけだ。