【参考文献】 『徹底例解 ロイヤル英文法 改訂新版』(青ロイヤル) (文献表記がなくセクション番号「§」だけの見出しは、青ロイヤルを指します) 江川泰一郎『英文法解説 改訂三版』(「江川」と表記) 安藤貞雄『現代英文法講義』(「安藤」と表記) Michael Swan『Practical English Usage (3rd edition)』(『PEU』と表記) 他の文献は書名を表記します。
【書式】 ( ):省略可能。[ ]:前の語句と入れ替え可能。 < >:名詞要素。{ }:形容詞要素。(( )):副詞要素。 S:主語。V:動詞。O:目的語。C:補語。A:付加語、義務的副詞。M2:副詞要素 s v x:文章の形をとる従属節(詳細な文型は説明文中に別記) to v x:to不定詞。for s' to v x:意味上の主語がついているto不定詞。v-ing:動名詞句
なお、instead of と without の区別も重要なのでおさえておきましょう(『PEU』§301-[2])。 「A instead of B」であれば、A と B は二者択一で同時には成立しません。 「A without B」であれば、A と B は同時に成立するけど A だけだ、という状況です。 【例題】雨が降っていたので彼は出かけずに家にいた。 × Because it was raining, he stayed home without going out. ○ Because it was raining, he stayed home instead of going out. (『大矢 英作文講義の実況中継』L.40「withoutの正しい使い方」)
crew などの集合名詞は、個々のメンバーに重点があれば単数形でも複数扱いになります。 また、その場合、「メンバー全員」を表す「all the 集合名詞・単数形」の形もよく使われます。 該当箇所: 「§41 集合名詞、[1] 可算名詞として用いられる集合名詞、(1) 単数・複数両様の扱いをする集合名詞―family タイプ」 「§103 all と both の用法、[1]-(1) all、【2】-[c] 分割できると考えられる可算名詞について,その全体を表す。」
all の使い方の簡単なまとめ(『PEU』§36)。 ○ all of <限定詞 名詞> ○ all <限定詞 名詞> (特定的。all <限定詞 名詞> の方が普通) × all of <名詞> ○ all <名詞> (総称的。まれに特定的。安藤 p.488) ○ all of <代名詞> × all <代名詞>
649.(群前置詞:up to) It / is / ((well)) known / <that s v x>. (文型:S V C)(受動態)(形式主語のit:真主語がthat節)
that節内は、M2((Up to <the middle of the 19th century>)) / S / was / C (文型:S V C)
up to は、「最大/最高で〜まで、〜に至るまで」を表します(例文275参照)。 「up to 具体的数字」なら、形容詞的に「最大/最高○○」になることもあります。 (明確に「〜以下」を示すときには、「up to and including 具体的数字」を使います) また、up と to という基本語の組み合わせなので、さまざまな用法があり、 「be up to 人」で「(人)の責任だ」といった表現もあります。辞書でよく確認しておきましょう。 該当箇所: 「§318 前置詞の種類、(2) 群前置詞」 「§323 群前置詞、(1) 2語から成る群前置詞」
「〜まで」の簡単なまとめ(『PEU』§602-[3]) ・時間:until/till / up to (up until / up till も可) ・距離:as far as / (up) to ・数量:(up) to (ただし、(up) to は前置詞の用法しかありません)
be ((well)) known の well など、受動態における副詞の位置については、例文291、293参照。
651.(群前置詞:in case of) M2((In case of O)), / break / O / and / push / O. (文型:(S) V O and (S) V O)(命令文)
in case of は、(1)「〜の場合には」(通例文頭)、(2)「〜の場合に備えて」(通例文尾)を表します。 「in case s v x」(例文524)と異なり、【英】と【米】の用法に違いはなく、 主に(1)「〜の場合には」の意味で、注意書きなどの書き言葉で使われます(『OALD』参照)。 なお、「in case of の目的語が普通名詞の場合、通常、不定冠詞はつかない」という語法があったりします。 「in case of+名詞」=「if there is a/an+名詞」(『実例英文法』§227B) In case of fire, break glass.(=If there is a fire...)(『PEU』§271-[4]) 該当箇所: 「§323 群前置詞、(2) 3語以上から成る群前置詞」 参考: 「§294 目的・結果の副詞節を導く接続詞、[1] 目的を表す副詞節を導く接続詞、(3) 〈in case〉」 「§295 条件・譲歩の副詞節を導く接続詞、[1] 条件の副詞節を導く接続詞、(2) in case」
652.(群前置詞:in honor of) S / are going to give / O / M2((in honor of O)). (文型:S V O) S / are going to give / <a reception {←in honor of O}>. (文型:S V O)
in honor of の目的語のところは、<Mr. Clark, {←who came ((to Japan)) ((the other day))}> cf. Mr. Clark / came / A((to Japan)) / M2((the other day)). (文型:S V A)
in honor of O / in O's honor は、「〜に対する敬意を表して/を祝して」を表します。
>>35 品詞分解というのは便宜的なものにすぎないので、 in case of に限らず、自分にとって都合の良い方でかまわないと思います。 何度か書いたように、 「熟語」や「成句」を一度解体して理解するのは大事なことですが、 「まとまり」として憶えておかないと、とくに書く/話す上で実践的じゃないだろう、 というのが俺の考え方です。
case の意味をちゃんと確認しましょう、という点は、 もうちょっと強調しておけばよかったかもしれませんね。 「in spite of」の spite も調べておきましょう。
653.(群前置詞:in spite of) M2((In spite of O)), / S / are / ((still)) C. (文型:S V C)
in spite of は、「〜にもかかわらず」を表します。 「譲歩」を表す表現として、「in spite of O」と「though/although s v x」を関連させて理解しておくと良いでしょう。 また、「despite O」も同じ意味を表しますが、フォーマルな書き言葉です。 該当箇所: 「§323 群前置詞、(2) 3語以上から成る群前置詞」 参考: 「§389 複文と単文の転換、[3] 副詞節を含む複文と単文との転換、(4)-【4】 譲歩を表す副詞節⇔副詞句」 「§390 重文と単文の転換、(3) 〈前置詞+名詞・動名詞〉で作る副詞句を用いる」
なお、「in spite of oneself」だと「自分の意思に反して/思わず/知らず知らず」といった意味になります。 該当箇所: 「§92 再帰代名詞、[2]-(1) 再帰用法、【3】 前置詞の目的語になる、[c] その他の慣用表現」
654.(群前置詞:in terms of) It / is / C / <to v x>. (文型:S V C)(形式主語のit:真主語がto不定詞)
真主語の to不定詞のところは、try / to v x (文型:(S) V to do) try に続く to不定詞のところは、judge / O / A((in terms of O)) (文型:(S) V O A)
in terms of は、「〜の観点/側面から、〜の点では」といった意味を表します。 term はなかなかとらえにくい単語ですが、とりあえず「限界/境界」という語源をおさえた上で、 それぞれの意味を理解していくと良いと思います(例文35、140参照)。
657.(群前置詞:at the back of) There / used to be / S / A[C]((at the back of O)). (文型:There V S A[C])(there構文)
at the back of は、「〜の後ろ[裏/奥]に/で」を表します。 in front of の反対語で、「裏」を意味するときは behind とほぼ同義ですが、 「奥」「後列の座席」を表すこともあります(例文205)。文脈に応じて位置関係を把握しましょう。 We could only get seats at the back of the room.(『OALD』backの項) 該当箇所: 「§337 場所を表す前置詞、(10) before,in front of,behind,after、[注]behind と at the back of」
used to do については、例文363、364参照。
658.(群前置詞:for the purpose of) S / went ((over)) / A((to O)) / M2((for the purpose of O)). (文型:S V A)
動名詞のところは、studying / O (文型:(S) V O)
for the purpose of は、「〜という目的のために/の目的で」を表します。 フォーマルな表現で、動名詞を続けることがよくあります。 該当箇所: 「§323 群前置詞、(2) 3語以上から成る群前置詞」 「§389 複文と単文の転換、[3] 副詞節を含む複文と単文との転換、(3) 動名詞を用いる、 【3】 目的を表す副詞節⇔動名詞」
659.(二重前置詞:except+前置詞句) M2((Except in O)), / S / is / allowed / to v o. (文型:S V C to do)(受動態)
「except+前置詞句」の形です。例文640参照。
660.(群前置詞:with a view to) S / have established / O / M2((with a view to O)). (文型:S V O)
動名詞のところは、promoting / <new researches {←concerning O}> (文型:(S) V O)
with a view to は、「〜に向けた意図/見込み/目的で」を表します。 この to は前置詞なので、後ろは原形ではなく動名詞がくる、という点を確認しておきましょう。 「with a view to doing」で憶えておくのも有効だと思います。 該当箇所: 「§323 群前置詞、(2) 3語以上から成る群前置詞」 「§75 不定冠詞の特別用法、[4] 不定冠詞を含む慣用表現」
662.(間接疑問節を含む疑問文:疑問詞+do you think+間接疑問節の残り) What / do / you / think / <s v m2>? (文型:S V O)(疑問文)
think や believe といった「思う」を意味する動詞などの疑問文では、 間接疑問節の疑問詞部分が、主節を飛び越えて文頭に移動します。 「Yes/No」では答えられない場合にこの型になる、というのが実践的な基準でしょう。 また、do you think を挿入的にとらえるのも有効だと思います。
ということで、 分離した what節を戻すと、what / S / must do / M2 で、 We / must do / something / M2((in order to v o)). (文型:S V O) ってな形からの変形。
なお、疑問詞が間接疑問詞節内の主語にあたる場合、that を入れることはできません(安藤 p.176) ○ Who do you think John saw? ○ Who do you think that John saw? ○ Who do you think saw Mary? × Who do you think that saw Mary?
該当箇所: 「§29 疑問文、[3] 疑問文の種類、(4) 間接疑問、【2】-[a]」 「113 注意すべき間接疑問の語順、(1) What do you think …? の型」
否定に対する受け答えでは Yes と No の使い方に注意しましょう(例文630参照)。 Do you play tennis? Don't you play tennis? You play tennis, don't you? You don't play tennis, do you? どの疑問文に対しても、 ・テニスをする場合:Yes, I do. ・テニスをしない場合:No, I don't. (『TOEIC TEST 990点満点英文法』p.65参照) 該当箇所: 「§143 肯定・否定の副詞、[1] Yes と No の用法」