嫌がる初心者にムリヤリ園芸の基礎知識を伝授するスレ
>>378 バカヤロー!!!!!
いいか、挿し木ってのは挿し穂に蓄えられたエネルギーのみで根を分化させなければならないんだよ!
つまり、発根率を上げたければなによりも挿し穂の選定が重要になってくるんだ!
挿し穂の発根能力に関しては、植物の幼若性が大切になってくるんだぞ!
基本的にはなるべく若い木ほど挿し木に適しているが、
幼若性というのは一本の木でも部位によって異なる事を留意するべきなんだよ!
たとえば、花はどこに咲く?枝の先端に咲くのが普通だよな?
つまり、枝の先というのは成熟して花芽分化が盛んに行われる、
若幼性の低い部分だということだ!
では、逆に若幼性の高い部位、挿し木に適した部位はどこかと言うと、
基本的に根に近い部分ほど若幼性は高いから、幹から直接出てくる枝なんかは最高なんだよ!
そんな枝ないよー、って場合には徒長している枝や、枝の剪定後に出てきた枝なんかは
幼若性が高いと覚えておくんだぞ!
どの場合も、去年の春に出た枝を初春に挿すか、その年に出た枝を梅雨時に挿すのがいいと思うぞ。
さて、挿し穂が確保できたらボヤボヤしてないで次にいくぞ!
ここで挿し穂を乾燥させてしまっては発根率は極端に下るのだ!
挿し穂の切り口をくさび型に整えてから(これは水の中でやってもいいぞ)、水上げ作業に入れ!
このとき、葉っぱが付いていればそれは水中に入れない事!
葉からの蒸散に伴って水が上がる、という植物のシステム上葉っぱを水中に入れてしまっては
水が上がらないのだ!
水揚げは気が済むまでやればいい。一晩漬けとく人もいるが、俺は長くても2〜3時間でいいと思う。
水をメネデール希釈液にしておけば、おまじない程度にはなるぞ!
水揚げ後、万全を期すならルートンなどの疑似植物ホルモンを塗布して発根を促すのもいいだろう。
さて、水揚げ中ヒマなら挿し床を作ろうではないか!
挿し床で重要な事は二つ。水に関する部分と衛生に関する部分だ!
挿し穂には根が無いので、一般の植物ならどうという事もない乾燥が命取りとなる!
かといって水浸しでズブズブでは酸素が足りなくなってしまう!
また、挿し穂は病気に極めて弱いので、無菌状態の用土が望ましい。
つまり、保水性が高く、排水性が高く、かつ無菌状態であること。
だが実際のトコロは、赤玉土単用でもバーミキュライト単用でも独自の配合理論でも、
あまり変わらない(赤玉土はなるべく粒が細かい方が好ましい。2mm以下で)。
変わるのは灌水の頻度だけなんだ、実際!
ホムセンで2〜300円で買える挿し木用土でも買えば、挿し床の三つや四つは簡単にできるので、
そっちを利用してもいい。
「〜〜(植物名)の土」や肥料が漉き込まれた土は使用しない事。
菌類が多いし、根の無い挿し穂にとっては、肥料など水揚げの敵なんだよ!
土が用意できたら、プランターなりトロ箱なりに土を入れるが、
容器の口いっぱいまで土を入れるような事は慎んでいただきたいものだ。
挿し穂は風でゆらいだだけでも発根しない事があるので、風よけ日よけとして容器の縁を利用したい。
適度に日があたり、適度に風をよけられる程度に土を入れてほしい。
土の深さは、挿し穂の長さにもよるが、10〜20cmで十分だろう。
さぁ、挿し床もできて、挿し穂の水揚げにも飽きてきた!
ここで大事な事を書き忘れていた事に気がついた。
挿し穂の長は、基本的に2〜3節で十分だ(もっと長くてもいいが、水揚げ量との関係で限界もある)。
ようするに枝一本から複数の挿し穂がとれる場合もあるという事。
下の一節が隠れるまで土に挿して、土中の部分が2cmくらいになる、
挿し穂はそのような位置で切って欲しい。つまり、節の直下で切ると言うこと。
さて、水揚げが終った挿し穂に必要のない部分がある。
根の無い挿し穂が上げられる水など少ないものだが、そこについている葉っぱときたらどうだろう!?
根っこからガンガン水が供給されていた頃と同じようにデカイツラをしている!
水揚げより蒸散が多ければ、水は足りなくなって枯れてしまうというのに!
そこで、葉っぱの面積を減らす。大きな葉っぱは3分の1くらいに切る。あとは半分くらいか。
下の一節までは土に挿してしまうので、一番下の葉は取ってしまう。
葉の面積を減らしたら、遂に挿す時が来た!
ここまでくれば、なにも考えずに挿してもらっても構わないが、
有る程度の間隔(挿し穂の大きさによる)は空けて頂きたい。ガーデナーなら直感で分かるはず。
また、挿し穂を挿し床の周縁部に並べれば、斜めに立て掛けるように挿す事で風等による
挿し穂へのストレスを多少和らげる事ができるので覚えておいて損無し。
また、挿し床は直射日光と風をさけられる場所に置く事。
どちらも蒸散量を増やす要因であると同時に、風は挿し木の天敵である!
後は土を乾かさないように灌水を続ければいい。
絶対に注意すべき事は、挿し穂に触れない、という事!
どうしても気になるのが人情だが、一月二月くらいで我慢が切れるようでは
挿し木の道は果てしなく遠い。
同様の理由で挿し床の移動もオススメできない。
ストレスになるし、形成層(樹皮直下の緑の部分)が土に触れつづけていないと発根しないのだ!
以上で基本的な挿し木方法は終了だ!
樹種によっても違う事は言うまでもないが、大概はこんな感じだ。
春先に挿し床を用意しておけば、剪定時に出た枝をテキトーに挿していけるので便利だぞ。
そういう、ダメ元で挿したモノ程活着率が高い気がするのが不思議だ。
挿し木のコツは、手はかけるが気にかけない、コレだと俺は思ってる。
まぁ、手をかけるって言っても、灌水を忘れない、くらいのモンだけどな。