広島大学新入生(1年次5月)平均点
医学部医学科 H18: 616.2 H19: 615.1 H20: 626.8 H21: 594.4 H22: 638.9
教育学部英語文化系コース H18: 625.0 H19: 639.1 H20: 620.0 H21: 586.8 H22: 624.1
Toeic向けのテスト練習をしていない新入生時点で、全員の平均点で600点を超えてくるってのは
本当に大したもんだよ。20年前には考えられない。
ちなみに医学部医学科と教育学部英語文化系コースの大きな違いは入学後の点数推移にある。
H19年入学生のデータをみると、医学部医学科では入学直後の1年次5月(平均629.1点)が
ピークで、その後どんどんスコアを落として、3年次2月には平均468.4点まで落ちているけど、
教育学部英語文化系コースでは1年次5月(平均639.6点)が底で、その後どんどんスコアを
伸ばして、3年次2月には平均819.8点になっている。
H19年広島大学入学生の入学後の平均点推移(全回受けている人が対象)
医学部医学科 1年次5月: 629.1 1年次2月: 599.7 2年次2月: 544.0 3年次2月: 468.4
教育学部英語文化系コース 1年次5月: 639.6 1年次2月: 667.6 2年次2月: 766.6 3年次2月: 819.8
広島高師の伝統を受け継ぐ広島大学教育学部の英語文化系コースは、将来の日本の
中等英語教育のリーダーとなる人材を養成することを目指しているだろうから、
これくらいがんばってもらって当然かもしれないが、全員の平均で800点を超えてくるのは中々優秀。
しかし、現実的に考えれば、教育学部英語文化系コースの場合は、教員採用試験が控えているという
事情が大きいんだろうな。同様に医学部医学科の場合には、東大理系と同等の難易度の大学入試に
合格しなければならないという事情が(TOEICで測定される)入学時の英語力を高める要因になっている
と思われる。目の前にある試験っていうのは、大きな学習インセンティブになるんだね。
ttp://home.hiroshima-u.ac.jp/flare/toeicip/ (このようなデータを蓄積し公開している広島大学の先生は偉いと思う。)
参考までに全学のデータは次の通り
1年次5月平均点
H18: 458.6 H19: 455.8 H20: 440.5 H21: 454.9 H22: 466.6
H19年入学生の入学後の平均点推移(全回受けている人が対象)
1年次5月: 456.9 1年次2月: 450.9 2年次2月: 442.6 3年次2月: 440.4
残念ながら、全体でみると、TOEICで測定される英語力は、入学後落ちている。
(このようなデータも隠さず公開している広島大学の先生は立派だと思う。)
39の専攻区分(学部・学科・コース)のうち、1年次5月よりも3年次2月の平均スコアの方が高いのは
12のみ(残る27の専攻区分では1年次5月よりも3年次2月の方が低い)。平均スコアが30点以上
伸びているのは3つのみ。
やはり人生を左右する将来の試験や選考(つまり大学入試や新卒採用試験・条件)で英語力が
要求されない限りは(目の前にニンジンがぶらさげられない限りは)、勉強しないってのは平均的な
人間の姿なのかも。
そういう意味で、企業が採用に際してTOEICの点数を条件にする動きは、大学生の英語学習意欲
に影響を及ぼすかもしれない。ただ、そういう動機で小手先の勉強するってのはあまり感心しない
けどね。付け焼き刃は剥落する可能性がある。
>>14で示した医学部医学科のスコア推移がそれを
示唆していると思う。
ttp://home.hiroshima-u.ac.jp/flare/toeicip/